見出し画像

学習と個性~共に育つ 子供たちとの時間で気づいたことVol10


学童保育では下校後、勉強する時間を1時間ほどつくっています。

どの学年も、担任の先生が準備して持ち帰ってきた
学習プリントに一斉に取り組みます。

決して広い施設ではなく、
8畳ほどのスペースに15人前後の子どもたちが入るので
肩を寄せ合うようにして、並んで座り
終わった子から順にスタッフに確認してもらったり
わからないところをきいたりして、
終わらせてから遊びの時間に入ります。
何年もずっと変わらない、学習サポートの時間です


いつもと違う様子を感じて・・・

ある日、いつも小学生の学習サポートに入るスタッフがお休みで、
久しぶりに私が担当することに。

その日は全ての学年16名が一斉下校。

下校後はすぐに宿題を始めるのが通常ですが
この日はみんな、なぜか1階のスペースでくつろぎはじめました。
2階に上がり宿題を始める気配もなく、
みんながおもちゃやゲームでゆったり過ごしています。

これまでは代理でサポートに入る時、いつものスタイルを変えず、
「勉強はじめるよ~」と声をかけしていました。…が
さてどうしようか?
あまりにものびのびと、楽しそうに遊んでいる姿を見ているうちに
子どもたちと一緒に考えてみたくなりました。

そこからが 面白かったのです。


~ねばならない は必要?
枠をはずしたら、人はだめになる?

「ねぇ、宿題・勉強どうする?」と、みんなに声をかけてみました。
一斉に手をとめてこちらに顔をむける子どもたち。
勉強や行動を指示されるのかと思ったのでしょう。

ひと呼吸あった後、4年生のひとりから
「おやつ食べてから、やる」とはっきりと意志表示がありました。
「みんなは?どうする?」問いかけると、
一瞬考えてから 全員ニコニコで頷いています。

「じゃあ、そうしようか」と、おやつまでの1時間半を
見守ることにしました。

過ごし方はさまざま。
ブロック、読書、ボードゲーム、絵を描く、
友達とおしゃべり、私のところにきて話す

…とそのうち、4年生の二人の姿が動き、2階にあがっていきました。
様子を見に行くと 誰もいない2階のスペースで勉強をしているのです。
「そうかぁ。」と意外でした。
みんなが遊んでいても、”自分は今勉強したい”という選択したようです。

他にも、勉強をしたい子はいないだろうかと声をかけてみました。
すると今度はなんとみんなが2階へ上がります。
(決して強制はしていません。やりたいならどうぞと伝えたのみ)
 
結局 ”みんなで勉強” のスタイルになりました。

すると今度は、先に勉強を始めていた高学年の二人が
「なんかヤル気うせちゃった。後にする」と席をたち 片付け始めました。
(いつもは、終わらせるようにと声をかけられ、間違いなく止められる場面。。)

私「そうなの? 終わらせたかったんじゃなかったの?」
小「うん、そう思ったけどいい」
私「大丈夫?(私に)何かできることある?」
小「うん、いや、いいわ」
というやりとりの後、階下へ。


ですがこの二人、ほぼ全員が宿題を終わる頃に、
また2階にやってきて勉強を始めました。
人が少なくなるのを見計らって、自分に必要な時間も見積もって
戻ってきたのです。


学習にも個性がある


学習する場面では、その人により適した(好みの)環境があるんだ。
考えてみたら当たり前のことです。

静かなスペースで、集中したい子
みんなと わいわいがやがや、したい子

皆と一緒だと、周りと一緒に終わらせなければいけないことばかりに
意識が向き、落ち着かず、不安になる子

できない、わからない、、と手を付ける前から連発するけれど
1対1になって寄り添うと、なんなく できちゃう子

すべて個性 ですよね。

学習にも個性がある・・つくづくそう思うのです。

子どもたちは自分にあわせて、勉強できているのかな?


わからないことがあってもいいんだよ
どうしたらわかるかな、
ゆっくり〇ちゃんのペースでやろう。
まちがえてもいいんだよ
まちがえたあと、どうしたらいいかわかってくるよ

はやくできると うれしそうだね
はやくかいて じもきれいだね
げんきいっぱいで じがおどっているね
むずかしいもんだいにも ちょうせんしたんだね
ともだちといっしょにかんがえるのが すきなんだね
さいごまであきらめなかったんだ

”その子の光っているところを伝えたい” という 私のなかの衝動。
伝えたら、色々な表情が返ってきます。

周りの人のスピードに合わせようとか
間違えてはいけないとか
より正確にとか
そういったことに意識が向いている限り、
人間の能力は、発揮されないのだなと思うのです。

これは、SHIEN学から学んだ大切な気づきでもあり、
私が子どもに関わる全ての方達に、伝え続けていきたいことのひとつです。

自分で自分に合ったスタイルを選択できる。。
それだけでも
気持ちが楽になったり、学ぶ楽しさ喜びを感じたり

そんな景色があると思っています。

きっとそれは、どんな人の中にもある躍動感。
『自分が存在することの慶び』につながっているのだろう
つながってほしい と
子どもたちを見ていて いつも感じます。

+++

🍃SHIEN学について🍃
~子どもとの関りや子育て のうえでも 大切なことが詰まっています~



後日談の場面から


この二人は翌週の月曜日、
「宿題のプリントを5枚コピーしてほしい』と
下校後すぐに私のところに来ました。

理由を聞いてみると、毎日1枚ずつ取組み、
テストに向けて勉強したいと教えてくれました。
もう一人は3枚のコピー。自分のできる容量を考えたそうです。
同じ枚数ではないとろこが、自然でいいな~とも感じました。

”自分から考えて行動するって、いいね” と
コピーを手渡しました。


子供たちが帰ったあと、職場のスタッフに一連の話を聴いてもらい、
驚きあったり、これからの学習時間を考えてみたり。
そういったことを共有できる、感じ合える・・
それがまた 私自身の喜びになっています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?