見出し画像

Re:天才シャドバプレイヤーなら全カード語れる説第五十三回「ブラッドロード・ユヅキ」

最近、魚を釣りに行った時の話である。その日はなかなか釣れず、モヤモヤしていた。釣りスポットは普段から行っているところで、こんなに釣れないのは初めてだった。

なぜなのか分からずにいると、急に翼が羽ばたくような音がした。その音が鳴った方角を見るとそこには赤い7つの翼を付けた女性が空を飛んでいたのだ。「え?」と私は思わず口に出した。よく見ると彼女の下の水辺が激しく音を立てている。それは魚の大群であった。魚が、空を飛ぶ彼女に向けて飛ぼうとしていたのである。釣れなかった理由はこれかぁ、と腑に落ちたが、そんなことよりアレは明らかにヤバい。だって人は翼ついてないし、飛ばないもん。明らかにバケモンの類である。逃げようと車に駆け込もうとすると、そこに別の女性が現れた。

その女性こそが

画像1

Re:52回「進化Vの大黒柱、ブラッドロード・ユヅキ」

画像2

OOS-レジェンド
3コストヴァンパイア・フォロワー
2/3→4/5
ファンファーレ 「このバトル中、自分のフォロワーが進化した回数」が3回以上なら、相手のフォロワー1体を破壊する。カードを1枚引く。
5回以上なら、1体ではなく2体。1枚ではなく2枚。
進化時 ブラッドロード・ユヅキ1体を出す。それは「自分のターン終了時、消滅する」を持ち、進化する。

これはこれは。愛とは、なるほど。
泡沫に酔ったおゆかり様が、のぼせて海へ身投げるよう。
欲すも望むもようざんす。けれどそろそろ醒めなんし。
――姦淫の試練、きさんじなもんだね。

醒めれば果てる一夜の花。だが儚くとも確かに花。
呪わずとも傷付け合わずとも、月の間はそこに在る。
――姦淫の試練を越え、ここに福音は齎された。
「愛は泡沫、淡き故の享楽。我儘はいいなんすな」

画像3

彼女は群がっていた魚群に向かってジャンプして乗魚(そんな言葉はないが)。空を飛ぶ謎の女性の元へ一気に近づきそのまま持っていた剣で翼ごと切り裂いた。うわ〜銃刀法違反だな〜って思いながらも怖いから通報とかはせず車で急いで帰ってきてこの記事を書いています

というのは嘘なんだけどこいつの進化後に出てくるクソデカ魚はマジでなんなの?

効果から見ていこう。3/2/3というスタッツで効果は二つ。一つ目が進化時に自分をもう一体出して進化させるというもの。ただし分身したほうはターン終了時に消滅しちゃう。シナジー抜きに考えてもとりあえず4点除去である。二つ目がファンファーレでの進化回数に応じた破壊とドロー。3回進化で1破壊1ドロー、5回でそのどちらもが2となる。

このカードの就職先は見ての通り進化ヴァンプである。いつ引いても偉い系カード。中盤における進化は除去として普通にクソ強いながら進化回数を雑に稼げて優秀。そして除去効果も3コスでは破格の性能であり、ドローもついているところから堕落の決意を思わせる性能である。カードしての性能はドチャクソに高い。このカードはテキストが流石に進化ヴァンプすぎるので進化ヴァンプの歴史とともに(というか歴史メインで)見ていく。

進化ヴァンパイアの最初の流行はOOS最初期である。

画像4

(Twitterより)

デッキの流れとしてはカーリーやアルザード、ユヅキといったカードで進化を稼ぎ、6回進化すると山から飛び出てくるaoe付き疾走ブラッディデーモンで顔を殴りながら盤面を更地にし、グリームニルでとどめを刺すといった感じ。進化を稼ぐ過程が除去ちゃんとできて、ドローも回せるとしっかり強いので、かなり環境初期では人気を誇ったし最初期グラマス到達者は結構使ってる人が多かった。

しかし研究が進むにつれてこのデッキの弱さが露呈し始める。その弱さの最たる原因はフィニッシャー、ブラッディデーモンである。ブラッディデーモンは6回進化で自ターン開始時に直接召喚される7/4/5疾走ドレインで攻撃時2点aoe、復讐なら8点というカード。直接召喚されれば疾走もaoeももちろん強い。強いのだがそれ以上に問題が目立つ。まず第一に手札に来た際に全く仕事をしない点。棘の吸血鬼やユリアスで捨てれるのはそうなのだが、消極的すぎる。最近の直接召喚を持つカードは煉獄さんのようにファンファーレを付けることで手出しにも意味を持たせたり、アイヴィーキングのように山に戻る機構を持っていたりするものなのだがこのカードには一切その配慮がない。そのくせしてラウラ、カーリーが渇望を要求してくるので山札を引かざるを得ない。また次の問題点として打点もaoeも中途半端というものがある。ブラッディデーモン進化紅の仁義グリームニルで19点だったり、盤面がそこそこ作られてるとグリームニルのための掃除が機能しなかったり。直接召喚疾走を慎重に設計しているのは天翔けるドラゴニュートの時からわかってはいたが、それにしても慎重すぎる。aoeに関してはロゼロッティ入れて復讐に能動的に入りやすくするとか、それこそユヅキで2面処理するとかあるのだが、打点に関してはどうしようもない。あと6回進化要件がグリームニルと同じじゃなくて気持ち悪いし、実際これのせいでちょっと直接召喚がキツくなってるってのもある。

またブラッディデーモンだけに限らずこのデッキはある別のデッキと比較されることとなる。それこそが宇宙最強デッキ、進化ネクロである。フィニッシャーのレイダーは序盤に手札にいればコストが下がるし、終盤に引いてもケルヌンノスで出せる。そしてこのレイダーも盤面を一掃できる能力持ちなのでグリームニルと相性がいい。それどころかレイダーは盤面の数に応じて打点を増すので、グリームニルと合わせてケアできない打点を押し付けられる(ガンダバハの天秤みたいな)。さらにこれに加えて進化する過程の圧倒的なパワーがある。ケルヌンスージーは2枚必要ではあるが実質生き残るユヅキ進化みたいなものなので、もうやばい。ユヅキには後半破壊とドローがあるがケルヌンノスにも後半はレイダー蘇生がある。なんか悲しいよ。ここにベルエン確定死門+1コストでベルエン出せる再誕、サブ打点として優秀すぎる侵入、なんか普通に強すぎるルナともうなんでもありだった。渇望をコンセプトにしてるヴァンプ並みにドロー出来ちゃうし、ヴァンプがこのデッキに勝ってるところが全然無かった。

しかし、進化ネクロは進化ヴァンプと比べてというよりはありとあらゆるデッキと比べて強すぎたので2枚ナーフされることとなる。その2枚が忌まわしき再誕とグリームニル。そう、グリームニルが進化ネクロによって死んでしまったのだ。元々打点不足に困っていた進化ヴァンプは一番の打点源であるグリームニルを失ったのである。正確には4→6コストへのナーフで、能力自体はいじられていないから使うことはできる。実際、ネクロよりは直接召喚でaoe放てるヴァンプの方が被害は少ないだろう。ただ、それにしても2コス重くなったのはキツすぎる。ユヅキグリームニルの動きは7ppと丁度ブラッディデーモンが直接召喚されるターンくらいに出来たのだが、6+3の9ターン目となるともう山札のブラッディデーモンは売り切れている。いや〜キツいっす。そんなわけで、進化ヴァンプは進化ネクロに二重にいじめられることとなった。(因みに進化ネクロはデスキャットと鎖杖入れてすぐ復活した)

そして今弾EOP。なんでか知らないが最近、進化Vがランクマでチラホラ見るようになった。その要因となったのは新カード、憧れの飛躍・イツルギだろう。このカードはトークンの幼狼奮闘にて1コスト4点を出せるので進化ヴァンプに足りていなかった打点を補える。それでもグリームニルの傷跡は埋められてないだろと思うんだけども。大会で大した成績を収めていない割にはランクマだと結構見る。なんでだ?イツルギかわいい勢がいるのか?

このように今のところ「大活躍!」という場面はないんだけど、進化軸は運営としても刷りやすいだろうからいつ化けてもおかしくない。ユヅキ自体は上でも述べた通り1枚要求で2回進化できるし除去も普通にイカれてるパワカなので追加カードによってはすぐ壊れると思う。イツルギが出てるんだしアディショナルは期待してもいいはず。ただ、やっぱケルヌンノスとかと比べると壊れたとしても壊れ方が優しいとは思う。所詮除去なんで。テキストの刺激的さは少ない。ケルヌンノスが刺激的すぎるのかもしれない

OOSリメイクレジェンドということで、絶傑と戦っている。対戦相手はヴァー姐。フレーバーテキストが何言ってんだかよく分からないが、ヴァー姐が愛即ちs○x!!みんなで乱交しようぜ〜wみたいなこと言ってるのを無粋ですね〜って言いながら突破したっぽい。そもそも絶傑の試練自体が何するのかよく分からないからなにが突破なのかいまいち分からんのよな。姦淫の試練、きさんじなもんだねと言っているがきさんじは漢字で書くと「気散じ」で、意味としてはそのまま気を散らされるような、って感じ。なんかかなり余裕ありそうな言い草である

OOSでは絶傑と再戦することになるがそれについて書かれているのは憎悪する愛絶のフレーバーテキスト。

「私は私、君は君。この憎しみも、交じるがために」
――愛絶の姦淫・ヴァーナレク
「あれこれ理屈、好かねえこと。野暮ったくて困りんす」
――ブラッドロード・ユヅキ

ヴァーナレクは愛し合って一つになろうという思想から憎み合って一つになろうという風にチェンジしているのだが、ユヅキは理屈っぽいのは好かないね〜となんか再戦前とあんまり変わらん。ヴァーナレクに姦淫の試練で1回勝って、2戦目でもこの漂う余裕感はもうレズセの達人ってことしかあり得なくないか?姦淫を司ってるやつにレズセで余裕綽々と勝つなよ

2体破壊効果を持っているがこれはリメイク前の再現ともヴァーナレクからの継承とも見える。どっちもなのかもしれない。分身効果は愛絶ヴァー姐から取ったようにも見えるが時系列的には寧ろ逆なので、ヴァー姐がユヅキとの戦闘をもとに分身技術を身に付けたのかもしれない。知らんけど。そもそもユヅキが分身する理由がよくわからん

OOSでの絶傑と戦うリメイク組はシャドバオリジナルキャラクターから選定されているのだが(神バハと擦り合わせるのがめんどくさいからだと思う)ユヅキは一応、神バハにシャドバに出る前からカードが出ている。それとは設定が異なっているので実質オリジナルキャラってことなんだとは思う。スキンとか出てるところから見るにキャラ人気はそこそこあるっぽいからリメイク対象としては適切な人選なのかな?アラガヴィは…ドンマイw!

リメイク前同様、登場演出が和風で超カッコいい。オシャレすぎんだろ…言葉で説明するのむずいので自分でテンポラリーでも作って見てください

上でも言ったが魚が謎すぎる。別に魚がイラストに写ってても文句はないのだが、その魚がデカすぎる。デカすぎて姦淫の試練の突破報酬はクソデカ魚とまで言われている。熱帯魚的なの可愛くて買ったけどデカくなりすぎて困ってたからユヅキにあげたとかだろ、多分。ユヅキもそれ知ってたら姦淫の試練多分やってないだろ。もう諦めてカッコよく乗りこなしてるけども。

前回→アイアンツールドクター

次回→竜殺しの代償

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?