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ビンディングの性能とは?(固定式)

 ビンディングって色んな種類がありますが、正直その性能ってよくわからないですよね?

 そんなビンディングの性能について、数回に分けてご案内しましょう!

 ビンディングは簡易的な固定式と、一般ではアルペンビンディングと呼ばれるものがあります。スキボではアルペンビンディングは固定式と区別するために解放式と呼ばれ、その仕組みに大きな差があります。

 固定式はとにかく板とブーツが外れないようにする目的で作られています。なのでほとんどの固定式はキチンとはめれば外れる事はありません。素材としてはアルミやジュラルミンといった錆びない金属のものと、さらに簡易的に作られたプラスチックや樹脂のものがあります。

 固定式の性能として重視されるのは、外れにくさと剛性です。板とブーツが真に一体となる感覚は固定式ならではですが、廉価のものはこの外れにくさに問題があったり、剛性感が頼りなくて怖く感じたりします。現在、固定式は新品で買うのが難しいためにほとんどがネットオークションなどでの中古のものを手に入れる事になりますが、人気のものや値段の高いものは総じてそう言った基本性能がしっかりしています。

 そして無視できないのが調整の管理のしやすさです。高価な固定式でも調整に難のあるものはやはりあって、それが原因で調整不良から怪我に及ぶ場合があります。

 多くの固定式のうち金属のものはネジを緩めてベースと調整部を動かしてネジを締めます。このネジが滑走中の振動などで緩む事が多々あり、定期的に確認をする必要があります。
 また、ブーツを固定するワイヤー部が伸びたり変形してしまうことで調整が必要になるケースもたまにあります。ブーツの裏に雪が塊になって強固にくっついているのに無理して履いてしまった経験は固定式ユーザーの多くに経験があると思いますが、それがワイヤーを伸ばしてしまう原因になったりもします。

 私が愛用した俗に「メタルスライム」と呼ばれた金属の固定式ビンディングはこの調整ねじが前後に二つずつ用意され、振動などで例え緩んでも両方が同時に緩むことがなかったので、滑走中のトラブルが少なく固定式の中では安心して使えるものでした。あとデザインが可愛かったのもポイント。
 それと、調整の刻みがしっかりしていてずれにくかったのも良かったですね。別のメーカーの固定式は基本性能はよかったのですが刻み巾が浅く細かく、ネジも一本だったのでちょっとした事でズレてしまうのが残念でした。

 こうした金属の固定式はハードな使い方にも耐えれる一方で「重い」というデメリットがあります。現在においては解放式の方が軽いことすらあり、固定式=軽いというのは当てはまらなくなっています。

 やっぱり固定式をつかうなら軽くないと!と言う方は樹脂製の固定式が外せないですよね。しかし現在、樹脂製の固定式は一部の廉価なスキーボードに採用されるくらいで、ほとんど性能の良いものはなくなってしまっています。とりわけGR板などに取り付けられる4×4インサート規格のものは見つけにくく、あったとしても樹脂が故に経年劣化からもうすでに使えなくなってしまっているものものもあります。

 私も昔は軽さにこだわって樹脂の固定式ばかり使っていましたが、あの頃の板はもう20年も昔のもの。そのビンディングが今もなお安全に使えるかと言うと、言い切れませんよね?

 現実としてスキーボードで軽さを求めて樹脂製の固定式を自由に選ぶのは難しい事になっています。どうしても新品で使いたい場合の方法は無いことはありませんが、安全性と責任の問題から紹介はしないでおきます。

 このように固定式での性能についてはおわかり頂けたでしょうか。構造を単純に作れるが故にその性能の差違はあまり目立ったものではありませんが、人気であったり高価である理由がおわかり頂けたと思います。

 最後に固定式の利用は使用者に全ての責任が求められます。使う場合は必ずリューシュコードをお忘れなく!

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