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ビンディングの性能とは?(解放式 その2)

 昨日のブログの続きになります。

その1 https://note.com/grski/n/nfeab49adc1c9

 昨日は解放式の機能と基本性能についてお伝えしました。今日は乗り味などに関わる性能についての話です。

 解放式ビンディングは樹脂と金属でできています。少し昔のビンディングは金属の塊といった印象のある重たくて無骨なもので、多くの方がイメージとしてそれを思い浮かべるかと思います。

 しかし今のビンディングは多くが樹脂製で、軽くて機能的に進化しています。あのずっしりとしたイメージのものは上級者や競技者向けのもの以外ではほぼなくなっています。

 この樹脂製と言うのがポイントで、スキーボードでは結構影響の大きいところになります。と言うのもビンディングの構造であるベース部が金属か樹脂かは、板のしなりに大きく影響するからです。

 言わずもがな、樹脂の方が金属よりしなります。板が短くしなるところが少ないスキーボードでしなりを阻害するような構造は、デメリットにしかならないのです。

 これは金属のベースのものと、樹脂のベースのものの写真です。見た目にしなりについて影響の差が見てとれると思います。

 実際のところ、ベースに金属を採用しているビンディングは普及クラスのビンディングでは少なく、特にあとで説明するレールシステムのビンディングは多くが樹脂です。フリースタイルスキー用の一部のもので剛性感や破壊耐性のために採用されているか、やはり高い剛性感などが必要な競技者向けモデルで採用されているくらいでしょう。

 因みにGRオンラインショップでは金属ベースのものは販売を見合わせています。

 樹脂製のもののうち最近広く普及しているのはレールシステムという調整機能の備わったビンディングです。解放式ビンディングの取り付けには板に穴をあけてビスで頑丈に固定するのですが、普通のビンディングでは一度取り付けてしまうと調整したり動かしたりが簡単に出来なくなっていました。特にブーツを買い換えた際に困ることが多く、一度あけてしまった穴は基本的には再利用できないのでそれも困ったものでした。

 しかしレールシステムの普及でこの辺の事は大きく変わっています。簡単に調整ができるレールシステムは穴をあけなおす必要がほぼなく、そのまま使えます。事実長板の世界では今はビンディングがセットになって売られているのが当たり前でその多くはレールシステムとなっていて、板とビンディングが単体で売られているのは一部の競技者向けのものとフリースタイルスキー用のものくらいです。

 そんなレールシステムは大きく二つにわかれていて、一体型とセパレート型の二つに大別できます。※上の写真を参考にしてください

 この二つ、調整範囲が異なるという違いがあります。一体型の方がより広い範囲で調整が出来る事が多く、機能も工夫されています。セパレート型は近年登場したもので、一体型のもつデメリットを軽減していますが、一体型より調整範囲が制限されることもあります。

 この調整範囲と言うのはブーツの大きさのことで、ブーツはソールサイズという大きさを示す数字が三桁で書かれているのですが、一体型では250~360、セパレート型では260~340というようにその範囲が異なっています。
 これがどのように影響するかというと、セットフロントやセットバックという板の基準位置より自分の乗る位置を前後に調整しやすいというメリットになります。スキーボードはたった5mmのセットバック位置の違いで乗り味が変わることもあるので、このセット位置を変えられるのは大きな魅力です。固定式ビンディングのユーザーでも積極的にセット位置を変える方ならレールシステムはとても魅力的な仕組みとなるでしょう。

 これがレールシステムでない解放式の場合、穴をあけなおして取り付け位置を変えるしか方法がありません。いつも決まった位置で乗る方なら関係ない事ですが、雪質や遊び方でセット位置を変える事のあるスキーボードでは見逃せない仕組みですね。

 さて、今回も長くなったのでこのあたりにしておきます。続きは次回!

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