スキーブーツの片づけかた

 昨日は板の片づけ方をお伝えしたので、今日はブーツの片づけ方をお伝えします。

 スキーブーツって、ちゃんと片付けしないとすっごく大変な事になります。かびたり匂ったり、壊れてしまう事もあります。

まずはインナーをシェルから外す

 案外知らない人も多いのですが、多くのスキーブーツは外側の硬いハードシェルから中のインナーブーツを抜き外すことが出来ます。
※できないものありますので無理にはやらないで下さい。

 外し方のコツはバックルを全て完全に外してからインナーのふくらはぎ部分をしっかり持って、前方方向に引き上げるようにすると外すことが出来ます。これで外すのに四苦八苦するものはもともと抜ける構造ではないか、抜いてしまうとはめるのに恐ろしく苦労することがあります。無理に抜けないなら抜かなくてもなんとかなります。

 インソールを入れている方はこの時点で抜いてしまいましょう。またインソールって何?って思う方は、インナーブーツにてを突っ込んで足裏部分の所を引っ張ってみて下さい。するっと抜けることがありますが、これがインソールです。

 インソールで注意なのが抜けないタイプのブーツで、これは低価格ブーツや入門モデルに多い特徴です。接着剤で張り付けている事が多く、無理に抜いてしまうと足が中で動くようになってしまいます。嫌な手ごたえを感じるならば無理に剥がして抜いてしまわないようにしましょう。

 逆に中級以上のブーツはほとんどの場合インナーもインソールも抜けます。これはカスタマイズが前提にもなっているためで、気になる方は購入店舗などで聞いてみると確認できるかと思います。

一度良くふき取る

 ハードシェルとインナー、インソールが別々に出来たら一度よくふき取ります。見るとインナーブーツの外に塩が浮いていたり、ハードシェルの中に汚れがたまっている事があります。良く絞った布巾で小まめに絞りながら拭き取りましょう。

 これがね、普段小まめにメンテしていないとかなり匂います。一度にふき取ると臭いのもとを拭き広げるだけになってしまうので、こまめに絞って拭き取りましょう。

 また、ハードシェルは後で全部水洗いしますからこの作業は省いても構いませんが、案外しっかり拭いてあげるとブーツの破損に気付いたりすることもあります。それと上位のブーツでは水洗いが勧められていないものがあったり、ショック緩衝材などがかかとに仕込まれているものなどもあるので、洗えるかどうかはメーカーサイトなどで確認すると安全です。

洗う

 洗って問題のないシェルの場合は「必ず水のみか、薄めた中性洗剤」で流して洗います。プラスティックパーツを多用しているシェルは強い洗剤などを使うとそれだけで劣化する恐れがあります。私の場合はお風呂にぬるいお湯をはってざばざばざば、と洗い流し、細かい所を歯ブラシなどで擦ってシャワーで水をかけておしまいにします。

 インナーは洗わなくても良い状態ならば洗わないのが最も良いです。インナーを洗うと成形が崩れたりして足に痛みが出る原因になります。

 洗う場合はぬるま湯にブーツが型崩れしないように気を付けながら洗います。漬け置きで1~2時間放置して、そのあと何度かすすいでおしまいです。インナーの場合は洗剤は使わない方がベターで、洗剤を使うと洗剤が抜けきらず、それが原因で匂う事もあります。洗剤を使う場合はこの場合も必ず中性洗剤を薄めて使うようにし、しっかりとすすいであげましょう。

 そしてこれが一番大事なのですが、インナーの乾燥に乾燥機や脱水機をかけない事です。これをやってしまうとあっさりインナーが型崩れを起こしてしまいます。もともと防水性のあるインナーを脱水にかけてもあんまり水は抜けないので、やらない方が良いでしょう。

 インソールは中性洗剤かスニーカー用の洗剤で手洗いでOKです。一番匂う元なので、これは洗剤を使った方が良いです。ただしこれも脱水機などはNGです。

乾かす

 大変なのがこれなのですが、まずシェルは水気が切れるように、直射日光の当たらない風通しの良い所に置いて乾かすだけでOKです。が、この時にシェルのバックルを軽く全て留めて乾かします。シェルはバックルがはまっていないと開いてしまい、形がおかしくなることもあります。かといって絞めすぎるとそれも形を崩してしまうので、形が留まる程度にバックルを絞めて乾かします。

 インソールは普通に干してしまって大丈夫です。一応あまり強く日が当たらないようにだけ気を付けて頂ければよいかと思います。

 問題はインナーブーツ。これがほんと乾きません。乾かし方も間違うと余計に匂うので、自信が無い人はインナーは洗わない方が良いかもしれません。

 乾かす場合は置く場所などはシェルと同じですが、先に中に新聞紙や要らないタオルを詰め込んで水気を吸えるだけ吸ってしまいます。詰め込みすぎると成形が崩れることもあるので注意しながら、気が済むまで先に吸い取ります。

 そしてつま先が上になるように寝かしておいて、中に空気が入るようにして扇風機で空気を送り込むようにしてまず乾かします。つま先が上になるように置くことで重力で勝手に水分が落ちてきてくれるのでこの方法は割と効率が良いです。

 こうしてある程度乾いたら扇風機は必要ないので、あとは室温でゆっくり乾かします。乾燥した風のある夕方などには、直射日光さえ当たらなければベランダに干してもいいでしょう。

 ある程度乾いたら靴用の乾燥材があるならそれを中に入れてしまってもいいです。何度か取り換えて完全に乾かしてしまいましょう。

 完全に乾かないとインナーは後で酷い悪臭が出たりすることもあります。念には念をおして乾かして下さい。

乾いたら

 ブーツを元通りにします。インソールをインナーに入れて、インナーをシェルにはめ込みます。シェルがはまらない場合はインナーだけ履いて入れる方法もありますが、ブーツそれぞれでコツが異なるので入らない場合はネットを駆使して調べれば何とかなるかと思います。入れる時は短時間ならば多少インナーの形が崩れても大丈夫です。

 元通りにしたら一度ブーツを履いてみましょう。なんだか新品のブーツを履くような気分になると思います。いつも通りバックルを絞めてみて違和感がなければOKです。違和感がある場合は正しくインナーが入っていない場合や、左右を間違ってはめている場合もあるので、その時はやり直しましょう。

 最後にバックルを軽く締めます。これは先ほどお伝えした通りの理由です。そしてあれば新しい靴用の乾燥材を中に入れて、ブーツバッグなどに入れて暗所で来シーズンまで保管しましょう。ブーツも板同様に直射日光などは厳禁です。従ってブーツと板は同じところに保管するようになると思います。


 以上がブーツの片づけ方です。結構手間はかかりますが、一度できればそんなに難しくありません。

 そしてインナーを抜いたりはめたりが慣れてしまえば、普段のメンテとして滑った後にたまにインソールを抜いて洗うとか、インナーを抜いて拭いて乾かしてしまう。という事をしていれば、ブーツは匂わず長持ちすると思います。

 スキーブーツの耐用年数は5年と言われています。お気に入りのブーツほど大事に使いたいですよね。

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