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スキーブーツの新しい規格「GripWalk」について

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 新しいブーツを買いました!年間50日くらい履き、非常にハードコンデションで使う私はだいたい3シーズンくらいしかもたないので今季にむけて色々と探していましたが、ようやく相棒に出会いました!

 このブーツはロクサ(Roxa)というイタリアのブランドのエレメント100というモデルで、フリー系スキー用のブーツですが履いてみたところとてもスキーボードに適している感覚があったので選びました!

 今回のブーツ選びの最大のポイントは「GripWalk対応のブーツ」でした。このGripWalkって、なんでしょう?

 GripWalk(以下GW)は新しいスキーブーツの規格の一つで、ゲレンデなどで歩きやすく、しかもソールが滑りにくい素材が用いられるのが特徴です。履いてみると確かに歩きやすい!

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 赤い方の従来のブーツ(基礎スキー用のもの)と比べるとこのように違います。赤い方は足裏がつるんとしていて、いかにも雪の上で滑ってしまいそうです。(実際このブーツは板が無くても滑れるほどです)
 この構造はもちろん意味のある構造で、しかも形状が厳密に規格として定められています。

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この「ISO5355」というのがそれで、一般の「アルペンブーツ」と言われているもの、広くスキーブーツと言われているものはほとんどがこの規格で作られています。

したがってビンディングもこの規格に則って作られていたのですが、先述の通りこのブーツは歩くのにコツがいるもので、ブーツのせいで転倒するなどの事故は絶えませんでした。

こうした問題を解決すべく作られたのがGWになります

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 GWは「ISO9523」という規格でできていて、必ずロゴなどが刻印されています。裏面が長靴のようにゴツゴツしていていかにも歩きやすそうです!

 が、ちょっとこれを見てください。

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 こちら、片方がGWで、片方がアルペンブーツです。違いが分かりますか?

 そうなんです。GWとアルペンブーツは非常にそっくり!なので、素人目に区別は出来ないものなのです。

 今回購入したエレメント100はパーツを交換することでGWもアルペンにもどちらでも対応できる便利なもので、ネジで交換するだけでどちらの規格にも対応することが可能です。

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 こうやってみても色の違いくらいしか違いが判りません。ですが…

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 かかと側はほとんどわかりませんが、つま先側は明らかにコバの高さが違うのがわかるかと思います。

 つまり、GWを履くならばビンディングもGW対応のものでないと履けないのです!

 実際の所、無理すれば従来のビンディングでもGWは履けます。が、無理して履いてしまう形になるのでブーツやビンディングが正しく機能せず、転倒時に外れないなどのことが懸念されるだけでなく、ビンディングを破損させてしまう事もあります。アルペンビンディングは特にコバの高さに厳密な規格が存在しているので、高さのまるで合わないGWは本来履けないのです。

 ただ見た目にそっくりで違いが判らず、無理すれば履けてしまうのが大きな問題…。ですが、昨今のGW対応のビンディングであればほとんどのものがアルペンブーツでも履けるように作られています。

 つまり、ビンディング側を対応させてしまえば良いのです。ちなみにGRの板は今季のものよりNoNameのLRXバージョンを除いて全てGWとアルペン両対応のビンディングを採用しています。

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 GWにも対応しているビンディングは必ず「GripWalk」のロゴがビンディングに表示されています。

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 GW対応していないビンディングはそっくりですが「GripWalk」のロゴがありません

 じゃあもし今後GWのブーツを買ったとして、今までの板のビンディングはどうしたらいいのか?

 GRの板の場合、SLR系のビンディングならば本体をレールから外してビンディングを買い替えればレールを付けなおさずに今まで通り使用することが出来ます。それ以外のビンディングの場合、例えばマーカーのビンディングで「ID」がモデル名にあるものはそのまま高さ調整のネジで調整するだけでGWのブーツが使うことが出来ます。

 しかしそれよりも以前のもの、例えばWhiteLandのものなどは残念ながら板からレールごと外して換装しなければ使えません。他社も対応してなければビンディングを付け替える必要があります。

 とはいえGWはまだ出たばかりでブーツが全てGWになるとは限りませんし、おそらくそうならないと思います。これからもこれまでと同じアルペンブーツは販売されますし、二つの規格は同居していくと考えられます。そしてビンディングが徐々にGWに広く対応し、非常に緩やかに変わっていくと思います。

 ちなみに固定式の場合、これは合わせてみないと使えるかどうかわかりません。固定式は一定の規格が存在しないので、ものによってはロックレバーが適切に調整できないなどで履けないものが存在する可能性はあります。
※以前から一部のメーカーのブーツについて固定式では加工しないと使えないもの存在していました。
 こればかりは確認のしようがないので申し訳ありませんが、今後マッチングに何か情報がありましたらお聞かせ願いたいです。

 そして今回GWを選んだ最大の目的。それはGWのブーツがスキーボードに適しているか否かを身をもって確認する事。今シーズン様々な状況で使ってみて皆さんにお勧めできるものかどうかを確認したいと思っています。
(そういう意味でソール交換が簡便なこのモデルを選んだというのもあります)

 GWについてはまた今後分かったことがあればお伝えします。雪が降ったら動画でもご案内できればと思っています。

 …にしても…早く滑りたい!

 

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