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DX推進

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DXにおける考え方や事例について紹介します。
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90歳の祖父に贈る、DXとは何か

祖父母宅に帰省時に、祖父に自分の仕事を話す機会があった。 自分は既に2年強DXにおける新規開発に携わっている。 孫はやりがいを持って仕事をしていて活躍していることを伝えて、ぜひ喜んで安心してもらいたい。当然のことながらシステムの詳しい話はしても伝わらないので、どう伝えるかずっと考えていた。 祖父は仕事を辞める頃にパソコンが出てきたとのこと。とはいえ自分が使うものというより事務の女の子が自分の代わりに使うものというくらいの認識だったらしい。 ITのことはあまり詳しくないが、新聞

「DX」という言葉で語るのをやめよう

「DX」という合言葉で、システム開発・導入は進んだDXという言葉が登場するまでは、非IT企業においてシステム開発に積極的な姿勢の企業は少なかった体感がある。 実際自社向けのシステム開発をしようとすると非常に費用が高く、長期展望を描いて投資対効果を議論する必要があった。 よほどシステム開発に理解のある会社でないと、進言してもその過程で議論が立ち消えになることが多かった。 DXという言葉が生まれ必要なものという認識が広がってから、 ・業務効率化 ・ITを用いた新規事業立ち上げ

DXサービスの開発において「ユースケース」がめちゃくちゃ大切な理由

 DXサービス開発で「ユースケース」が重要であるDXサービスの開発において、「ユースケース」が大事という話を私の開発チームメンバーによく話している。 どれくらい大事かというと、私はDX関連のサービス開発において、二言目には「ユースケースは?」と発し続ける程度である。ユースケースを語れない倍は開発を断ることも多い、。 ユースケースとは、「どんな状況にいるどんな人が、この機能をどのように使うのか」を具体的に示したものである。 ユースケースがある世界とない世界の例例えば、町工場

金属加工業向け図面管理SaaS「図面コネクト」を1ヶ月で開発した話

アプリボットDX事業部の嶋です。 DX事業部としては建設、製造業のDXに携わってきており、 「ゲーム開発で培ってきた要件定義力とサービス開発力」 で価値を生み出せる領域を見つけて取り組んできています。 今回は昨年開発した図面コネクトの概要と、開発完了までの経緯について書こうと思います。 金属加工業様向け図面管理SaaS「図面コネクト」DX事業部では昨年、金属加工業様における見積もり図面の保存・検索サービスの図面コネクトを開発しました。 このサービスは、 ・過去に自社で扱っ

[デジタル庁主催ハッカソンでの挑戦] 法令APIを活用して、生成AIで子供向け絵本を開発した話

こんにちは、株式会社アプリボットDX事業部 開発責任者の嶋です。 デジタル庁主体の法令APIハッカソンに、先日参加してきました。 ハッカソンに参加した感想と開発したプロダクトについて紹介します。 ハッカソンの概要デジタル庁は現行の法令APIを更に高度にした法令APIプロトタイプを設計・試作をおこなっています。この法令APIを用いた新しいアイデアの開発を1週間でチームに分かれて行うイベントでした。 14チーム参加しており、建設業界の方や弁護士の方など多岐にわたる分野の方がいら

[BIM×生成AI] IFCファイルを生成AIで扱うためのグラフデータベース活用の検証と考察

この記事について建設業界で活用がしている3D設計図BIMを生成AIを用いて解析、生成AIに自然言語で質問し回答を得ることを目指します。 例: 「部屋は何部屋ありますか?」 「1Fに8部屋、2Fに1部屋です」 これを実現することで、設計上の不整合、法令遵守チェックが自然言語で出来るようになり、新たなチェック項目が増えても誰でも素早く確認ができます。 技術的にボトルネックとなるのはBIM情報の解析部分であり、数十MBとファイルサイズが大きいBIMの情報を生成AIはそのまま解析で

ゲーム開発を経験したエンジニアが、今DX事業部で大活躍している理由

アプリボットアドベントカレンダー最終日の記事です。 アプリボットのDX事業部では、ソーシャルゲームの開発で得た要件定義力・開発力で建設業や製造業様向けにDXの開発ソリューションをご提供しています。 一見ゲームとDXは一番遠く見えますが、実は今DXの開発で最も最適な開発会社はゲーム会社ではないかと私自身は考えています。 なぜゲーム会社がDXの開発に一番最適なのか事業開発で培われた、現場の要求をシステム要件に落とし込む力 DXの開発で一番課題になるのは、システムの実装ではなく

組織のルール設計を失敗させる7つの方法

組織におけるルール策定は難しい。でもルール策定失敗に法則性はある組織で良いとされる行動を推奨したい、悪い行いを罰したいと言うときに、我々はルールを策定する。 直感的には、良い行いを直接褒めて悪い行いを罰すればいいだろうと簡単に考えがちだが、実際問題ルール策定は難しい。 ルールを策定したことによる副作用を考えて、組織という一つの小さな国の法律を策定する行為になってる。 幸いルール策定というのは律令国家が生まれてから長い歴史のある行為であって、ベスト(バッド)プラクティスが多く

意思決定が通らず困っているDX担当者に贈る、アサーティブコミュニケーション

DXという分野は課題感や技術以上に、関係各所とのコミュニケーションの難易度が高い分野だと思っています。社内であれば、既存の事業と比べかなり新しい分野に取り組むことになり、関係各所に理解して協力頂くための調整が必要になります。またDXは自社のアセットだけでは完結せず、複数の外部の会社と共創する例の方が多いです。 このような複数のステイクホルダーがいる中で、上手く合意形成をしてプロジェクトを進める力はDXにおける必須スキルだと考えています。 とはいえ参考になる書籍が少ない中で、ア