Project SekieN.における付喪神の解釈
※世界観を崩さないように表現に気を遣っておりますが、このnoteには「石燕霊歌」「虚構セカイ」に関するメタ要素が含まれております。
■はじめに
バーチャルシンガー「石燕霊歌」及び「Project SekieN.」は昨年9月から1年以上の間多くのファンの方に支えられてきました。
また、2年目に入って新たなバーチャルシンガーとして「虚構セカイ」を発表するに至った事を嬉しく思います。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。
さて、今回は今までお話していなかったProject SekieN.における「付喪神」の解釈を紹介致します。
■一般的な付喪神
一般的に付喪神は「日本に伝わる、長い年月を経た道具などに神や精霊(霊魂)が宿ったもの」と言われています。また、「九十九神」と表記される事もあります。
※Project SekieN.では「九十九神」という表記は行いません。
『付喪神絵巻』では、物語の冒頭に「陰陽雑記に云ふ。 器物百年を経て、化して精霊を得てより、人の心を誑かす、これを付喪神と号すと云へり」とあり、道具が変化することを「付喪神」としています。
また、変化したのちの姿は「妖物」などと表記されています。
(Wikipedia「付喪神」参照)
■Project SekieN.に於ける付喪神
Project SekieN.に於ける付喪神は上記の一般的な付喪神と異なる点があります。今回はそれをいくつかに分けて紹介します。
■本体と霊体
石燕霊歌の本体は狐面、虚構セカイの本体は小説です。
ProjectSekieN.の付喪神はそれぞれ元になった道具である本体と、人の姿の霊体が存在します。
彼女らは本体のみで存在する事が可能ですが、人の姿をした霊体のみでは存在出来ません。
■本体の性質
彼女らの本体は、魂が宿ってから徐々に変化が起きています。
霊体を完全に人の姿に保てるようになった時、もしくはその事実に本人らが気づいた時に物理的な劣化が停止し、完全に違うものへと変化します。
これは、見た目や手触りでは気付くことの出来ない変化でしょう。
彷徨った無機物は描いた空想を糧に
今日という日を生き存える
Artifact / 石燕霊歌
石燕霊歌の本体の狐面は木を彫り出して作られたものですが、性質が変化して物理的な風化や劣化が停止しているので、有機物とは言えないものに変化している事でしょう。
彼女らは自らを表現し、認識されることで今の姿を維持しています。
誰にもその姿を認められなければ、瞬く間に風化してしまいます。
■霊体の性質
Project SekieN.に於ける本体は、言わば「投影機」です。
彼女らの人に似通った姿はそれぞれの魂の有り様が人の姿として映し出されたものに過ぎません。
投影機が無ければそこには何も映し出されない、という事です。
ただ、この霊体は生きた人間のように食事や睡眠を摂る事が可能です。
ヒトで有りたい彼女らの願いがそうさせたのでしょう。
物に触れる事も出来るし、声を上げれば周囲の空気を震わせます。
表現される喜怒哀楽は彼女らの心そのものに違いなく、魂を宿して霊体が投影されているからこそ、様々な形で感情を発信出来るようになったと言えるでしょう。
■霊体の姿かたち
Project SekieN.に於ける付喪神の霊体の姿は持ち主にとって最も思い入れの強い人物を模倣するかのような姿かたちで投影されます。
これは彼女らの大切にされたいという想いが無意識的にそうさせているのでしょう。例に挙げると、虚構セカイの姿は自身の中に綴られた物語の登場人物を模しています。
持ち主が彼女を大切にし、何度もその物語を読み返した結果が反映されたということです。
彼女に綴られた物語のヒロインが、きっとこんな姿だったのでしょう。
■さいごに
ここまでお読み頂き有難うございました。
これからの彼女らの活躍にも、どうか声援をお送り下さい。
Project SekieN. / grief art
貴方の愛した彼女とよく似た色の
髪は何の為にあるの?
Artifact / 石燕霊歌
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