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思考力向上委員会 フェルミ推定④-3

今回でバス会社の収益を求める問題は最終回。

最後、コストの算出をして、収益をおよそ求めていく。
ちなみに、もともとの計算式は下記である。

【バス会社の年間収益】
toCの利用者の売上+toBの利用者の売上+その他広告収益ー車両費・メンテナンス・ガソリンコスト・人件費・広告などのコスト

下記の二つの記事でtoCの利用者の売上+toBの利用者の売上を算出しており、事業としての売り上げは大体
14億+10億≒約25億円程度と想定。各コストをどの程度見立てるべきかによって収益構造は変わってくると思われるが、感覚的には原価率が高く、販管費はそこまで高くないようなモデルな気はするので、収益率は10%~20%程度な気がする。そうなるとおよその見立ては5億円程度が収益になってきそう。

ここは一応細かく見ていきたい。

かかる費用として、変動費と固定費に分けて検討したい。
基本的にバスが稼働するごとにかかるガソリン代・人件費は変動費用、バス自体を保有している購入費用・メンテナンス費用は固定費として想定する。ほかにもバスを止めておく土地や建物があると想定される。土地や建物はすでに支払いが済んでいるケースが多いだろうと想定して、それ以外のコストを考えていきたい。

【変動費の計算】
toCのバスの年間本数×(1本あたりのガソリン代+1本あたりの人件費)+toBのバスの年間本数
=(ツアー系の本数+運航路線の本数)×(1本あたりの走行距離÷燃費×ガソリン代+走行時間×1時間当たりの人件費)+toBのバスの年間本数×(1本あたりの走行距離÷燃費×ガソリン代+走行時間×1時間当たりの人件費)
=(365+250×365)×(4㎞÷10km/L×170円+1時間×2000円)+3750×(20㎞÷10km/L×170円+5時間×3000円)
=約100,000×(68+2000)+3750×(340+15000)
=約2.6億円

【固定費の計算】
バス保有台数÷耐用年数×1台当たりの金額(≒保有年数)+メンテナンス費用/年
※仮にバスの台数を100代とした場合、
=100台÷8年×2000万+50万円×100台=25000万円+5000万円=3億円

固定費+変動費=約6億円とすると、
営業利益は

25億円ー6億円=19億円

となる。計算上の抜け漏れや数値を低く見積もりすぎている可能性は高い。

実際にとあるバス会社の営業収益構造を見てみる。
京王電鉄バスの収益を直近の有価証券報告書 2024年06月26日 から見に行く。

横にしてみてもらいたいが、路線図はこのような感じ。結構路線数とかは当たってたのではないですかね。

一方、売り上げ原価のところは全くあってない。9割が原価。
4000億円の売り上げのうち、3000億円近く、つまりは80%程度は原価にかかっている想定になる。

車両の金額や人件費を少なく見積もりすぎたか。あとはメンテナンス費ももっと馬鹿にならない可能性はある。

全く関係はないですが、時系列でみるとやはりコロナのタイミングはものすごく経営的にダメージを受けてますね。




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