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ファンスキーかスキーボードか?

 今日もこんにちは。今回はディープな話題と言うことで皆さんが気になっているであろう「ファンスキー」と「スキーボード」という名称についてです。

なぜファンスキーと"呼ばない"のか?

 GRではファンスキーの名称は補助としてしか使いません。ですが一般ではやはりファンスキーの方が馴染み深いでしょう。
 なんで呼ばないのか?もちろん理由があります。

 元々短いスキー、ショートスキーが生まれたのは海外です。まだ名称も定まっておらず、売り出したメーカーがそれぞれに名前を付けていました。スノーブレードは聞いたことがある名前かと思いますが、これはサロモン社の登録商標だったりします。

 それらをひとまとめにして普及の為に活動したのが日本ファンスキー協会で、これにより日本独自の名称として「ファンスキー」が生まれ、商標として登録され、爆発的なヒットと共に広まりました。

日本ファンスキー協会が…

 ですがファンスキーの普及に大きく影響したこの協会は、突然と言って良い程急に活動を休止してしまいます。その頃はファンスキー業界は暗黒時代に突入していた頃で、ファンスキーは急激に市場から消え、ゲレンデからも消えてしまいました。
 だいたい2009年頃の話。時はリーマンショックの影響もあり、採算の採れないファンスキー市場は他の理由もあって絶滅寸前にまで追いやられました。
 ファンスキーの空白期。これが無ければファンスキーはまだそう呼ばれていたかもしれません。
 ちょうどこの頃、海外ではスキーボードの名乗りが定着するようになります。ただスノーボードと名称が似ているため、当初はスノーボード人気の高かった日本ではあまり馴染みのない名称ではありました。

ファンスキーと言う名前

 実はGRでも当初はその活動でファンスキーと呼んでいました。しかし海外の「スキーボード」と呼ばれる新しい板が日本に入り始めると、その流れは変化していきます。ファンスキーは99cmと言うのが当たり前のように標準だった頃に、それらよりも長く、太く、デザインも優れた海外の板が入り始めると、遊び方にも変化が訪れます。ファンスキーよりも自由な発想のスキーボードは、コアなファンスキーヤーに受け入れられます。もはや保守的で違いすら見あたらなくなった日本のファンスキーよりも、海外のスキーボードは何か「違い」を感じさせました。

そして決断した「スキーボード」

 そうして消えていく日本の短い板。GRはこのタイミングで誕生します。そしてGRとして何と名乗ってそれを売るか?このあたりの流れは権利問題も絡みかねないのでここでは話せない話があり、詳細は省かせていただきますが、GRとしては悩みに悩んで「スキーボード」と名乗る事にしました。
 ファンスキーを名乗ってしまうとイメージ的に99cmに強く拘る必要がある。しかし立ち上げ当初から海外のスキーボードのような大きな、1mを超えるスキーボードなども提案したかったため、そして新しさを感じて頂くためにファンスキーの名乗らずスキーボードを名乗るようにしたのです。補足的にはスキーボードにはファンスキーを包括するような広義的な意味もあったからとここでお伝えしておきます。

現在でのファンスキーの位置付け

 一般レベルでは相変わらず認知度が高いですが、以前GRで独自にアンケートとったところ、その七割がスキーボードの名乗りを使っていると結果がでました。分析するに
「ユーザーはスキーボード」
「しってる人はファンスキー」
このような結果だったかと思います。そもそもユーザー以外は「スキーボード」の名乗りを知らない事が多いので、一般ではいまだにファンスキーの名乗りが多いと結論付けています。
 日本では、一度定着した名称が代わることは難しいですからね。

 なのでGRでは広義的にスキーボード、その中でファンスキー、スノーブレードなどの名前がある。そんな位置付けで考えて普及につとめています。ファンスキーを否定するのではなく、もっと広い意味でファンスキーも含めてスキーボードと呼ぶ、そんな感じです。おそらくスキーボードの呼び方を好む方の多くが同じ考えなのではないでしょうか?

 個々の好みや価値観があるので難しい所ですが、いまのスキーボードとファンスキーはそんな位置関係です。ただし業界的には年々スキーボードに名乗りはシフトしています。その辺の動きも汲み取ってもらいつつ、お互いがリスペクトしあえる関係になれたらと願っています。
 

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