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EV購入計画 Episode7 ジャイアン

先週兵庫県でBIROに乗ってきた興奮も冷めやらぬ間に、今回は岐阜県高山市に行ってきました。目的は出光興産とタジマモータースによるオートシェアサービスを利用するためです。

このサービスで使われているのがジャイアンという名前の超小型電気自動車です。

なんでジャイアン??

そう思った方も少なくないでしょう。こんな小さなクルマの名前としてふさわしくないし、そもそもジャイアンはわがままな男の子の代名詞です。なぜこんな名前のクルマなのかもこれを読んでいただければわかります。

まずは長澤まさみに癒されよう(笑)

高山市のオートシェアを運営する出光興産は、ガソリンスタンドがこの20年で半減していることに対する危機感や、それでもやはりガソリンスタンドを重要なインフラとして利用してもらうために新しい取り組みが必要であるとの思いから、超小型電気自動車に注目しこの企画にたどり着いたようです。

出光興産の力の入れようはこのCMからも伝わってきます。長澤まさみが出ているんですから(超個人的趣味ですみません)。
というわけで、今回は私が乗っている動画がないので、このCMでジャイアンが走る姿もご覧いただきたいと思います。

長澤まさみとは全く関係ないのですが、CMの中で男性社員が
「周りを変えるより、まず自分達を変えてみよう。そう思ったんです。」
と言います。私も今そう思いながらチャレンジしているところです。

オートシェアはなかなか出来がいいサービス

まずはジャイアンそのもののインプレッションの前に今回利用したオートシェアのサービスを紹介したいと思います。高山市においては5か所のステーションでクルマをレンタルすることができるのですが、驚いたことに全てのステーションは無人でした。免許証の画像と決済用のクレジットカードなど必要な項目を登録しておき、あとは予約時間を設定しておけば現地でクルマを利用することができます。

このサイトで割と簡単に登録ができます。貸し出しの手続きや乗り出すまでの捜査についても動画で説明がされていますので、一度見てみてください。予約のほうもPCでもスマホでも簡単なので、事前に登録しておいて現地で自分の時間に合わせて予約という感じでOKです。乗る直前の時間も指定できます。私は15時に予約サイトを利用して30分後の乗り出しで予約可能でした。

なお、利用料金は、15分:350円、3時間パック:3500円、6時間パック:6000円です。ガソリン満タン返しもないし追加の保険料も不要ですから、まあ妥当なところではないでしょうか。

無人のステーションに行って、車から電源のプラグを抜き取り、自分の免許証をカードリーダーにかざすと車のロックが解錠されるという仕組みです。

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こんな感じでかざすと、自動で利用が可能となる仕組みでした。自分の免許証にICチップが入っていることに初めて意味があると感じた瞬間で、ちょっと感動しました。

ちなみに返却の時はこの免許証リーダーがうまく反応しなくて、コールセンターに電話することになったのですが、なんとコールセンターからリモートで不具合の原因を見つけたり施錠や解錠ができたりするようで、万一の対応についても体験できて逆にラッキーでした。

調べてみると予約システムはKDDIが提供しているようなので、レベルが高いのは当然でした。

ジャイアンの乗り心地は(BIROとの比較)

ジャイアンだけどサイズはスネ夫

まずは、ジャイアンの大きさから。
私のBMW116と比べるとこんな感じです。2545×1290×1570㎜なので、ちょっとはみ出しますが普通の駐車スペースに横向きに止めれば二台駐車が可能な大きさです。名前はジャイアンですが大きさはスネ夫ぐらいといったところでしょうか。そして室内は男二人で乗るとこんな感じです。
ちなみに前回のBIROよりは少し大きいという感じです。(BIROは1740×1030×1565㎜なのでBIROは本当に小さいですね)
しつこいようですが、この車内で長澤まさみと二人きりになったら鼻血が出るかもしれません(笑)

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というわけで出発

BIROは一人乗りでしたがジャイアンは二人乗りということで、隣に友人の岡本君を乗せて市内へ出発!今回は市内を1時間ほどかけて一周り。ついでに高山観光もしてきました。ルートはこんな感じです。登坂能力を調べるために城山公園へ行ったり、片側二車線の国道にもトライしてきました。

コメント 2020-07-20 005024

最高速度の設定は45km/hとのことですが、頑張れば50km/hは出ます。国道も何とかいけますが。すいている時間だと追い抜いてもらわないとだめかもしれません。一般道の坂道程度では影響ありませんが、それなりに急な坂道では30km/hほどで限界でした。
クルマとは関係ありませんが、途中で『センター4バーガー』という人気のハンバーガーを食べてきました。飛騨牛バーガーは絶品なので高山に行ったら食べてみてください。休日は満員で入れないことが多いそうですが、残念ながら(私にとってはありがたかったけど)今回は並ばずに食べられました。

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運転のしやすさはジャイアンがリード

BIROとジャイアンの運転席のレイアウトを比較してみるとよくわかるように、BIROのほうはハンドルの角度が普通の自動車に比べて寝ています(バズやトラックのハンドルの角度に近いかもしれません)。BIROが左ハンドルであることを差し引いてもジャイアンのほうが運転しやすいと思います。
運転席が狭いのはどちらも同じなので足元が狭いのは共通。男の人は窮屈な感じです。
もう一点、BIROの座席は固定式ですが、ジャイアンは少しではありますがシートを前後にスライドできるのとリクライニングが可能です。フラットまで倒れるので車で昼寝する私にとってはかなり魅力的。

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ジャイアンはエアコンが装備されています!

BIROの最大の欠点の一つがエアコンがないこと。ジャイアンはエアコンだけでなくパワーウインドウも装備していました。エアコンの温度調整のスイッチが見当たりませんでしたが、とりあえず最低限の冷房は効きました。

でもやっぱいデザイン的には圧倒的にBIROが魅力的なんですよね。

ワクワクのBIROか実用性のジャイアン。悩みは尽きません。

問題の価格はどうだろう?

タジマモータースのサイトによるとジャイアンのお値段はこんな感じのようです。リチウム電池採用の小ロット製品なので決して高くはありませんが、この価格では軽自動車と勝負できないと思います。補助金によるサポートを入れて100万円を切るようなら、売れるんじゃないかと思うのですが。
それから、これを見る限りではむしろもう一台のトラックのほうが面白いような気もしてきたので。近いうちに今度はタジマモータースに行ってトラックにも乗ってこようと思います!

コメント 2020-07-20 013921

※サイトはこちら

なぜジャイアンという車名なのか?

以上のようにそこそこに魅力的な超小型電気自動車であるジャイアンですが、車名も含め不思議なクルマなんです。じつはジャイアンを本当に購入しようといろいろ調べるとタジマモータースではなくこちらのサイトにたどり着きます。

サイトをご覧になればわかるように車両はジャイアンそのものです。

ジャイアンとe-Appleの違いは、ジャイアンが二人乗りであるために軽自動車ナンバーであるのに対して、e-Appleは(わざわざ助手席を取り外して)一人乗りのミニカー登録であること。加えてe-Appleのほうは鉛バッテリー(約100万円?)とリチウムバッテリー(約120万円?)の二種類があるということです。

さらに言うとe-Appleは中国のJIAYUAN社が製造している車であり、それを自動車販売のアップルオートネットワーク株式会社が代理店販売しているようなのです。タジマモータースがジャイアンを自社製造しているわけではないと思われます。もしかしたら下請け生産や右ハンドルへの改造などの協力はしているのかもしれません。そこも調べてみようと思います。

つまりジャイアンとは中国の自動車メーカーの名前であるJIAYUANからとったものだったのです。

ちょっと残念、、、

これって日本の産業の危機だと思うのは私だけ?

こうしてみると、日本が電気自動車の分野においてさえ不確実性を抱えていることがわかります。断言はできないまでも私はそう思います。

出光興産という日本の一流企業がMaaSの分野で新しいサービスを展開するにあたって、そのツールを中国の車両に求めざるを得ないというのが現状です。さらにオートシェアサービスはあくまでも実証実験であり、高山市や飛騨市は道路運送車両の保安基準第 55 条第1項に基づく基準緩和認定制度を受けて市内の走行を可能にしていると思われます。したがってジャイアンは市内のみ走行可能なんです。

しかも、ジャイアンは軽自動車という位置づけで、全く同じものをe-Appleとして座席まで外してミニカーとして登録しなければならないという窮屈な法規制の中で、国内企業は魅力的な商品開発は可能でしょうか?私は難しいと思います。

超小型電気自動車はベンチャー企業にとって魅力的な分野であるはずですが、いまだ国内にこれといった商品はありません。いつか紹介しようと考えている川崎市にあるFOMM社の電気自動車は日本での発売を半ばあきらめて、タイでの生産販売に踏み切りました。その背景にはいわゆる大手メーカーしかクリアできないような基準や規制があるために商品開発が思うように進まないという”壁”があるようです。同様の悩みを富山にあるメーカーの社長から直接伺ったこともあります。

白物家電、液晶、半導体など次々に日本の産業は欧米やアジア諸国の後塵を拝してきました。若い人たちで国産メーカーのスマホを持っている人を見つけるのが困難なように、自動車の分野で同じことが10年後20年後に起きない保証はありません。ベンチャーによる多様な商品の開発を促し、芽が出そうなところを国が支援して世界を獲る。アメリカも中国もその他の国々もそうやって一歩先を行くために精を出しています。

超小型電気自動車を持続可能なローカルモビリティのツールにしようと進めば進むほどに、こうした危機感が頭をよぎります。
このことについてはあらためて別マガジンの高橋正浩の政治放談に書きます。

私にできることは、能登島を電気自動車の島にするために自らが乗り、たくさんの人に乗ってもらい、そしてパートナーを探すことです。どこまでできるかはわかりませんが、情熱をもって楽しく活動を続けていきます!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は石川県加賀市に行って、もう一度ツイジーに乗ってきます!お楽しみに~

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