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入澤美時『考える人びと』(双葉社、2001)を読む

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一線で活躍する専門家たちに博覧強記の編集者・入澤美時が鋭く切り込む。 インタビュー集を読んでいきます。
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#森繁哉

入澤美時『考えるひとびと』より ー森繁哉・身体の要求

「自分自身の身体のやみがたい何かに目覚めていくプロセス」から踊りを見出した森繁哉さんのインタビュー。ものすごく印象的な表現が散りばめられています。 彼は農村(具体的には山形県北部の大蔵村)に住まい、ここを拠点に舞踊活動を行っています。農村という世界から列島全体を、さらに越えて世界を見据えようとする活動は、鬼気迫る凄みを感じさせます。その活動の中、彼は自分の社会的位相を次のように定地します。 私はこう思っていたんですよ。小さいところに生き続けること。ここにいることが漂白であ