京都の夏は鱧と祇園祭なんだけど、意外に知られていないこと
「今年はなんだか涼しいな」なんて言ってる内に祇園祭が始まり、やっぱり京都は今年もとんでもなく蒸し暑くなってます。四条通でコンチキチン♪と聞こえ始め、鉾立がはじまると京都の町はソワソワしてきます。ちなみに、7月1日から31日までのひと月間がず〜っと「祇園祭」であることを皆さんご存知でしょうか?7月16日の宵山、17日の鉾巡航辺りだけがお祭りと思っている方も多いと思います。今年は3連休(もう今週末だ)がちょうど宵々山、宵山、鉾巡航(前祭)と重なるので、ものすごい人出が予想されます。僕は毎年この三ヶ日はできるだけ町に出ないことにしています。暑いし、人多いし、もの高いしw
さて、このブログを毎週更新すると年始に決めていながら、前回の更新から早5ヶ月になろうとしています。昨年や一昨年はどんな記事を投稿したのか少し遡ったところ、やはりこの時期は「祇園祭」ネタを書いていました。昨年は他のブログやコラムで少し祇園祭について書いたので、自分のブログではお休みしてしまったようです。
二年前の2015年の祇園祭辺りの投稿は、「台風と祇園祭」というタイトルなのですが、今年もやはり祇園祭の前に台風が到来、集中的な豪雨による被害が九州では特に酷くなっているようです。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、行方不明者が見つかり、一刻も早く復興することを願います。
そもそも祇園祭は、約1200年程前に清和天皇の御代に京都に疫病が蔓延し災害が続くことから、それらを鎮めるために牛頭天王(ごずてんのう、素盞鳴命ともいわれる)を祀り病魔退散を祈ったとされています。僕がこのことを知ったのは高校生の時で、認識はしたけれどまだそれがどういうことなのかはピンときていませんでしたが、阪神淡路大震災、東日本大震災と経験するうちに、祇園祭を「お祭り」としての少し浮かれた気分と祈りとしての真摯な気持ちが相半ばするようになりました。特に災害の多い年は祈る気持ちの方が大きいのですが、それでも高校生の頃は、彼女を誘って宵山に出かけるのが楽しみというか、宵山に彼女がいるかどうかが最重要課題だったりしました。
1200年近く続く祭りですから、一番最初の頃とは随分違っていることだろうと思います。鉾や山の數、その形やデザイン、装飾品、祭りの仕来り、そして京都の町そのものまで今とは違ったはずです。しかし、どんなに形や見た目は変わろうとも、その根本にある自然(神)への畏怖と復興の祈り、健康と繁栄の気持ちは変わっていないということです。凄いことだと思いませんか?これらは人から人へ伝えられ、親から子、そして孫の代と受け継がれてきたからこそ、今も続いているんですね。そういうことを考えると、やっぱり「人」が大切なんだなぁと改めて思います。祇園祭自体、何度も中止になったり、再興したりを繰り返しているそうですが、このままもあと1200年、いやもっと続いて欲しいと思います。
「デザインの余白」らしく、祇園祭のデザインに関する情報を少し。
祇園祭の期間中は「胡瓜(きゅうり)」を食べてはいけないとされています。それは以前も書きましたが、祇園祭は祇園社=八坂神社のお祭りであり、その神紋の図案が胡瓜の切り口に似ているからという理由です。これはあまりにも有名な話なので、知っている方も多いと思いますが、不思議な事に祇園祭の時に出る屋台のお店には胡瓜の一本漬けが売られて、結構な人気なのです(笑
この「神紋」以外にも33基(前祭:23基・後祭:10基)ある山鉾には、それぞれの紋があります。漢字を図案化したものから山や鉾をシンボル化したものなど様々です。鉾や山自体のデザインや装飾も大変素晴らしいものがありますが、それぞれの紋にも注目していただければと思います。御朱印的に判子を押してもらって集めるのも良いかも知れませんね。
最後に、実は山鉾巡行はお祭りの露払い的な行事で、本命は神幸祭・還幸祭という神輿を担ぐ祭りということをご存知でしょうか。祇園祭は華やかで静かなお祭りのイメージがあると思いますが、この雅な京都にも激しく荒々しい神輿があるのです。鉾巡航の後、夕方から神輿が担ぎ出され、そこからが法被を着た京都の男たちの暑い夜が始まります。折角なので、鉾巡航を見て帰るのではなく、この神輿(3基あります)もぜひ見てください。まぁ、暑い。そして厳ついですw
祇園祭については、こちらが分かりやすいです。
◯「祇園祭」京都市観光協会
◯「祇園祭特集 2017」KYOTO design