リューシュコードについて

 昨日よりYouTubeで活動しておられるスノーボーダーの鉢音ミクさんらの動画で、ゲレンデで板を流してしまう危険について周知されております。
 動画についての転載は許可を頂いておりませんのでTwitterなどで確認して頂きたいのですが、非常に分かり易く解説されておりますので必見です。

 これの中でリューシュコードというものが出てきます。はい、スキーボーダーには耳慣れたあのリューシュコードです。

リューシュコードとは?

 紐状、もしくはコイル状になっている頑丈なコードです。一端はスキーに固く結ばれ、板を履いたときにもう一端をカラビナなどの固定できるフックでブーツとつなぎ、板が外れても簡単に板が流れていかない為の安全器具です。スノーボードの場合は軸足、レギュラースタンスの方は左足で一本だけ繋がれますが、スキーボードはそれぞれの足でそれぞれ繋がれなければなりません。

 これが非常に面倒くさい

 板の脱ぎはきの度に付けたり外したり、ただでさえ固定式ビンディングの場合は脱ぎはきするのが大変なのですから、リューシュコードは面倒です。

 固定式はリジッドな操作感が魅力的ですが、これがあるので解放式を選ばれている方も多くいます。しかしより深くスキーボードを楽しみたいコアなユーザーは固定式にこだわりたいことでしょう。

 その固定式では、必ずリューシュコードが必要です。解放式は機能としてスキーブレーキが用意されており、ほとんどの場合で正常に調整と管理がされていれば外れても滑っていってしまうことがありません。
※アイスバーンなどではその限りではありません
 なお、解放式でもブレーキが用意できないものではリューシュコードが必要です。テレマークビンディングなどでは必要ですね。

リューシュコードの目的

 板が外れたとき、ブレーキが無ければ板はどんどん滑っていってしまいます。その危険性は板が短くとも変わりなく、小さいので跳ねとんで顔などを傷つけてしまう可能性すらあります。

 それを防ぐのがリューシュコードです。なので大事なのは外れた時に切れないこと、そして確実にどちらか一方は固く繋がれていることです。
 これが確実でないと、有事の際に板は流れて行ってしまいます。

 ではリューシュコードが必要なときはどんなときでしょう。それは板を履いていないとき、そして転倒などがあったときです。

 履いてない時はリューシュコードを手に持つ、繋ぐなどして防ぎます。私の場合はそれぞれを板で繋いで万が一手を離してしまってもどちらかがブレーキ代わりになるように持っていました。

 履くときは必ずリューシュコードを持って。脱ぐときも先に板を外すなどの工夫が必要です。そして、以外と多いのが着々や転倒などで外れることです。

なんで外れる?固定式なのに!

 それは固定式が厳密な規格がなく、使用に対して自己責任だからです。きちんと調整されていれば何が有ろうが外れない固定式ですが、ほんのわずかの調整の狂いや間違いで着地などの衝撃や転倒で外れることはあります。それだけでなくプラスチック製の固定式は折れたり経年劣化で変形する事があり、それが原因で外れることがあります。
 またマッチングが悪くどんなに調整しても外れるもの、廉価な金属製ビンディングでは左右に寸法の違いがあったり、金属製なのに変形する事もあります。一般に評価の高い固定式ビンディングはこういったトラブルが少ないので人気があり、やはり値段も安くありません。

 以外なのがブーツの変形です。外れることを恐れて必要以上の強さで固定すると、ブーツが削れたり変形して外れてしまいます。また一部のメーカーのブーツはつま先に柔らかい樹脂を採用したものもあったので、コレが理由で外れるものもありました。

 意外と多いんです。固定式で外れること。だから流れていかないリューシュコードが必ず必要なのです。

付けてなければ…

 固定式は自己責任。なのでケガや事故の場合にもしリューシュコードが無いと大変な事になります。保険に入っていてもリューシュコードがなければそれだけで有責になってしまうこともあります。

 何気なく手放したその時にもし誰かをケガさせたら?それが女性や子供の顔だったとしたら…

安全の為に

 どうですか?ちょっと考えが変わってきたのでは?なお手造りリューシュコードなどの場合は素材を始めから切れにくいザイルなどの素材にしましょう。そして短すぎると外れた際に自分に危害が、長すぎると転倒や引っ掛けるなどの事が考えられますので、適切な長さを意識して使いましょう!

安全はお金と手間と時間を費やしてでも得るべきです。自分のために、そして周囲の人たちのために皆さんでリューシュコードについて理解しましょう!

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