買ったスキーブーツがどうして調子く感じるのか?
シーズンも始まり新たにブーツを購入された方も多いと思います。テンションあがりますよね!
で、意気揚々使ってみると…あれ?試し履きしたときのような良さを感じない?なんで?
ブーツは硬くなる
スキーブーツはプラスチックです。プラスチックは冷えると硬くなる性質があります。
まずこれが原因です。お店で買うとき、ブーツは雪山のように冷たく寒い状況にないので少し柔らかくなっています。これを基準に試すとお店の環境で快適なものを選んでしまうのでゲレンデで硬く感じてしまうことがあります。
中上級者は多くの場合足首でブーツを使えるので、そう言った環境の違いがフィッティングに影響する事は少なく、経験的に硬く感じた時や柔らかく感じたときの対処法や、そもそもの自分が好む硬さを知っているので試し履きでの失敗は可能が少なくなります。
ただし経験が少なかったりブーツが使えない初心者などは、ブーツの硬さが滑りの快適さに大きく影響してしまいます。簡単に言えば滑っていて爪先立ちのようになっていたり、身体を前に傾けないとブーツがたわまない方、たわませようとすると踵が浮いてしまう方は、安易に硬めのブーツを選ぶとゲレンデでブーツの硬さに四苦八苦してしまうこともあります。
なんかゆるい?
今までのブーツに痛みを感じていて買い換えた場合、このトラブルが出ることが割とあります。痛いからゆるいものというのは普通に考えることですが、スキーブーツの場合ゆるいことにメリットはほぼありませんし、より痛みを感じてしまう事もあります※ピッタリすぎても痛みが出る場合もあります
試し履きの時はその一瞬なので「いいじゃん?」って思ってしまいがちです。お店の人が許してくれるなら少し長い時間履いてみるとか、店内を歩かせてもらうなどしてためせれば良いのですが、履いた瞬間のフィーリングで選ぶと後に「ゆるさ」を感じてしまうこともあります。
憧れで買うと?
あのスキーヤーが履いているあのブーツ、カッコいいしきっとあれを履けば同じように楽しめる…そんな風に考える方も居ますよね。もちろんモチベーションのためにそう言うモデルを使うことはアリですし、良い選択になるかとも思います。
それとは違い巷で評価されていたり、周りで多くの方がつかっているブーツも選びたいと思いますよね。そこにも落とし穴があります。憧れでブーツを試すと多少不具合を感じても「これが良い」と誤解してしまうのです。
で、使ってみると…うーん、前のブーツの方が良かったのではないか?となることがあるのです。
じゃ。どうしたら?
オススメはまず元のブーツとの比較です。お店に元のブーツと同じもの、無くてもそれに違いものをまず履いてみるのです。判らなければお店の方に「今までこういうブーツを使ってたんですが…」と伝えると仕様に近いものを用意してくれると思います。なんだったら今まで使っていたブーツを持っていくのもアリだと思います。
その上で次に試したいブーツを履いてみる。この時にお店の方にソールサイズを決めるために足の実寸を計ってもらうのも忘れずに!思ったより足って小さかったり大きかったりするのです。同じ仕様のブーツでも足の実寸から履く比べるととても良さそうに感じたり、今まで痛みを感じていたところが快適に感じることもあります。足の実寸はスキーを快適にする大切なことなので、ぜひ把握しておくと普段の靴選びにも良かったりしますよ。
またバックルも重要です。試し履きでバックルを締める時、あまり気にしないで締めている方もいらっしゃいますが、4段のバックルなら2段目、ララチェットなどなら三分の一程度締めて様子を見ます。この時にゆるさを感じるのであれば締めてみてOKですが、4段のバックルならその4段目まで締めて快適に感じる場合は、バックルの位置自体の調整が必要です。知らない方も多いのですが、バックルはその位置自体を変えることができるブーツも多くあり、それをお店の方に尋ねれば良い解決や調整、他のブーツをオススメしてもらうこともできます。私の場合、扁平足で体格に対してひじょうに足首が細いのでそれにフィットできるブーツがなかなかありません。バックルの位置を変えるのはだいたいいつものことですね。
※バックル位置の変更を試し履きでお願いする場合は断られることもあります。ただし変更の可否は確認できますので、それで想像してみると良いと思います。
このバックル、大事なのが使っているとだんだん締めることになるというのも忘れてはいけません。というのもブーツはやわらないインナーブーツがありますが、これが使っているとだんだん足に馴染んで変形すると共に、徐々に薄くなっていくからです。薄くなった分締めなければならないので、最初から締め具合がギリギリのブーツだと、使っていてゆるくなっていってしまう事もあるのです。これも調子悪く感じる理由の一つですね。
・・・もう買っちゃったんだけど
もちろん対処法はあります。硬く感じる方は一番上部のベルト、パワーベルトを少し緩めに締めてみて下さい。それだけでも随分硬さを感じなくなります。それで足りなければ上から順に少しずつ緩めに履いてみると良いです。
ゆるく感じる場合、厚めのインソールを入れるなどのことで緩和させることができます。この時インソールはホームセンターに売っているようなものではなく、スポーツ用品店や専門店などで売っているスキー用のインソールをお勧めします。※一般用は柔らかく快適に作ってあることが多いのであまり効果が高くなく、余計に足に痛みが出る事も多いからです。またインソール選びはかなり重要なので、できればお店の方の話を聞きながら選ぶとより良いブーツになったりする事もあります。
もし熱でインソールが成形できるブーツなら「焼き直し」も効果があります。焼き直しはメーカーやモデルによって違いはありますが、できるものであればだいたい2〜3回焼き直しが可能です。ゆるく感じる場合、インソールの導入にあわせて焼き直しを行うと別物と思うぐらいブーツが良く感じられることもあるんですよ。
ちなみに柔らかく感じてしまった場合の対処法もあります。
こちらの商品はブーツ(シェル)とインナーブーツの間に入れることで硬く調整でき、さらにフィット感も調整できるアイテムです。スノーボードのブーツにも効果がありますし、なんならソフトブーツ(スノーボードブーツ)でスキーボードを履く方にもお勧めの逸品です。※何も知らずにソフトブーツでスキーボードを履くとちょっとヤバい?と思うぐらい滑りにくく感じます。それがこの商品を使うことでわりあい改善されます。
これらの方法でもまだダメという場合。残念ですがそのブーツは合わない。ということになります。高い買い物だったかもしれませんが、我慢して使うか、買い直す以外に方法はありません。最近だとネットで簡単に買えるようになったスキーブーツですが、のちの事も考えるとやはりスキーブーツは実店舗で履いて試してお店の方の話を聞きながら買うのが一番損しないと思います。
そうそう、最後に一つ。ブーツを新しく買った時、使ってしばらくは元の古いブーツを売ったり手放さないことをお勧めします。もし新しいブーツでトラブルが出た時、代わりに使うブーツが無くなってしまいます。新しいものを使ってみて良さそうになったらその時に、古いブーツを手放すようにすることをお勧めします。
良いスキーブーツとの出会いは滑りを大きく楽しいものにするだけでなく、自分のレベルの向上、ともすればブーツを変えるだけでできなかったあの憧れの滑りやトリックができる!なんてこともありますので、ぜひこの記事もご参考にしていただければと思います。
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