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「BLOCK. FESTIVAL」が作るこれからのフェスとは 主催者☆Taku Takahashi独占インタビュー

世の中が新型コロナウイルス感染症で混乱し、緊急事態宣言が発令されて間もない4月18日(土)、ライブイベントは相次いで中止される中で「厳しい状況だからこそ、音楽の『楽しさ』を忘れないでほしい、またアーティストと音楽ファンがオンラインでエンターテインメントを共有し、「つながる」ことの新しい価値を見つけてもらいたい」という想いからオンライン音楽フェス「BLOCK.FESTIVAL」は開催されました

第1回目の開催から第3回目までの開催で延べ200万人もの音楽ファンが集い、日本最大級のオンラインフェスとして注目されています。

そんな「BLOCK.FESTIVAL」の主催者であり、アーティストとしても最前線で活躍する☆Taku Takahashi氏に、「BLOCK. FESTIVAL」開催の経緯やコロナ禍を経て変化する音楽の楽しみ方についてお話を伺いました。

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Licensed material used with permission by block.fm
☆Taku Takahashi
DJ、音楽プロデューサー。神奈川県横浜市出身。98年にVERBAL、LISAとm-floを結成。ソロとしても国内外のアーティストのプロデュースや、劇伴の制作を行う。2011年に自身が立ち上げた日本初のダンスミュージック専門インターネットラジオ「block.fm」は新たな音楽ムーブメントの起点となっている。 2020年4月から計3回開催されている「BLOCK. FESTIVAL」の主催者。

「今、アーティストとファンの間に壁を作ってはいけない。」どのようにしてBLOCK.FESTIVALは生まれたのか

どのような流れでBLOCK. FESTIVAL を開催されたのですか?

この2年間で日本の音楽シーンは一気に面白くなってきています。
新進気鋭のアーティストも昔から活躍してきたアーティストも含めて革命的に音楽が変わってきたタイミングで、他のアーティストとも「やっと日本の音楽が面白くなってきたな」と話していました。

しかし、このコロナ禍でイベントやライブの中止が相次ぎ、このままではせっかく盛り上がってきた音楽シーンが停滞しかねないと感じたんです。そこで、こんなに面白い時だから特に「今、アーティストとファンの間に壁を作ってはいけない」と強く思いました。

block.fmとしてアーティストが表現できる場、アーティストと音楽ファンが繋がれる場をなくしてはいけないと考え、「オンラインのフェスを作ろう」と思いたったのがきっかけです。

そこからの行動は早く、事態が深刻化し世間が混乱している最中の3月31日(火)に、具体的な目処はついていないけれど、まず「オンラインのフェスをする」と宣言してしまったんです。そうしたら、各方面から協力したいという声をいただき、BLOCK. FESTIVALが生まれました。

☆TakuTakahashi様語り画像

Photos by Grill

宣言されたのが3月31日(火)だと、BLOCK.FESTIVAL Vol.0はすごいスピードで準備されたんですね。

BLOCK.FESTIVAL Vol.0は4月18日(土)に開催したので、準備期間は2週間くらいでした。準備期間の短さだけでなく、外出自粛期間中の開催だったので、アーティストが自宅から自分で機材をセットして配信しなくてはいけなかったり、通信などのテクニカルな問題が出たりとハードな道のりでしたね。

リアルでは開催できない状況下で、どうやって「フェス感」を少しでも感じられるかを話し合いながら、フェスの実行委員メンバーでアイデアを出し合ってなんとか開催にこぎつけました。

BLOCK.FESTIVAL Vol.0は初開催にもかかわらず総視聴者は約48万人と大反響でしたが、手ごたえを感じた瞬間はありましたか?

開催中はバタバタで実感する間もなかったのですが、振り返ってみると視聴者の方々に喜んでいただけたのかなと感じられて嬉しかったです。
先例の少ないオンラインフェスをLINE LIVEでの配信で実現できたことには感謝と手ごたえを感じましたし、こんな状況の中で、視聴者の方々から「純粋に音楽を楽しむ時間をみんなで共有できて嬉しい」というコメントを沢山いただけたのは心に残っています。また、出演アーティストの方々からも「久々にパフォーマンスができて楽しかった」と言ってもらえました。

お家にいても、みんなで繋がろう

「STAY HOME, STAY CONNECTED」というスローガンを掲げていますが、どのような想いを込めていらっしゃるのでしょうか?

「STAY CONNECTED」という言葉が示すように、「つながり」を皆で作っていきたいという想いがあります。BLOCK.FESTIVALの生まれた時期は、コロナによって人に会えない状況が続いていたからこそ、「お家にいても、みんなで繋がろう」というメッセージを発信していました。

そしてBLOCK.FESTIVALによって、アーティストとファンはもちろんのこと、音楽好き同士の「つながり」を作っていきたいと考えていたのでVol.1からはLINEでのオープンチャット(ファン同士がコミュニケーションをとることができるLINEグループ)を作りました。

オープンチャット画像

Photos by Grill

コメントや、チャットを見て思うのですが、本当に平和なんですよね。こんなふうに平和に感想を言い合える環境なのは、参加してくれる人が純粋な音楽好きばかりだからでしょうね。

オンラインとオフラインは別物だと思うんです。

今回オンラインフェスを開催してみて、オフラインのフェスとの違いなど感じたでしょうか?

やはり、フェスは「お客さんがいて完成する」ものなので、オーディエンスの歓声などがあった方がパフォーマンスしていて気持ちが良いですね。なので、BLOCK.FESTIVALではそんな参加者からのレスポンスをオンラインで感じられるように、LINE LIVEの「応援アイテム(投げ銭)」という仕組みを活用しています。

ライブ中に「Tシャツアイテム」を投げると、限定のフェスTシャツが後日自宅に届いたり、Vol.2では「投げ花火」と称して、「花火アイテム」を投げると、配信画面で花火が打ち上がるだけでなく、「リアル花火」を打ち上げるなど、インタラクティブな体験を作るシステムになるよう工夫しました。

ただ開催してみて感じたのが、オンラインとオフラインのフェスの提供する体験は別物という事です。どうやってオンラインで疑似的にリアルのフェスを味わってもらうかを考えたりしたのですが、実際にオンラインで開催してみると参加者の方々がそれぞれ楽しみ方を工夫して、リアルなフェスとは違う楽しみ方をしてくれたように思います。例えば、家族でベランダに出て食べ物や飲み物と一緒にゆっくりBLOCK.FESTIVALを楽しむ、なんて楽しみ方も素敵でしたね。

配信画面

Photos by Grill

オンラインのフェスは、リアルのフェスとは違う新しい音楽の楽しみ方という事ですね。

そうですね。オンラインフェスという体験は、これからみんなで発展させていければと考えています。音楽を楽しめる環境は多いに越したことは無いので。しかし、オンラインフェスでは、リアルなイベントと同規模の設備が必要にも関わらずリアルなイベントよりもチケット代の相場が低く、マネタイズが難しいという問題があり、そこをどう解決していけるかが課題となっています。

BLOCK.FESTIVALでは視聴は無料でオリジナルのフェスTシャツといった応援アイテムを購入できるというシステムになっていますよね。

オンラインライブでのマネタイズを模索しつつ音楽ファンにも喜んでもらえる方法を考えて、「Tシャツの応援アイテムを投げると、後日自宅にリアルなTシャツが届く」というアイデアを取り入れました。

また、今後は有料でアーカイブを配信するなど新しいシステムを試していくことも考えています。アフターコロナでも恒常的にマネタイズでき、イベントを続けられる方法を探すことで、苦境に立たされているエンタメ業界に少しでも勇気を与えられたらと考えています。(BLOCK.FESTIVSL Vol.2のアーカイブが視聴可能となりました!詳細はこちら

現在、オフラインのイベントが徐々に解禁されつつありますが、今後BLOCK.FESTIVALがオフラインで開催される予定などはあるのでしょうか。

「本当に会える時が来たら、皆で作ったリアルなフェスで会おう」とホームページに書いている通り、オフラインでの開催も視野に入れています。ただ、オンラインで生まれたフェスなのでオンラインを無くすことはないと思います。

オフラインのフェスが解禁されたアフターコロナでは、音楽の楽しみ方はオン/オフラインのハイブリッドになっていくと予想していて、社会情勢に合わせたハイブリッドな選択肢を持っていくつもりです。

コロナ禍により、「BLOCK.FESTIVAL」のようなオンラインで音楽を楽しむという形も少しずつ浸透しています。ただし、音楽の楽しみ方が多様化することイコール豊かになる、ということではないと思っています。だから「この変化をどうやって意味のあるものにするのか」が、これからのエンタメが考えていくべきことだと思っています。

次回はハロウィンに開催!

BLOCK.FESTIVAL Vol.3 概要

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Licensed material used with permission by block.fm

アーティストと音楽ファンがつながるオンライン音楽フェス「BLOCK.FESTIVAL(ブロック フェスティバル)」4回目の開催となる「BLOCK.FESTIVAL Vol.3」を10月31日(土)ハロウィンに開催します。Vol.3は、オンラインと音楽で「つながるハロウィン」をテーマに、新しい「ハロウィン」の楽しみ方をお届けします。

配信日時: 2020年10月31日(土)
配信方法: LINE LIVE
料金  : 視聴無料
※応援アイテム(投げ銭)でBLOCK .FESTIVALの出演アーティストを応援できます
公式サイト : https://blockfes.com/
【出演アーティスト_第1弾】 ※50音順
Awich
おかもとえみ
JP THE WAVY
showmore
野宮真貴
PUSHIM with HOME GROWN
and more・・・
【NAVIGATOR】
☆Taku Takahashi(m-flo)
三原勇希

新しい音楽の楽しみ方を体感できる「BLOCK.FESTIVAL Vol.3」に是非参加してみてください!

Grill・Gunosy・サニーサイドアップの3社合同プロジェクト#コロナアクションチャンネルは、この企画を応援しています。
公式ホームページは下記に記載しておりますので是非、覗いてみてください。

公式サイト: BLOCK.FESTIVAL
https://blockfes.com/

取材・文:Grill
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