見出し画像

生ゴミを捨てない生活をしてみたら想像以上に快適だった話。

昨年9月に全国まちづくり会議in福岡で一緒にセッションをさせていただいたNPO法人循環生活研究所のたいらさんとの出会いをきっかけに、自宅でダンボールコンポストをはじめてみました。

生ごみのコンポスト化はやってみたかったものの、外に設置するのは大掛かりになりそうだし、機械を買うのは家の中の置き場所にちょっと困る…というかんじで、なかなか決心がつかなかったのですが、ダンボールコンポストキットは想像以上に手軽に始められて、日々の手入れも簡単で想像以上によかったのでレポートします!

日本は世界一の食品廃棄大国

日本は世界でもトップクラスの食品廃棄量を誇っています。これには、賞味期限などの関係でまだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」も含まれていますが、その廃棄物の半分は家庭から出る生ごみだと言われています。

そしてその生ごみは、日本ではほとんどが焼却処分されています。生ごみはごみのなかでも水分量が多く、焼却には大きなエネルギーは必要です。そうすると、燃したエネルギーのぶんだけ、二酸化炭素も排出されます。

この構造を知ると、私たちの生活の生ごみ廃棄という行為には地球や都市生活の持続可能性を妨げる要素が多分に含まれているということがわかります。

上記で紹介したNPO法人循環生活研究所(以下、じゅんなま研)では、これら家庭からでる生ごみを堆肥化し、それを地域の畑で活用して食物を育て、安心安全な食の提供とごみの焼却量削減を目指して『ローカルフードサイクリング』という取り組みを推進されています。回収範囲が半径2kmというのもポイント。(詳しくは以下リンクから!)

ダンボールコンポストで家で生ごみを堆肥化してみる

ダンボールコンポストとは、簡単に言うと自宅で出る生ごみを手軽に堆肥化できるキットのこと。

ダンボールコンポストってなに?
ダンボールコンポストとは、家庭の生ごみをコンポスト基材※に混ぜて分解させ、堆肥を作る道具のことです。生ごみを入れて混ぜるだけで、他には何も加える必要ありません。たとえば4人家族の場合、1日に出る生ごみの量は500グラム程度と言われていますが、2~3カ月毎日生ごみを入れ、その後1ヶ月ほどの熟成期間を経れば、滋養豊かな堆肥ができ上がります。(NPO法人循環生活研究所HPより引用)

届いたキットはこんなかんじ。しかりしたダンボールの箱で届き、そのままそのダンボールに基材を入れるだけで簡単にはじめられます。

画像1

【はじめかた】
キットを頼み、基材(コンポストのもとになる土)に生ゴミ放り込んで混ぜるだけ。

こんなかんじで、料理の時にでたごみを混ぜ込みます。

画像2

【やってみてよかったこと】
・ごみを捨てる回数が減った。1週間に2回→1回に!
・生ごみによるゴミ箱周りの匂いなどストレスが減った
・特に魚料理のあとの生ごみのにおいが超ストレスフリー!
・生ごみを捨てなくなると、日常捨てているゴミがほとんどビニールorプラスチック製品で、その寮の膨大さに気がつく。
・生ごみを入れたコンポストも全然腐敗臭はない。
・思ったよりも手間もかからないのでずぼらな私でもなんとか続いた。

これならたしかに、マンションのベランダでも簡単にできるな〜と思いました。(我が家は1Fの家の庇の下に置いている)

何週間かやってみた状態は、こんなかんじ。基材が生ごみの水分を吸って、野菜もだんたんカラカラになってきます。多分これは1ヶ月くらい経った状態だったかと思うのですが、まだまだ入るかんじ。

画像3

私がひとつ失敗だったのは、始めた時期が初冬で、あまりに寒すぎて発酵があんまり進まなかったこと...。気温ががっと上がった日には、コンポストの基材がほかほかあったかくなって、発酵が進んでるのを実感できました。

なので、コンポスト初心者は暖かい時期に始めることをおすすめします。

この生活をしてみて、仮に各家庭がコンポストなり、何らかの方法で生ゴミを捨てなくてもよくなったら、ゴミの回収は週に1回でよくなり、自治体のゴミ回収コストも焼却コストも環境負荷も減るという一石三鳥が実現できるかもしれないなということを現実的に感じられました。

ごみの循環サイクルを現代のライフスタイルに取り入れるには

ローカルフードサイクリングのような仕組みづくりに加え、都心でコンポスト化をする上で課題となるのはやっぱり堆肥の使い道だろうと思います。

自分の家でのベランダ菜園や鉢物にももちろん使えるけれど、自分だけで使い切るのではない楽しさというのが循環生活の良さ。

例えば近隣の公園で活用したり、まちの花壇に活用するなど、個人の範疇を超えたところでシェアしたりもできそう。広がってくれば、堆肥が欲しい人とあげたい人のマッチングプラットフォームも必要ですね。

さらに食品廃棄でいえばインパクトが大きいのはやっぱり飲食店や食品販売店。ここの店舗やビル単位だと負担が大きそうなので、エリアマネジメントにごみの再利用の循環を取り入れるなど、エリア単位でまちの仕組みに取り組めるとよさそうです。

本気で持続可能な社会を目指す上では、個別の取り組み以上の強い推進力も必要です。SDGs未来都市に手を挙げている自治体など、特に積極的に取り組んでほしいですね。

追記(2020年12月):現在はダンボールコンポストをより都市住民が使いやすい形に進化させたLFCコンポストを使用しています。くわしくは↓こちらから!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?