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入澤美時『考える人びと』(双葉社、2001)を読む

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一線で活躍する専門家たちに博覧強記の編集者・入澤美時が鋭く切り込む。 インタビュー集を読んでいきます。
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#入澤美時

入澤美時『考えるひとびと』より ー入澤美時「思想はいま、どこに宿るか」

本書の出版年は2001年9月30日。今からおよそ20年前です。当時、私はちょうど20歳で、おぼろげながら研究を仕事にできないかと考え始めた時期でした。今どんなことが人文学の分野で話題にされているんだろう、それに触れるために本書を購入したようにおもいます。網野善彦や大西廣、森山大道など、当時傾倒していた方々が載っているということも重要でした。しかし当時は、ここに書いてあることの半分も理解できていなかったようです。本書は当時の学会あるいは社会そのものに対して対抗的で、ラディカルな