本年もありがとうございました。そして次の10年のための新しいWhiteLand

 なんだか一年ってあっという間ですね。中の人の確か昨年の大晦日はその2日ほど前に駐車場で転倒したのが理由で足首を痛めて足をひきずってましたねw

 そんな怪我も一夏の養生でなんとか回復して、今シーズンそれなりに滑れる状態に復活できました。これで皆さんと存分に楽しめると思います!

 スキーボードの一年としては、昨年の今頃は何か「手応え」のようなものを感じていました。今シーズンリリースしたKleshaとIfwishの開発とテストがうまくいき、皆さんに新作として試乗会に並べられるよう準備していましたね。それからたくさんのご注文をいただき、秋には大変忙しくさせて頂きました!目も回るようでしたが同時に喜びも多く、ほぼ全ての板の発送を終えて感じたのは、この事業を始めた初年の充足感のようでした。

 そして今年は色々と障害がありつつもなんとか今日まで来た、という印象も多い一年でした。スキーボードユーザーが増えていっている中で開発を進めていた「新エントリーモデル」この進捗がなかなか大変で、OEM先にも相当な努力をいただいて昨日、一般向けにもご案内が叶いました。

 まあ、ここで色々バラしちゃいましょう!GRskilifeの来季新モデルは1機種ですが、Innocentからつながる新たなエントリーモデル「WhiteLand」です!

形状、デザインは若干変更になる可能性がございます

 そう、あのGRskilifeが初めてリリースしたモデル「WhiteLand」が新たに登場するのです!GRとしては名前を引き継ぐのは初めてのことですが、次の10年のために10年かけて作り上げた新しいエントリー向けのモデル名として、WhiteLand以外に名前は無いと思い引き継がせます!

 思えばWhiteLandは始め、色々と妥協して作ることを余儀なくされたものでもありました。GRskilifeというブランドがまだ生まれたばかりで、それまで色濃く残っていたスキーボードのネガティブなイメージのせいか、取り扱っていただけたお店も今店舗販売をしていただいているOFF-1様、ベイル様、クレブスポーツ様、スキーショップコラボ様だけでした。
 既存のスキーボードの価格になんとか合わせるために、性能以外のところで削れるコストを削った結果、印刷については妥協せざるを得なく、表面のコーティングすら除いて販売を決定しました。しかしその分性能面にコストをかけて力を入れ、エントリーながら上級モデル並みのチューニングを入れることで、実はWhiteLandの返品はトラブルによる破損以外今まで0、購入された皆さんがとても満足して今もお使い頂いています。

 今シーズンもそんな初年度のWhiteLandのチューンナップをご依頼頂いたのですが、やはり印刷がもう変色してしまい、傷がつくとデザインも剥げてしまうものだったのでだいぶくたびれて見えましたが、お客様は「来年も使うから今年もよろしく!」とチューニングに預けて頂けました。笑い話で「そろそろ次の板も検討していただいても良いんじゃないですか?」と訊いたところ、「いや、全然不満ないし満足してるから壊れるまで使うよ」とのこと。嬉しすぎますね。

初代WhiteLand

 そんなWhiteLandは、その金型はお借りしているものです。一番最初に検討している時に「この板、いいなぁ」と思ってお伺いしたところ生産を請け負っていただけ、その金型はInnocentでも使わせて頂きました。
 この設計が凄いです。なんと20年も昔に設計されているものなのに、今においても全く遜色のない素晴らしい設計で、その設計者は既に退職されてしまっているそうですが、一体何年先まで見据えて設計したのだろうと今も驚きます。いつか直接お話を伺いたいと思っています。
 GRではこの金型の板をさらにチューニングで最適化させて販売させて頂きました。レンタルの板もこの金型ですね!
 そんな素晴らしい金型なので、GRとしての新たなエントリーモデルを企画しても、設計図が引けません。全く想像できないのです。

 そうしてGRとして10年が経つなかで様々に皆さんのご意見やライダーたちの意見などを集めて色々な新たなスキーボードをリリースしていく中で「見えた」瞬間がありました。それは2年前のGR足慣らしで、友人に履いてもらったテストモデルのGoodDays'85の試作品でした。

 正直言いまして、今GDで楽しんでおられる方が大変たくさんいらっしゃいますが、設計者としての想定ではこんなに滑れる板じゃなかったんです。初期テストでも「う〜ん」と思うような、このまま企画を進めていくか検討しなければ・・・とネガティブに考えていたものでした。

 その友人がテストのGDを履いて47の急斜面に差し掛かった時、急に凄い勢いで滑っていったのです!板の長さ的にもそれまでスピードを出すなんてとても無理だと思っていたものなのに、追い撮りが間に合わないほどの勢いでした。
 何があったかと思い追いかけて話を聞くと、乗り方を変えるとすごく滑れるとのこと。それで私も試してみると・・・なんだこれ?やばい!めっちゃ楽しいじゃん??

 そして帰って設計図を見て、なぜそうなったかを確認してそのエッセンスを反映させたのがIfwish(ペンギン)なのです。93cmで短いのに加速感を邪魔しないペンギンのあの不思議な滑走性は、GDから見出されたものなのです。そしてSaltoroとKleshaで見つけたロッカーの仕上げ方、プロトタイプのOversizeなどで失敗して知ったキャンバーの形状など、今までリリースした板それぞれの持ち味を組み込んで引き直した設計図からできたのが、新たな「WhiteLand」になりました。

 これを春にOEM先に持ち込んで開発の担当者と話をするととても好印象で、半年かけて実際仕上がったテスト板がこの26日に届き、急いで想定していたチューニングをして27日にテストしたのですがもう最初から良い。この後の改良とかよりも、よりブラッシュアップして性能を高めたくなるような、そんな「エントリー」向けのスキーボードが出来上がっていました。

 掛け値無しにGRの10年を集約した、次の10年のためのエントリーモデルがこの新たなWhiteLandです。本当はこんなに早く試乗に出す計画もありませんでしたが、それが出せてしまうほどこの板は癖がなく乗りやすく、万人に受け入れられるスキーボードが来年に販売できると思います。試乗ではこのような事情でグラフィックのないまっさらな板でのお試しになりますが、是非新しいスキーボードをお試し頂きたいと思います。

 ちなみに価格についてはまだ確定していませんが、Innocentと変わらない価格になるよう現在努力しています。エントリーモデルなのでもちろんビンディング付きで、チューニングもバッチリ仕上げてご用意させて頂きます。

 用意数に関しては・・・正直あまり多くご用意できないと思います。こちらも現在交渉中ですが、こればかりは今の情勢ではかなり難しいかもしれませんが、必ず販売は致します。

 それと妥協しなければならなかったデザインについて。新WhiteLandではちゃんと傷がついてもデザインが損なわれない、日光で劣化もしにくい素材で妥協せず作ります!

 さて、そんな今年は、今までの10年を感じる一年になりました。GRが起業して10年、色々ありましたがその10年を凝縮した1年。来年はきっと未来の10年が感じられる1年になるのでしょうか?

 明日は年をあけて元旦。GRブログとしては連載中のスキーボード小説の更新日なので、新年のご挨拶はちくさ高原に向かう2日の道中になるでしょう。

3日や8日に皆さんに新しい板とお会いできることを望んで、本年の締めと致します。来年もGRskilifeとこのGRブログをよろしくお願い致します。

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