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Z/Xストーリー、アクティベート! 第25回 「各務原あづみ編5 戦場に輝く二つ星」

皆さん、こんにちは。GRRRです。
今回もあづみ達の本編での活躍をお話ししていこうと思います。

前回の続きになりますので、今回は覇神ギルガメッシュを打倒した後の話。
繰り返しになりますが、各キャラのストーリーの大まかな流れは、公式HPのおもな登場人物の軌跡を見ればわかりますので、そちらもご参照ください。

それでは、始まり!


1.祝福の蒼空

ポラリスらや他のゼクス使い達と共に、覇神ギルガメッシュを打倒したあづみ達。
無事に現代世界へと帰還した彼女達ですが、あづみの体力が完全に戻っていなかったため、しばらくの間、彼女はベッドで安静することになりました。
ポラリス達も覇神との激闘の疲れを癒すためにしばらく休息していたそうです。

そのあづみの療養中に、ちょっとした事件が起こります。
あづみの側にいたリゲルが、まるで魂が抜けた人形のようになってしまったのです
あづみはベッドで眠っており、Type.ⅩⅠとルートヴィヒは炬燵でリラックス中、唯一気づいたポラリスも『疲れておったんじゃな』と軽く流していたのですが……。

実はこの時、リゲルは黒の世界のディアボロス、アニムスの作った人形の中に魂を引き込まれていたのでした。
同様の状態に陥っていたライカンスロープのフィーユ、エンジェルのミカエルと共に、元の体に戻るため、アニムスの気が済むまで彼女の遊びに付き合うことになってしまいました。

そんなリゲル達の様子が描かれたのがドラマCD
さみしがりアニムスとぬいぐるみフレンズ
イラストには緑の世界の賢者、ピュアティの姿も
ありますが、ドラマCD中には登場していません。

この時のリゲルは、ただでさえあづみと強制的に引き離されてしまった上に、まだあづみが完全に回復していない状況だったため、かなりピリピリとしていて、それが原因でアニムスを怒らせてしまうこともありました。
最後の方では、彼女なりにアニムスにも心を開いていましたが。
ちなみに、リゲル達がアニムスの人形に魂を囚われていたのは劇中の描写を見るに数日間
結構長い……。
食事が必要ないエンジェルであるミカエルはまだしも、リゲルやフィーユの場合、栄養補給ができない肉体の方が危険な気がするのですが……。
時間の流れが違っていたのでしょうか?

まあ、何はともあれ、しばらくしたらリゲル達の魂はアニムスの人形から解放されて元に戻り、あづみもまた体力が回復して動けるようになりました。

体力の回復に伴い、真っ白だったあづみの
髪の毛も、お馴染みの水色に戻っていました。
元の栗色には戻らないようですが。

回復した後、あづみは改めて神についての話をリゲルにするのですが、あづみを利用した神に対して強い敵意を抱いていたリゲルは流石に渋い表情をしました。
リゲルのその反応にあづみは苦笑しますが、表情を改めてこう告げます。
神からもらったあの破壊の力が、まだ自分に残っている、と。

あづみの《叶えし者》としての力、《共振崩壊》。
前回も説明しましたが、絶望の嘆きで機械を破壊する青の世界の天敵ともいえる力です。
この力をあづみが未だに持っているという事実は、この後のストーリーにも影響することとなります。

ちなみに、あづみの方はマルドゥクを恨んでるような
描写はありません。理由はどうあれ、自ら望んで
彼に力を願ったことを自覚しているからでしょう。

さて、体力が回復してからしばらく経ったある時、あづみはリゲルからクリスマスプレゼントとしてもらった赤いマフラーを取り出します。
それを見たリゲルもまた、ウェポンクラウドからあづみから贈られた赤いマフラー……あづみに贈ったものと全く同じものを取り出しました。
あのクリスマスの日に、まったく同じ贈り物を選んでしまったことを思い出して笑いあう二人。
そこであづみが、リゲルに一度その赤いマフラーを返してくれないかと言います。
思わぬ言葉に、リゲルは動揺しますが、すぐにあづみが事情を説明して――。

数日後、二つのマフラーはあづみの手によって一つに編みなおされました

「これでずっと一緒だよ!」

そう言って楽しそうに笑うあづみの姿に、リゲルもまた満面の笑みを見せます。
赤いマフラーが風にひらめき、二人を祝福したのでした。

「わたしが回復したの……絆のおかげなんだって」
感極まったリゲルは言葉を口にできない。
「奇跡的なんだって。すごいね!」
あづみの言葉ひとつひとつに頷いた。

このマフラーについての話はブースターパック第20弾 祝福の蒼空の限定版に付属していた、ガイドブックに描かれていた内容です。
なので、ご存じない方もいるかもしれませんね。
ここでは、ギルガメッシュ戦前後の各地の様子や、同期の他の絆リンク組の話も載っていました。

また、祝福の蒼空のいくつかのカードに、彼女達を見守る者達のセリフが載っていました。
まずはかつての彼女達の上司、ベガ様

ベガ「さようなら、各務原あづみ。結局私は
“私のあの子” を理解できなかった……。」

……ベガ様とあづみの関係性は以前お伝えした通り。
複雑な思いが垣間見えます。

そして、ずっとあづみ達を影ながら支えてきたポラリス

ポラリス「あの双星はふたりでひとつ。
ふたりそろってこその特異点なんじゃよ。」

己の、そして世界の運命を変える者達、特異点
あづみの場合は、リゲルと一緒になることで運命を変える力を発揮できる、ということなのでしょうね。
余談ですが、第一弾から登場している初代主人公達はそれぞれのプロローグが公式HPに掲載されています。
そのうち、他の四人がプレイヤーキャラ視点なのですが、あづみ達の場合だけ、リゲル視点になっていました
この辺りも、『二人で一つの特異点』の現れなのかもしれません。

最後に、ポラリスの同盟者であり、あづみ達を含めた多くの特異点を見守ってきた竜の巫女――エア

竜の巫女「おぬしらを縛るものは
なにもない。心のままに征くのじゃ。」

2.明日も笑顔でいられるように

覇神との戦いの後、しばらく自身の体力回復に専念していたあづみ。
ようやく完全に体調が戻った彼女は、同様に休息をとりつつ、次なる決戦に向けての準備を進めていたポラリスに、自分達もポラリスの戦いを手伝わせてほしいと協力を申し出ます。
シャスターとの決戦に向けて、少しでも戦力が欲しいポラリスはもちろんあづみとリゲルの参戦を承諾。
準備を整えた彼女達が青の世界へと向かうとすでにポラリスの仲間達である革命軍と治安維持部隊との戦いが始まっていました。
あづみ達は、行動を開始します。

まず、ルートヴィヒは他のマーメイド達に合流して艦隊の指揮を担当。
一方、Type.ⅩⅠは神器と合流してシャスターの中枢へと向かいます。
そして、あづみとリゲルはポラリスと共に別ルートでシャスターの中枢付近のある場所へと移動しました。

マーメイド達のリーダー、ⅩⅠフラッグス
一人であるルートヴィヒ。世羅や怜亜など、
他のゼクス使い達とも面識があります。

果たして彼女達が向かった先には、治安維持軍側のバトルドレス達と対峙する青年、アドミニストレータ カノープスの姿がありました。
ポラリスは仲間である彼を救うべく、ここに駆けつけたのです。
カノープスを包囲していたのは、あづみやリゲルとも因縁深いベガ、本来はマーメイド達のリーダーであり今はシャスターに洗脳されたカノープスの旧友アルタイル、そして、カノープス曰く、オリジナルⅩⅢの仲良しトリオ、Type.ⅡType.ⅢType.Ⅳ
アドミニストレータが二人、オリジナルⅩⅢが三人と強敵揃いです。

以前もお話ししましたが、Type.ⅡとType.Ⅳは
共に治安維持部隊の空軍、ジズの指揮官です。
そのため、二人で行動している場面も多いですね。

シャスターによって完全に消去されたはずのポラリスが現れたことに驚愕するベガ。
一方のカノープスは思わぬ援軍として現れたあづみに問いかけます。

「……何故、戦う?」

そのシンプルな問いかけに、あづみは前に進み出て答えました。

「死にたくないから……ううん。後悔せずに
明日を生きたいから戦うの。それって悪いこと?」

あづみのまっすぐな答えに、カノープスは満足げに頷くと、改めて治安維持軍の方に向き直ります。
一方のベガは、裏切り者であるあづみとリゲルに対する憎しみを露わにし、リゲルもまたあづみを利用したベガとの因縁を断ち切るべく彼女に対峙しました。
まさに一触即発の雰囲気の中、リゲルはポラリスに作戦があるのかと問いかけると、彼女は「妾に秘策あり」と意味深な笑みを浮かべます。
そんな彼女達に、カノープスは真剣な表情で口を開きました。
その視線を、正面に立つ一人のバトルドレスにまっすぐと向けたまま。

「おしゃべりは終わりかい?
待ってたよ、カノープス」
「あの澄まし顔の馬鹿と1対1でやらせてくれ」

男と男の一騎打ちが始まる中、あづみ達もまたベガ達を迎え撃ちます。
そして、ポラリスはあづみ達に自身の秘策を打ち明けました。
それは《叶えし者》となったあづみが手に入れた力、《共振崩壊を使うことでした。
青の世界の天敵たるその力で敵のオリジナルⅩⅢを止める、とポラリスは発案したのです。
ですが、リゲルはあづみに忌まわしい過去を思い出させたくないと反対し、あづみもまた《共振崩壊》は自分が絶望した時しか使えないと言います。
それを聞いたポラリスはいつになく冷徹な表情であづみに言いました。

「許せよ、あづみ。おぬしの辛い記憶を
呼び覚まさせよう。……克明にな」

そんな言葉と共に謎の青い光を掌から出現させて、あづみに迫るポラリス。
今までと一転してあづみを冷徹に利用しようとするポラリスに、リゲルは激昂して、その手の刃を彼女に向けました。
一方、あづみ達の様子を観察していたベガは彼女達が仲間割れを起こすのを見て心底辟易とした様子でため息をつくと、オリジナルⅩⅢ達に攻撃命令を下します。
Type.Ⅱがベガを守り、Type.Ⅳが武装のビットを展開。
そして、Type.Ⅲがポラリスに向かってその手の電磁ウィップを振りかぶり――。

奇数のオリジナルⅩⅢはアドミニストレータの
護衛を担当しており、Type.Ⅲの主はアルタイル。
彼女も本来は革命軍側の人物で、今は主共々
シャスターに洗脳されていた、のですが――

――そこでポラリスが動きました
彼女は即座にあづみから離れると、その手に展開していた光の玉をType.Ⅲの頭に押し付けます。
異変を察したType.ⅡがすぐにType.Ⅲに下がるように叫ぶも、時すでに遅し。
先程の光の正体は以前、Type.ⅩⅠがリゲルに施した処理と同じもの――感情制御回路の解放と本来のType.Ⅲの記憶データのインストール用のプログラムでした
ポラリスは最初から、これを使うチャンスを窺っていたのです。
そして、先ほどあづみに《共振崩壊》を使うように強制したのも、ベガ達を油断させ、彼女達の本当の作戦を隠すための演技。
ポラリスの言葉からその事実に気づいたベガが驚愕し――直後、リゲルの怒りの絶叫が響きました
実は、彼女はこの演技について、前もって説明されていなかったのです。
ポラリスがリゲルにこの作戦を教えなかった理由は、

「おぬしはなにも知らん方が真に迫ってくれると思ったからのう。敢えて言わんかった」

とのこと。
ちなみに、あづみは事前にポラリスからこの作戦の内容をきちんと説明されており、一人蚊帳の外にされていたことを知ったリゲルは内心涙しました。

微妙に不憫なリゲル。確かに、
化かし合いは苦手そうな性格ですが……。

まんまとポラリスの策に嵌められたことに気づいたベガは激昂。
Type.ⅡとType.Ⅳに自分の護衛ではなく、ポラリスの撃破を最優先するように命じます。
その命令に応じ、先にType.Ⅳが飛び立ち、一瞬ためらったType.Ⅱが続いて飛び立ちました……が。
前に出過ぎたType.Ⅳのビットを、電磁ウィップがまとめて薙ぎ払いました。
本来の記憶と心を取り戻したType.Ⅲが治安維持軍を裏切った――いえ、革命軍側に表返ったのです

油断なくType.Ⅳの前に立ちはだかりつつ、Type.Ⅲはかつての記憶を取り戻してみたくはないかと、Type.Ⅳに語ります。
思わぬ旧友の言葉に戸惑うType.Ⅳ。
直後、隙をついて彼女の背後に回り込んだポラリスが再び先ほどと同じ光を展開し、Type.Ⅳの感情制御回路を解放しました。
溢れかえる感情の奔流に思考が追い付かなくなったType.Ⅳはそのまま絶叫と共に昏倒してしまいます。

他のオリジナルⅩⅢと比べても、やや幼い
容姿のせいか、Type.Ⅳは他の姉妹達と比べて
感情に前々から興味を持っている節がありました。

そこから先の決着は一瞬でした。
相棒であるType.Ⅳが戦闘不能にされたショック故か、動きに精彩を欠いたType.Ⅱは全力全開のType.Ⅲに圧倒され、残ったベガはリゲルに銃を突きつけられていました。
その状況は――まさにベガにとっての詰み
自分が敗北したことに、彼女は愕然とします。

あづみ達がベガを追い詰めるのと同時に、もう一つの戦いにも決着がつきました。
最終的に殴り合いに発展したカノープスとアルタイルの決闘は、互いがクロスカウンターを放って同時にノックアウト、引き分けとなりました
そして、その決闘の中で、アルタイルの洗脳も解除されたのでした。
幼き日のように互いに笑いあうカノープスとアルタイル。
そんな二人を苦笑しつつも見守るポラリスに、自分に声をかけてくれないアルタイルにむくれるType.Ⅲ。
一方、あづみはリゲルの奮戦を誉め、その無事を喜んでいました。

こちらが正気に戻った後のアルタイル。
その快活で明るい笑みはベガが求めて
やまないものでもありました。

――その光景をベガは茫然と見つめていました。
まっすぐなアルタイルの笑顔。
純粋無垢なあづみの笑顔。
それらは、自分には決して手に入れる事ができなかったモノ――

「なにもかも、すべて、こぼれ落ちてゆく……」

ふとベガが崩れ落ちた外壁の向こうを見上げると、空は黒い雲で覆われており、無数の雨が地上に降り注いでいました――。

最終的に革命戦争は、神器組の奮戦によってシャスターが破壊されたことで革命軍側の勝利に終わりました

三機の神器が合体した姿、G・ヴェイバトロン
神器組の活躍については、またいずれお話しします。

そして決戦の結末を見届けたあづみとリゲルは、また新たな場所へと旅立ちます。


3.雪原での邂逅

ポラリス達を援護し、革命軍の勝利に貢献したあづみとリゲル。
戦いが終わった後、降伏したベガの手によって、あづみの体内にある悪性のナノマシンを全て良性のものへと差し替えられました。
おそらく、ポラリスがあづみ達への報償、という形で用意させたのでしょうね。
ポラリスとデネボラの立ち会いのもと、ナノマシンの更新作業は問題なく行われました。

それが終わると、あづみは青の世界の人々に別れを告げ、リゲルと共に現代世界へ帰還しました。
激震奏者イフクのフレーバーテキストを見るに、出発前に怜亜達にも会ったようですね。

怜亜「リゲルさんと各務原さん、もう行っちゃった
のかあ……。もっと仲良くなりたかったのに!」

現代世界へ戻ったあづみ達が向かった先は東北――千歳と龍膽の元でした
彼女達とはモウギの真実が判明した九州で別れて以降、一度も会っていません。
一方で、あづみ達には青の世界の東北侵略作戦に与したという負い目もありました
一度目は千歳の説得で矛を収めたにも関わらず、再び侵略を行った――あづみ達にも事情があったとはいえ、その事実は変わりません。
緑の世界の人々に責められることも覚悟しつつ、千歳達にもう一度会うべく、あづみは東北へ向かいます。

あづみ「わたしたちは悪者だろうね。……それでも
行こう。青葉さんと龍膽さんに会いたいから。」

なお、この東北への移動中にリゲルはソトゥ子さんが始めた新たな企画、ソトゥニャシ放送局にてゲストとして何度か招かれています。
一度目は番組の内容の紹介である1回目の最後の方にちょっとだけ、二度目はアニムス編の5回目です。
後者の方はメインのゲストはアニムスで、リゲルはサブゲストの一人、と言う形ですね。
この時に同じくサブゲストで呼ばれたフィーユやミカエルとも再会し、ライカンスロープのピュアティとも会っています。
この時にはリゲル達の近況が語られており、あづみの白の世界の未来の姿であるあの天使についても触れられています。
また、あづみも途中でちょっとだけですが登場しています。
尤も、最後のオチでえらいことになってしまいましたが……。

とまあ、夢の世界で大変な目にあったリゲルですが、彼女はあづみ共々、現実世界でも大変な目にあいます。
東北へ向かう途中で猛吹雪に巻き込まれてしまったのです
視界も効かなくなるほどの吹雪の中、あづみとリゲルは寒さをしのげる場所を探し、一つの山小屋を発見しました
その小屋に近づいて、あづみは中に入れてくれるように頼んだ……のですが……。
あづみの事になると色々と暴走しがちなリゲルが、少しでもあづみを早く小屋に入れようとウェポンクラウドから銃を取り出して、扉をぶち破ろうとしてしまいます
……いやいや、リゲル。
吹雪と寒さをしのぐために入ろうとしてる小屋の扉を壊そうとするのはどうなのさ。
しかも、そのタイミングで小屋の扉が開けられた結果、リゲルは扉を開けた人物――いえ、ゼクス達に銃を突きつける格好になってしまいました
直後、小屋の中から別のゼクスが飛び出しリゲルに突撃、その一撃はリゲルが銃を盾にすることで防いだものの、銃は吹き飛ばされてしまいました。

またしても暴走してトラブルを起こしたリゲルを責めるあづみと、慌てて弁明するリゲル。
その名を聞いた、小屋の中の何人かのゼクス達が反応しました。
彼女達は、先述の青の世界による侵略時にキラーマシンを率いていたあづみ達のことを覚えていたのです。

小屋の中にいたのは、小屋の主であるホウライ、金縷梅
先程の場面で、小屋の扉を開けたのも彼女です。
そして、銃を構えていたリゲルを敵性ゼクスと
判断して飛びかかったのはウェアジャガー
ライカンスロープのリーダー、五頭領の一角です。
小屋の少し奥の方にいたのはホウライのリーダー、
八大龍王の一人、阿那婆達多(アナヴァタプタ)。
彼女は神々や敵対する八大龍王 和修吉達の動向を
探るべく、神の眷属《叶えし者》となっていました。
阿那婆達多の同門のホウライ、菖蒲
彼女と阿那婆達多は神気の浸食に苦しみ
ながらも、神々の支配力が弱まった隙に、
彼らの元から逃げ出してきたのです。
残りの二人のうち、片方は赤の世界の
ゼクス使い、蝶ヶ崎ほのめ
そして、最後の一人が、ほのめのパートナーの迦陵頻伽
偶然、阿那婆達多達と出会った彼女達は、共にこの小屋に
辿り着いたのでした。なお、小屋の中に入れてほしい
というあづみの声に気づいてくれたのも頻伽です。

偶然か、運命か。
辺鄙な山奥の小屋に集結した三色のゼクスとゼクス使い達。
吹雪は一週間も吹きすさび、その間、あづみ達は小屋の中に集まったほのめやゼクス達と共に共同生活を営むこととなりました。
その中で彼女達は自身の身の内やそれまでの旅の過程、手に入れた情報の交換などを行っており、あづみ達もまた、自分達のこれまでの旅と戦いの日々を話します。
それを聞いたほのめの反応がこちら。

ほのめ「各務原ちゃん! 小さいのに
辛い思いしたんですのね! アタシを
姉代わりに頼ってくださいの!」

そう言ったほのめに対して、あづみの過保護者たるリゲルが露骨に敵意を向ける一幕もありましたが、ほのめの気持ちもわかります。
逆にあづみ達が阿那婆達多達から神の策謀について説明してもらう場面もあったのですが、その内容はあづみには難しかったようで……。

あづみ「楽園の鑰匙? 5人の歌姫? リゲルぅ……
たぷたぷさんのお話、わたしには難しいよ……。」

とりあえず、たぷたぷさんとは言わないであげて下さい。
本人もだいぶ気にしているので……。

――ここで阿那婆達多達が語った五人の歌姫達、《楽園の鑰匙》。
そして、再び動き出した神々の謀略
それがいったいなんなのか、あづみ達は間もなく知ることになります――。


4.イグニッション・オーバーブースト!

あづみが金縷梅の山小屋に辿り着いてから一週間後、ようやく吹雪が止みました。
迦陵頻伽を追いかけてきたという彼女の妹、セマルグルも加え、あづみとリゲルは金縷梅以外の面々と一緒に千歳達がいるという千年國へと向かおうとします。
ですが、そこに突如、思わぬ相手が現れました。
最高神の一角であるアヌの娘、ナナヤ

赤の世界を担当する神の一人であるナナヤ。
故に彼女の狙いは赤の世界のゼクスである――

あづみ達の前に突如現れた彼女は、他の者には目をくれることなく迦陵頻伽に肉薄
そのまま頻伽を連れて神域へと転移してしまいます。
頻伽こそが阿那婆達多達の話の中で出てきた五人の歌姫達――神々の封印を解く《楽園の鑰匙のひとり
そうほのめは推測しました。
セマルグルと共に頻伽を追おうとするほのめに、あづみは協力を申し出ます。

あづみ「わたしたちは誰よりも、失う痛みを知ってるよね。
蝶ヶ崎さんたちを放っておけるわけない!」

その言葉にリゲルも頷きました。
ですが、別次元に存在する神域にどうやって向かえばいいのか――。
そう、あづみやほのめ達が悩んでいた時、彼女達の前に新たな人影が現れました。
赤の竜の巫女メイラル
彼女もまた、神の策謀を感じ取って、この場に駆けつけたのでした。
残念ながら既に頻伽は連れ去られていましたが、まだ手はありました。
神域へと向かうための手が。

ほのめにカードデバイスを渡して、彼女を
ゼクス使いとしたのがメイラルです。
あづみにとっても初めて会った竜の巫女で、後に
『かっこいい人』と回想する場面もありました。

果たしてあづみ達はメイラルが展開してくれた竜の巫女達が使えるワープゾーン、竜脈を通って神域に辿り着きました。
既に封印解放の儀式は始まっており、あづみ達は迦陵頻伽を含めた五人の歌姫――《鑰匙》達が儀式に参加させられているところを目撃します。
あづみ達は頻伽達を助け出すべく、手分けして行動を開始します。

ここで《鑰匙》の面々をご紹介。
ルートヴィヒと同じ青の世界のマーメイド達の
リーダー、ⅩⅠフラッグスの一人、フレデリカ
黒の世界の墓城で葬送歌を歌う
幽霊のノスフェラトゥ、バンシー
ソトゥ子さんの友人でもあります。
緑の世界のリーファー達のアイドルグループ八宝美神
一人である新人アイドル、ペクティリス。この後、
彼女は新たなアイドルグループのリーダーとなります。
そして、白の世界のゼクス使いであり、
現役のアイドルグループ、シャイニング
エンジェルのリーダー、弓弦羽ミサキ

まずあづみとリゲルは儀式を取り仕切っている神、ティアマトに接近。
彼女に戦いを挑みます。
ですが、神の圧倒的な力の前にリゲルは押され、あづみ達は『力及ばず』投降しました。
……ほのめの発案した一か八かの作戦通りに
その隙にほのめ達が頻伽の元に向かうことができました。
そして、ほのめ達が頻伽を助けるまでの間に、あづみはこっそりと《鑰匙》達の歌う讃美歌に加わります
その結果、あづみという余分な要素によって、儀式は不完全なものになりました。
一応言っておきますが、あづみの歌唱力に問題があったわけではありません。
リゲルも絶賛してますし。

リゲル「とても綺麗な歌声だったわ、あづみ。
鑰匙って呼ばれてた5人にも引けを取らない!」 
あづみ「恥ずかしいよ……」

あづみ達が原因で儀式が不完全なものになっとことにティアマトも気づき、それとほぼ同時にほのめとセマルグルが迦陵頻伽を救出しました。
儀式を邪魔されたことに激怒したティアマトは本気であづみ達に襲い掛かります。

怒れる神に立ち向かうことになったあづみ達。
ですが、彼女達は自分達に新たな力が宿っていることを感じました。
もしかしたら、竜の巫女であるメイラルから、その新たな力のことを教えてもらっていたのかもしれません。
あづみとリゲルは互いに手を取り、そして――。

蒼 天 誓 装 !!

蒼穹の如く、蒼い光が神域を照らし、それが収まった時、あづみとリゲルは一心同体となっていました。
イグニッション・オーバーブースト
白と黒、二人の竜の巫女によって編み出された秘儀によって、彼女達はさらなる力――絆が紡ぎだす力を手に入れたのです。
あづみ達が一心同体となったのとほぼ同時に、ほのめと迦陵頻伽、そして《鑰匙》の一人であるミサキと彼女を助けるために駆けつけたサー・ガルマータもまた、イグニッション・オーバーブーストを発動していました。
三騎のイグニッション・オーバーブーストを中心としたゼクス達と、神との戦いの幕が上がります。

ディンギルの一角、ティアマトの力は確かに強大。
ですが、この時は儀式の場に彼女しかおらず、孤立無援の状態でした。
孤独な神は、絆の力によって圧倒的な力を得るイグニッション・オーバーブーストの力に敗北。
完全消滅こそはしませんでしたが、大ダメージを受けた彼女は撤退を余儀なくされました。

本来は青の世界を担当する神であるティアマト。
この時の儀式の失敗と敗北から、《鑰匙》達を
恨んでいた彼女は、後の神々との人竜の最終決戦の
際に《鑰匙》の一人を襲撃しました。が――

こうして《鑰匙》達の解放に成功したあづみ達。
この時、ガルマータと彼の恋人であるケィツゥーを神域に送り届けた緑の竜の巫女クシュルも駆け付けており、彼女が東北地方に帰還できる竜脈を開いてくれていました。
あづみ、リゲル、ほのめ、迦陵頻伽、セマルグル、ミサキ、ガルマータ、ケィツゥー、そしてペクティリスはクシュルが作った竜脈を通って現代世界に帰還。
改めて本来の目的地である千歳達のいる場所――千年國へ向かいます。

こちらが緑の竜の巫女クシュル。
明言はされていませんが、残りの《鑰匙》の
フレデリカとバンシーはメイラルがそれぞれ
彼女達が望む場所に帰還させたと思われます。

5.次回に続きます

ここまででだいたい第20弾から第25弾くらいまでのあづみ達の物語となります。
青の世界の革命戦争でポラリス達に助力した後、千歳達との合流を目指したあづみ達。
途中でトラブルはあったものの、彼女達は千歳達のいる千年國に辿り着けたのですが、彼女達は神々が再び暗躍し始めたことを知りました。
神々との決戦が始まるのはもう間もなくのこととなります。

ここから先の話は、また次回に。
それではまたお会いしましょう!

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