スキーボード専用ブーツを想像してみた

 スキーボード専用ブーツって今はありません。昔はありましたが、今のスキーボードの進化を考えると専用ブーツとしては性能が物足りないと感じてしまいます。

 先に昔のスキーボード専用ブーツを説明すると、アルペンソールのハードブーツとスノーボードのソフトブーツを足して二で割ったようなブーツです。私の持っていたドロミテの専用ブーツも下半分はハードブーツ、上半分がソフトブーツで、下はバックルで、上は紐とラチェットで締める構造でした。

 これを今、使おうと思うと、硬さが足りないと思います。専用ブーツは圧倒的にブーツの硬さ、フレックスが柔らかく、足首は使いやすく、普通のスキーブーツに比べて歩きやすい特性はメリットですが、道具が進化してスキー同等に滑走性能を持った今では、特にターンでスキーボードの性能を生かせないと思います。
 昔のスキーボード専用ブーツで足りないのは支える力。フレックスとはやや意味の違うもので、横方向のスキーブーツの支える硬さが足りません。この支える硬さが足りないとエッジが使いにくく、加速するようなカービングターンや、不整地がとても滑りにくいと想像できます。

 筋力でカバーはできますが、まぁそれは置いといて。

 逆にスキーブーツでスキーボードに不向きな部分はフレックスの強さです。近年のスキーブーツはフレックスが硬いものが主流になっていて、スキーボードではややオーバースペックです。こういったブーツで足首がガチガチに固定されると滑りにくくなるのがスキーボードなので、上級者ても敢えて中級者向け程度のブーツを選ばないと、とても高い支払いなのに滑りにくい!なんて失敗も普通に有り得ます。

 そのあたりを加味して考えると、少し専門的にはなりますが

1 硬すぎない前後方向のフレックス

2 しっかり支える横方向の剛性

3 足首の動きを阻害しない動かしやすさ

これらが必要でしょう。

 これに付け加える必要要素としては「ハードブーツのコバ」「歩きやすさ」「軽さ」でしょう。

 ハードブーツのコバはビンディングに安全に装着するために必須ですし、従来のスキーボードを使うためにも必須です。あのスキーの邪魔な出っ張りはとても精密な規格でできています。お陰で色々な板が簡単な調整で脱ぎはき出来るようになっているので、この構造は必須です。

となるとソールは堅くなるので歩きやすさが欲しいところ。スキーボードはグラトリも楽しいスキーですが、歩きやすさとグラトリのしやすさは近いところにあるので、性能としても組み入れたい部分です。

 軽さは賛否有るところですが、普及を考えれば軽さは必要と考えます。スノーボードが流行った理由の中にブーツの軽さ、歩きやすさがあるので、ここは考えたい所。重さが欲しい場合は無理にスキーボード専用ブーツにせずとも、フリースキーブーツで十分使えるので問題にならないでしょう。

と言うワケでこれらを加えて

4 アルペンソール

5 歩きやすい柔らかさ、軽さ

 そしてスキーブーツとして無くてはならない防水性、防寒性を加えて専用ブーツとしては完成!かな?

 って、これに近い性能のスキーボード専用ブーツってあったんですよね。ノルディカが出していた専用ブーツなんですが、滑る為の剛性をもったフレームとブーツ部分を別に組み合わせたもので、ブーツ本体は細いソフトブーツで軽く歩きやすく柔らかく、フレームを装着する事でスキーボードが履けるという仕組みです。
 が、いちいちフレームを装着しないと板が履けなかったり、フレームを外すと邪魔になるのが問題であまり普及しなかったようですね。
 なので、取り外すなどの仕組みはない方が良さそうです。となるとイメージ的に近いところにあるのはテレマークのブーツかな?と思います。

 テレマークのブーツでアルペンソールが使えるものが無いので試す事は出来ませんが、雪山での歩くなどの行動を考えられているテレマークブーツはなかなか要件を満たしています。問題点は普通のビンディングで履けないので、気軽に試すことが難しいのと、テレマークブーツの特徴であるブーツの甲のたわむジャバラ構造は、スキーボードでは歩く以外に必要ない事。

 スノーボードブーツからの転用は、実際にソフトブーツスタイルでのスキーボードがあるので現実みは感じられますが、問題はブーツの太さ。スノーボードブーツは横幅が広いのでそのままでは使えません。横剛性も欲しいですし。

 これらのアイデアをミックスできれば何か作れそうな気はしますが、シンプルなものにするための独創的なアイデアが欲しいところ。皆さんがもしスキーボード専用ブーツを考えたとき、どんなブーツになるでしょうか?

#スキー #スキーボード #ファンスキー #GRskilife



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