入澤美時『考えるひとびと』より ー芳村俊一・実践と読書と研究と
陶芸家の芳村俊一は、陶芸の伝統を度外視した作品を多くつくります。ありとあらゆる石をあつめて研究し、砕き、その粉を胎(ボディ)にも釉薬にもします。それまで釉薬になりえないとされてきた素材でも釉薬たりえることを判明させました。たとえば水彩絵の具。
また芳村は作陶の一方、すさまじい量の読書をこなし、そこから得られた思想や哲学は、すべて陶芸の分野に還流させました。インタビューでもその博覧強記ぶりが披露され、読み手である私はそれに圧倒されました。これはインタビュアーも同じだったようで