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Z/Xストーリー、アクティベート! 第28回 「各務原あづみ編8 新世界に煌めく二つ星」

皆さん、こんにちは。GRRRです。
今回もあづみ達の本編での活躍をお話ししていこうと思います。

今回で現行のストーリーまでのあづみの物語をお話しできると思います。
ただ、新世界での彼女達の物語を語る前に、先にもう一人のあづみとも言えるベガの旧世界終盤での動向をお話ししていこうと思います。
繰り返しになりますが、各キャラのストーリーの大まかな流れは、公式HPのおもな登場人物の軌跡を見ればわかりますので、そちらもご参照ください。

それでは、始まり!


1.再起の織姫星

さて、まずはベガ様の過去と旧世界前半での動向をおさらいしておきましょう。

青の世界につながる未来にて、各務原あづみのクローンとして生み出されたことに絶望したベガ。
アドミニストレータの一人としてシャスターを製造し、データ人間と化した後、彼女は自身の母親が願った完璧な《私のあの子》を創ろうとし、その過程で過去世界のあづみに目をつけ、彼女を利用しました。
ですが、そんなあづみを苦しませる行いに彼女のパートナーゼクスとして派遣したリゲルが反発。
紆余曲折の果てに彼女達は離反し、シャスターの支配に抗う反乱軍側に合流します。

やがて、青の世界にてマーメイド達が中心となった反乱軍とシャスターの支配下にある治安維持部隊との戦争――革命戦争が勃発
最終的にシャスターはその分身たる防衛兵器、アトラス諸共、神器とそのパイロット達の奮戦により破壊され、同時にマーメイド艦隊により残りのシャスターのコピーも破壊され、革命戦争は反乱軍、いいえ、革命軍の勝利となりました。

ベガ自身もあづみ達やポラリス達との交戦の末に敗北。
革命軍に投降しました。
戦いの後、ベガはポラリスとデネボラの立ち会いのもと、あづみに仕込んだナノマシンを体調を良くする良性のものに更新。
その処置後、あづみとリゲルは現代世界に帰還しました。

ここまでが以前にもお話しした内容をざっくりとまとめたものになります。
ここからはその先の話をしていきましょう。

革命戦後、他のアドミニストレータからの監視を受けつつ青の世界の復興に力を貸していたベガですが、その平穏な時間は長続きしませんでした。
革命戦争では戦闘をベガとアルクトゥルスに任せ、姿を見せなかったアドミニストレータ ソルが突如、宣戦布告を行ったのです。
ソルは彼の護衛としてベガが派遣していたオリジナルⅩⅢ Type.ⅩⅢを独自に改造。
彼女の歌声を聞いたものの魂を焼失させるウィルス・ヴォイスへと作り変えてしまいました。

革命戦争時点まではソルと協力体制にあった
ベガはある程度、彼の目的を聞かされ、
Type.ⅩⅢにウィルス兵器を仕込むことも
知っていたようです。ですが……。

また、Type.ⅩⅡも自らの意思でソルの部下となっていた他、ブライトロンを含むいくつかのイレギュラーⅩ神器サイクロトロンとそのパイロットである雷鳥超もソルは配下に加えており、オリジナルⅩⅢのデータを元にした特殊なバトルドレス、Type.EXすらもソルは作り上げていました。
全てを利用しようとするソルの姿を見て、ベガは盲目的にソルに協力していた自身の過ちを痛感します。

ベガ「オリジナルXIIIまで転用するなんて……。
己の心が曇っていたからソルの
悪意を見抜けなかったのね。」

青の世界のみならず、現代世界や他の色の世界にもウィルス・ヴォイスを放つキラーマシン達を出撃させ、各地に戦いを巻き起こしたソルに対し、青の世界の住人達は力を合わせて戦いを挑みます。
かつては敵同士だったバトルドレスとマーメイドも過去の遺恨を捨てて共闘しました。

そんな中、ベガは少し前までソルに協力し、結果的に今の混乱を招いた一因となってしまったことに強い罪悪感を抱きます。
そのまま一人で戦いに向かおうとしたベガでしたが、そこでアルタイル達が駆けつけました。

アルタイル「ひとりで行くなよな、ベガ。
昔みたいにみんなで協力して成し遂げようぜ!」

人間だった頃から変わらない彼の熱い言葉に、安息と落ち着きを取り戻したベガは仲間と共に事態の収拾にあたります。

そして、戦いの中でベガはアルタイル達にソルから聞かされていた彼の本当の目的を明かします。
ソルの最終目標は最愛の妹――春日の完全なる復活
神によって彼女の再生は不可能と定められた運命を覆そうとしたソルは、そのためにありとあらゆる人間のデータを集めていたのでした。

ベガ「万能なソルも〝それ〟だけは創造できなかったのです」
アルタイル「だから〝それ以外すべて〟を躍起になって集めたのか」
ポラリス「うむ。逆算から生まれた人工知能……それがルナじゃ」

神によって春日をそのまま再生できないと言うのなら、他の全ての人間のデータを集めて逆算することで春日を復活させる――そんな狂気的な願いのためにシャスターを起動させたソルでしたが、マーメイド達の抵抗によりデータ集めに失敗。
試しに作り上げたルナも完全な妹には程遠い存在でした。

データが完璧でなかったがゆえかかなり機械的な
思考だった当時のルナ。後に人間らしい応答が
できるようになったのですが、デネボラ達が
色々とアップデートしたようです。

一時、ソルの軍勢や復活した神々の猛攻によって、青の世界の正規軍は壊滅的な被害を受け、戦況は絶望的となりました。
ですが、戦いの中心地である名古屋に他の世界のゼクスやゼクス使い、ク・リト達が駆けつけ、暴走するキラーマシン達を破壊or停止させ、ソルや神々の軍勢を撃退しました。

名古屋で飛鳥や綾瀬達が戦っていたのは
以前にもお話ししましたね。彼ら以外にも
多くの人々が名古屋で奮戦していました。

一方、既に青の世界の科学力に見切りをつけていたソルは、各地が混乱する隙をついてク・リト達の故郷、幻夢郷へと侵攻
夢を現実とするその世界の環境を利用して、今度こそ妹の完全なる復活を成し遂げようと目論みます。
そして、彼は青の世界にさらなる災禍を放ちます。

それが黒剣
黒の世界の呪術で作られた、他者の魂を刈り取る殺戮兵器。
そのコントロールを奪ったソルは、まだ人間が生き残っている青の世界と白の世界に黒剣を侵攻させ、そこで生き延びていた人々の命を狩らせ始めました。

正確にいうと、黒剣達を指揮しているのは
鉄血の騎士、アヴァンツ。彼女はソルの
部下(あるいは同盟者)として彼に協力して
いました。彼女の正体についてはまたいずれ。

またしても戦火に見舞われることとなった青の世界。
黒剣達が無慈悲に人々を殺戮する姿を見て――そして、その人々が科学技術で作られたクローン人間達であることを理解しながらも、ベガは顔を覆います

ベガ「惨劇を目の当たりにし、ようやく
生命の尊さに気付かされました。
人間とクローンに違いは、ない……。」

例えクローニングで生まれたとしても生命は生命
その尊さを、自分は見失っていた。
失われ行く命を前に彼女が涙していると――不意に、一人の小柄な少女がベガの目の前に現れました。
見た目にそぐわない冷静な態度のその少女は曇りなき瞳でベガを見つめると、彼女に問いかけます。

「初めての自由を手にした君に訊くよ――青の世界をどうしたい?

その言葉にハッと顔を上げたベガの答えは――。

ベガ「……やり直したい。いいえ。創りたい。
豊かで健やか。未来のある未来を……。皆と一緒に!」

ベガのその言葉に僅かに笑みを浮かべたその少女――青の竜の巫女ユイは彼女に助言を与え、立ち直らせました。
そして、再起したベガは再び青の世界の中心人物として世界を守るために指揮を執ります。

ベガの指揮の元、反撃を開始した青の世界の正規軍。
新たな戦力である、キラーマシンの能力を組み込んだバトルドレス達・シャドウ、メタルフォートレスと共に戦うマーメイド・フラッグス、そして機械仕掛けの隣人、ファムの活躍もあり黒剣の猛攻を退けることに成功します。

隠密能力に優れたシャドウ。しばらく後に
彼女達が中心となった隠密部隊、ケルベロス
治安維持部隊に新設されることになりました。
フラッグスのメンバーの中にはなんと元神の
ナムニンガルまで参加しています。
二人とも討祓戦直前に他の神々から離反し、
その後、マーメイド達の仲間になりました。
ファムは小型化・量産化に長けたデネボラが
ハード面を担当し、人工知能のスペシャリストの
カノープスがソフト面を担当して製造されました。

また、ベガが青の世界のトップになったのは、一時、彼女に代わって青の世界の全体の指揮を執っていたポラリスの後押しもありました
赤の世界の彼女自身である安倍晴明が動き出したことを知った彼女は、それを止めるべく赤の世界の勢力圏へと向かうことを決意。
後の青の世界の事を、ベガ達に託したのでした。

そして、ポラリスが出立する当日、ベガは彼女を見送りに駆けつけました。
あづみやリゲルを陰ながら助けてくれていたこと。
人類を守るために動き続けてくれたこと。
それらの感謝を述べながら伸ばされたベガの手を、ポラリスは優しく握り返します。

ベガ「ありがとう。どうか息災で!」
ポラリス「おぬしもな」

2.世界が生まれ変わる時

ポラリスの後を継いで青の世界のトップに立つことになったベガは青の世界の立て直しに従事します。
その結果、度重なる戦乱によって少なからず荒廃していた青の世界も徐々に復興。
マーメイド達人類とバトルドレスをはじめとするクローン人間達が協力して世界を発展させる理想的な科学世界を実現させつつありました。
ベガもアルタイルをはじめとする仲間達のバックアップを受けて、不慣れながらもリーダーとして奔走していたのですが、ようやく平和が戻りつつあった世界にまたしても異変が起こります。
不可視の斬撃ともいうべき怪現象が各地で確認されるようになったのです。

不可視の斬撃を受けたものは衣類が切り裂かれ、
気力を奪われるのは以前にもお伝えした通りです。
ゼクス使い達のみならず、ゼクス達も被害を受けています。

この怪現象についてベガが調査を指示する中、思わぬ珍客が青の世界に訪れます。
それは黒崎神門をはじめとする各色のゼクス使い達
幻夢郷から現代世界に帰還しようとして、どういうわけか青の世界に飛ばされた彼らもまた不可視の斬撃の被害を受けていました。
その現象を確認した神門は、ベガの元に訪れると自分達の保護とこの異変を調査するための研究施設と権力を要求します

基本的に誰に対しても物怖じせず、遠慮のない神門。
ベガに対してもそれは変わりませんでした。

外部の人間――どころか以前は青の世界と交戦したこともある相手であり、付け加えればソルの前身という危険人物からのぶしつけな要求でしたが、ベガは積極的に異常事態の収拾をすることを条件にその要求を承認
この異例の判断にはさすがに青の世界の内部からも少なからず反発が起こりましたが、ベガはそれらの動きを抑えて神門に調査を行わせました。

実際、神門を危険視して暗殺を考えていた
バトルドレスも登場しています。

少なからずリスキーなベガのその采配は報われました。
自身に与えられた研究室に【黒崎神門超常現象研究室】、略して【黒超研】と名前を付けた神門は、妹の春日や妹分の世羅達に研究資料となる物を集めさせ、自身は不可視の斬撃――彼はその現象に虚のさざなみと名前を付けました――を研究し、その結果、虚のさざなみを防ぐ防壁、【虚数シールド】を完成させます。

この虚数シールドを使いこなすのがD・ウィッチ
青の世界の電子技術と白の世界の精神のオーラ技術を
高度に融合させて使いこなす彼女達は非物質の相手へ
高い干渉力を持ち、虚のさざなみにも対処できます。

D・ウィッチ達は虚のさざなみを防ぐだけでなく、神門達の来訪のしばらく後に起きた赤の世界のブラックポイントの急拡大という事件の際にも活躍。
虚数シールドでどうにかブラックポイントの拡大を抑え込み、被害の拡大を防ぎました。

この赤の世界のブラックポイント拡大事件の
犯人は前回も述べた通り安倍晴明。荒廃した
赤の世界で現代世界を飲み込むことで
全てを滅ぼそうとしていたのでした。

一方、同時期に緑の世界を支配する大樹ユグドラシルがブラックポイントを超えてその枝や根を伸ばして急成長するという事件も発生。
これまた世界全てを飲み込みかねない危険な存在相手に、ベガは巨大な衛星兵器と化したバトルドレス達、サテライトを質量兵器として大樹にぶつける、という作戦を発案しましたが、こちらはアルタイルの反対にあって取りやめになったようです。
ベガ自身はサテライト達にはきちんと安全装置がついているため、本体であるバトルドレスはちゃんと生還できるからこそこの作戦を考えたのですが、それはそれとして大気圏外からダイブして巨大な大樹にぶつかるという特攻じみた攻撃が当人達にとっては恐ろしいのもまた事実。
実際、一部のサテライト達からは苦情が出ていました。
まだ人間の感情に疎いベガの様子が垣間見える一幕です。

「〝大樹目掛けて一斉に落下するです〟
じゃな~い!〝たぶん死なないです〟
〝怖いのは一緒〟じゃないですってリーダー!」

結局、ユグドラシルへの攻撃作戦は中断することになりました。
これは、先述のベガの作戦に反対意見が出ただけではなく、さらに早急に対処しなければならない問題が確認されたためでしょう。
それは世界全てを妬み、憎み、僻む者。
虚のさざなみを操り、全てを虚無に返そうとする危険な存在。
嫉妬感情体――プリンセス・マギカ レヴィー!!

レヴィーについては綾瀬の物語で色々と
解説しましたね。詳しくは以前の
投稿をご確認ください。

神門からレヴィーの存在とその目的――すべての世界を虚無に返すこと――を伝えられたベガはすぐに厳戒態勢を整えます。
果たして、レヴィーの先触れともいうべきワールドアバター達が青の世界を襲撃。
そちらは治安維持部隊や別世界の来訪者であるパニッシャー達が撃退しました。

ワールドアバター達は歪められた〝世界の意思〟である
「破滅を齎す進化概念」が、レヴィーによって姿を与えられた
存在です。アカ・アオ・シロ・クロ・ミドリの五人がいます。

そして、その直後にレヴィー本人も青の世界に降臨。
可能な限りの準備を整え、破滅の化身に戦いを挑む神門達を、ベガ達は見守りました。
彼らの激しい戦いの末に、時空間の歪みは限界に達し――世界は新生します――


3.再びの目覚め

さて、それではここで視点をあづみ達に移しましょう。

前回のラストで安倍晴明を打倒したあづみ達が現代世界に帰還しようとしたまさにその時、前述した青の世界で起きた神門達とレヴィーとの決戦によって時空間は歪み、世界は四年前――ゼクス達が出現する直前の時間に巻き戻り、生まれ変わりました。
時間が巻き戻った結果、大半の人々の記憶は失われるも、千歳達の尽力によって想いや絆が持ち越された新たな世界へ

その世界のあづみもブラックポイントが開いた直後にリソース症候群で倒れて昏睡状態に陥ってしまいます。
やがて、目を覚ました彼女はリゲルをパートナーゼクスとして戦いに身を投じることになりました。

こう書くと旧世界と全く同じ運命のように思えますが、実際は大なり小なりあづみ達の周囲には変化がありました。

「…………? ここは……?」
「!! 目が覚めたのね!? 
よかった……。本当に、よかった……!」

こちらのアウェイクンパニッシャー対応のライフリカバリー、ガチャ版はゼクス使いとパートナーゼクスが新世界で出会った――ある意味では再会を果たした――場面が描かれています。
昏睡状態のあづみを献身的に看病し、彼女が目覚めた際には泣いて喜ぶリゲル。
一見すると、あまり違和感のない描写に見えますが、旧世界のリゲルは当初は感情回路が解放されたばかりで、かなり機械的な性格のままでした

reunionでのクールビューティーだった
リゲルをイメージしていただければ
わかりやすいかと思います。

一方、新世界でのリゲルは眠り続けるあづみをずっと気にかけ続け、献身的に看病をしていたそうです。
これこそが旧世界から引き継がれたもの。
すなわち、
リゲルは、そして、あづみは旧世界の絆の強さをそのまま新世界に引き継いでいるのです。
これは他のゼクス使い達も同じですね。

また、あづみが昏睡していた期間も旧世界は3年でしたが、新世界では2年と短めになっています
こちらは、あづみが旧世界で自身の死の運命を乗り越えたからなのかもしれません。

さて、あづみが目覚めた後の当初の動きは旧世界をなぞるような形になりました。
ケット・シー達が乗ったダームスタチウムが大暴走した猫の恩返し事件の鎮圧失敗。
佐渡島をめぐる赤の世界の軍勢との攻防戦での勝利。
そして、緑の世界の領土となっている山形への進軍――。

余談ですが、旧世界で赤の世界の軍勢を佐渡島に
送り込んだのは黒崎神門でしたが、新世界の
彼は大軍を指揮する立場にありません。
他の誰かが同じ作戦を立てたのでしょうか。

ここまではおおよそ旧世界と同じ流れ。
ですが、この後は大きく展開が変化します。

この時の緑の世界での戦いで、あづみ達は旧世界同様に青葉千歳達と出会ったのですが、既に彼女は千年國の姫君という立場でした
千歳達の説得とそれに応じたあづみ達の指示でで青の世界の軍勢は矛を収めて撤退。
一方、あづみ達は千歳達に千年國に招かれ、そこで緑の世界の事情――大樹ユグドラシルの影響で人が住めなくなり、住人達はやむなく現代世界へと避難した――ことを説明されます。

旧世界では中盤くらいに復興された千年國が
新世界では本編が始まる前に復興されています。
旧世界の諸々が引き継がれた影響で、様々な
出来事が前倒しで起きているのです。

しばしの間、千年國で千歳達や緑の世界の住人達と交流を深めるあづみ達。
そんな彼女達の元に思わぬ人物がやって来ました。
アドミニストレータ ベガ

旧世界では当初、あづみのことを冷徹に
利用しようとしていたベガ。ですが――。

青の世界の最高権力者の来訪に困惑するあづみ達。
一方、彼女達の前に立ったベガはあづみが無事な様子に一瞬、安堵の表情を浮かべると、すぐに表情を正して――深々とあづみに頭を下げました

当初は旧世界同様に現代世界のあづみを利用しようとしていたベガ。
ですが、新世界であづみとリゲルの絆が引き継がれたのと同様に、ベガもまた旧世界の自身の想いを引き継いでいました。
豊かで健やかな未来のある世界を、みんなと力を合わせて創りたいと願ったあの想いを
それ故に、彼女は過去世界同様にソルに手を貸す現在の自身の在り方に強い違和感を抱いていました。
そして、あづみが緑の世界との戦闘中に倒れ、今は緑の世界の領土で療養している、という報告を聞いたベガはあづみ達の安否を心配する自身の心に気づきます

ここに至って、あづみを利用しようとする自身の行いが間違いだと悟ったベガは居ても立ってもいられず、自らあづみ達の安否を確認するために千年國に訪れたのでした。
流石に、護衛はつけていたと思いますけどね。

ベガの護衛の担当と言うとやはりType.Ⅰ
でしょうか。新世界での彼女が描かれた
新規カードも登場しましたね。

このような経緯であづみ達の元に訪れたベガは、己の罪を素直に告白して自身のオリジナルである少女に謝罪したのでした。
当初、あづみを利用するような行いをしたのは自分の憎しみ――本物の《私のあの子》への嫉妬心もあったからだ、と。
そして、その場でベガはあづみの治療を行い、彼女の体内のナノマシンを良性のものへと交換します。
完全に体調が回復したことに喜ぶあづみに対して、ベガは自身の罪は必ず贖うと誓い、そのまま千年國から去っていきました。

少し余談ですが、旧世界でのリゲルは、あづみに対する冷酷な仕打ちからベガに対して強い反感を持っており、それは革命戦争後も変わらなかったと思われます。
ですが、新世界ではきちんとベガがあづみに謝罪して彼女を治療し、あづみの方もベガを許したことから、リゲルもまたベガの行いを水に流し、和解に応じました。
そんな彼女の心境の変化はこちらのカードのフレーバーテキストからもうかがえます。

「あづみの病気が治って良かった。パートナーに
なってすぐにお別れなんて耐えられないもの。
ベガに恩を返していかないと!」

その後、しばらく千年國に滞在していたあづみ達は千歳達をはじめとする住人達と意気投合します。
無益な戦いを続けるよりも、互いに協力し合った方がいい――。
そう考えたあづみ達は、青の世界と緑の世界の関係を取り持つために、一度、青の世界の拠点へと帰還しました。


4.融和の象徴

千歳達にひと時の別れを告げ、久々に青の世界の拠点に戻ってきたあづみ達。
そんな彼女達を出迎えたのはベガと同じアドミニストレータのポラリスでした。
ポラリスは今、青の世界でシャスターの支配に抗うマーメイド達とそれを鎮圧しようとする治安維持部隊の戦争である革命戦争が起きていると告げ、あづみ達にも自分達、革命軍側に協力してくれるように要請します。
突然の事態に困惑しながらも、人類の自由を勝ち取るために戦うマーメイド達を捨て置けないと、あづみとリゲルはポラリスの要請を承諾。
彼女と共に青の世界へと向かうと、そのままシャスターのコントロールセンターへと潜入します。

新世界でも変わらず人類の未来のために戦う
ポラリス。この戦いの後に彼女は科学技術と
陰陽術を組み合わせた紙機神を開発します。

果たしてあづみ達が向かった先には、革命軍を指揮する青年、アドミニストレータ カノープスの姿がありました。
彼を包囲していたのは、シャスターに洗脳されたカノープスの旧友アルタイルと同じくシャスターの制御下にあるオリジナルⅩⅢ達……そして、少し前にあづみ達に謝罪したベガでした
これもまた旧世界とよく似た展開……なのですが、旧世界とは違い、自分を利用していたことを謝罪し、治療もしてくれたベガがなおも人々を殺戮するシャスターの側についているという状況にあづみは困惑します。
ですが、彼女の眼を見てすぐにその疑念が杞憂であることに気づきました。
ベガはあの時――千年國を訪れた時の彼女のまま。
つまり――。

一方のベガもまたあづみ達の到着に気づき、彼女達に軽く頷きかけると、カメラを通して自分達の様子を見ていたソルに向けて堂々と離反を宣言
ポラリスとカノープスにアルタイルとオリジナルⅩⅢ達の洗脳の解放を託すと、自身はあづみ達と共にシャスターの中枢へと向かいました。

旧世界ではあづみとポラリスの演技に騙された
ベガでしたが、新世界では逆にソルに従った
振りをして彼を欺いていたのでした。

ベガと共にシャスター本体の元に辿り着いたあづみ達は、先にその場所に辿り着いていた神器組アドミニストレータ デネボラと合流。
彼らと協力してシャスターの防衛システムFPGAアトラスを撃破し、同時にシャスターの次期メインAIであるルナも確保しました。

ベガの離反と予想を超える速度での治安維持部隊の敗北に驚いたソルは当初の予定を前倒しにして幻夢郷へと向かおうとするも、彼に見切りをつけたアルクトゥルスにまで裏切られ、捕縛されてしまいます
革命戦争は革命軍側の勝利に終わり、妹の完全な復活という野望が完全に潰えたソルは廃人化してしまいました

一方、あづみ達に一度破壊されたアトラスは
後に再生され、改めてシャスターを守護する
立場となりました。そのシャスターも人類を
殺戮しないように安全な状態にされています。

なお、離反したとはいえ、ベガとアルクトゥルスも当初は治安維持部隊側の立場だったため、しばらくは他のアドミニストレータ達の監視を受けることになりましたが、その立場の重要性と高い能力ゆえに再び青の世界を統率するリーダーの一人となりました。

……ですが、過去の行いを省みて更生したベガとは
異なり、アルクトゥルスはなおも野心家のまま
彼はこの後、暗躍を繰り返し、青の世界や
他世界に様々な災禍を振りまくこととなります。

さて、戦いが終わった後、あづみ達は青の世界の復興を手伝う傍ら、アドミニストレータ達による今後の方針を決める会合にも参加し、他の世界との和解を提案します。
他のゼクス使い達の活躍や行動もあり、他の世界でもそのような協調の動きがあったこともあり、アドミニストレータ達もあづみ達の提案を受け入れて、他世界との交渉を始めてくれました。

そして、革命戦争終結から数か月後。
赤・青・白・緑の四つの世界のゼクス達と現代世界の人々が中心となった四世界議会が発足
あづみとリゲルも青の世界の親善大使という立場に任命されました。
また、四世界議会発足と同時に各世界の同盟も締結され、青の世界と緑の世界も和平を結んだと聞いて、あづみ達は安堵しました。

その四世界議会のトップとなったのが旧世界で
あづみ達とも縁があった都城出雲。彼は新世界で
様々な活躍をしたことから、現代世界の英雄として
高い求心力を持つ存在となっていました。

その四世界議会の発足を記念した式典、「四世界サミット」が開催されることとなり、親善大使となったあづみ達も名古屋へと向かうことになりました。

「親善大使ってなにするのかな。青の世界からは
ベガさんのお友達のポラリスさんも出席する
みたいだけど……。ほかの代表さんに
失礼のないようにしよう、リゲル!」

そこで彼女達は、ある真実を知らされることとなります……。


5.シンセイバー出航

名古屋に到着したあづみ達は、緑の世界の親善大使となった千歳達と再会し、白の世界の親善大使となった元アイドル、弓弦羽ミサキと彼女のパートナーゼクス、ケィツゥーと出会います。

旧世界であづみ達がミサキ達に出会ったのは
割と中盤に入ってからですが、それ以降は
ほぼずっと共に行動していましたね。
ここで会ったのも一つの縁かもしれません。

他の色の親善大使とあづみ達が交流していると、そこへ青の世界の代表となったポラリスが白の世界の代表である四大天聖ミカエルと共にやって来ました。
あづみ達の前に立った彼女達は、真剣な表情で口を開き、このサミットの本当の目的を明かします。
このサミットは多くの人々を――そして、黒の世界の目を引き付けるためのカモフラージュであり、これから黒の世界を支配する枢要大罪を倒すために、四世界議会の主力が出撃する、と。

旧世界の頃、リゲルはアニムスの儀式の影響で
ぬいぐるみになってしまった際に、同じ立場の
ミカエルと出会っていましたね。あづみも後に
ソトゥニャシ放送局でちょっとだけ会ってます。

この戦いはこれまで以上に激しい、命がけの殺し合いになる。
だから、この作戦に参加するかどうかは各自の判断に任せる――。
そんなポラリス達の説明を聞いて、あづみとリゲルは他のみんなと顔を見合わせます。

あづみはこれまで直接、戦ったことこそないものの、黒の世界のゼクス達の不穏な噂は耳にしていました。
関東の大半を飲み込んだ巨大なブラックポイントから出現し、現代人だろうと他世界のゼクスだろうとお構いなしに殺戮を繰り広げる、凶悪な魔人と怪物達の世界。
話し合いの通じる余地はなく、極めて危険な存在だと。

あづみの中には今でも戦いを、そして、自分の死を恐れる心がありました。
ですが、今はそれ以上に、そんな危険な存在から大切な人たちを――そして、多くの人々を助けたいという想いが強くありました。
リゲルや千歳達と顔を見合わせた彼女は、互いに頷き合うとみんなで作戦に参加することを表明
彼女達の覚悟を認めたポラリスに案内されて、サミットの会場から抜け出すと、海岸に停泊していた戦艦――シンセイバーに搭乗しました。

シンセイバーにはあづみ達以外にも多くの
ゼクス達が搭乗しています。赤の世界の
ブレイバー達や白の世界の輝聖達。青の世界
からも海軍リヴァイアサンが参加しています。

遅れて到着した赤の世界の親善大使、蝶ヶ崎ほのめと彼女に同行していたゼクス使い、黒崎神門倉敷世羅が乗り込んだところで、シンセイバーは出航。
千葉の港を目指して出発します。

ミサキ達同様に旧世界の中盤で出会い、以降も
何かと縁があったほのめ達。あづみ達と千歳達も
含めて、千年國に集ったゼクス使い達が各色の
親善大使となったのは、意図した展開のようです。

ですが、出航してからしばらく経った時、シンセイバーに凶報が届きます。
サミット会場に黒の世界の枢要大罪の一人が軍勢を率いて攻撃を仕掛けてきており、そちらは現地に残った神器組達などの奮戦によって撃退されたのですが、同時期に千年國にも別の枢要大罪の軍勢が襲撃
それによって、千年國は壊滅してしまったというのです。
自身の留守中に起きた惨劇に千歳は顔面蒼白となり、あづみもまた仲良くしてくれた緑の世界のゼクス達を想い、衝撃を受けました。
とはいえ、今からそちらに救援に向かうのは不可能であり、今できることは彼らの無事を祈ることだけでした。

なんとか逃げ延びた千年國の難民達は
緑の世界の代表という立場となった和修吉
率いる龍王殿が保護してくれました。

また、関東に近づくにつれて、シンセイバーにも黒の世界のゼクス達が攻撃を仕掛けてきました。
あづみとリゲルも仲間達と共に迎撃にあたったのですが、どういうわけか海戦用の強力な武装を身に着けた青の世界の子供達までシンセイバーの攻撃に加わっていました。
幼い子供たちの凶行に戸惑いながらも、あづみ達は戦艦を守るべく奮戦します。

この子供達の一団の名はSSD(サメサメ団)。
革命戦争で親を亡くし、ベガが発令したクローン
禁止令に反発した戦災孤児達です。そして、
そんな彼女達に武装を供給したのは……。

ちなみに、そんな千葉への航海の道中で新たに出会った人々と交流していたあづみ達でしたが、最後にやってきたほのめと神門の関係性――ほのめが露骨に神門をライバル視して、それを神門がスルーする――を見て、こんな感想を抱きました。

あづみ「蝶ヶ崎さんって、黒崎さんにすごい
対抗心燃やしてるよね。ああいうのなんて
言うんだっけ。……そうだ。恋人って書いて
ライバルって読むんだよね!
いいなあ。」

………本人達が聞いたら、果たしてどんな反応をしたでしょうか。

さて、幾度かの襲撃を乗り越えて、シンセイバーは関東――千葉の海岸に到着します。
シンセイバーの防衛部隊を除く面々は上陸し、早速、進軍を開始します。
目的地は千葉にある日本で最も有名な遊園地――現在の名はバシリカ・トゥーム
黒の世界のゼクス達の中でも枢要大罪に抗う者達が集うというその地へと、あづみ達は向かいます。
その道中、またしても枢要大罪につく魔人達や狂暴なプレデター達が襲い掛かりましたが、四世界議会の連合軍はそれらを次々と撃退。
あづみ達もまたさまざまな武器を使いこなしながら、仲間達と共に進路を切り開きました。

そして、連合軍は多少の負傷者は出したものの、犠牲者は出さずにバシリカ・トゥームに到着します。
そこであづみ達を出迎えてくれたのは彼女と同年代の少女ゼクス使いとそのパートナーゼクスのプレデター
彼女達が披露したド派手な歓迎のトリックショーに興奮したあづみは思わずスタンディングオベーションを行いますが、他のみんなは生暖かい視線で彼女達を見守っていました。
悪目立ちしてしまって恥ずかしくなったあづみは即座に座って、しばらく縮こまっていたようです。

少女ゼクス使いの名は上柚木八千代。あづみとも
旧世界でちょっとだけ縁がありましたね。
新世界での彼女はブラックポイントが開いた
直後からゼクス使いとして戦ってきました。

さて、パフォーマンスの後、バシリカ・トゥーム側の代表者代理という立場の八千代は改めて現状を説明します。
現在、バシリカ・トゥームの主力の大半は枢要大罪と戦うために、黒の世界のブラックポイントの中にすでに突入していたとのことです。
このため、連合軍もまた小休止を挟んだ後に彼らを助けるべく進軍することに決まりました。
……ですが、そんなあづみ達に異質なドラゴン達が襲い掛かったようです
果たして、これからの彼女達の戦いはどのような展開を迎えるのでしょうか。

異龍だったかしら。強くも速くもないのね?」

5.次回に続きます

ここまででだいたい第44弾から第49弾くらいまでのあづみ達の物語となります。
今度発売される第50弾(!)では久々にあづみ達がメインのパックで登場するので、彼女達の物語も少し進展しているかもしれませんね。

そして、次回からは新たなゼクス使い達のお話の始まり。
今度はあづみ達と関連が深い、あの二人のお話しとなります。

「手が早い? 違うね。先手必勝ってんだよ!」

それではまた次回!

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