見出し画像

ギタリストの音作りと葛藤

こんにちは。

皆さん、日頃の音作りには、さぞ苦悶されていることと思います。
僕も3つほどバンドを掛け持ちしており、いずれもリードギターとして日々精進しておりますが・・・

音作りとか、もう疲れたんよ。


ビンテージのギター、たっけぇアンプ、
ブティック系のエフェクター達。
たくさんのお金をかけて、スタジオで一生懸命に調整して、ライブで満を持して披露して
返ってくる言葉は

「最後のバンドのベースがかっこ良かった」

です。

お金と評価は比例しない。
頭で分かっていても、その手にある機材を信じて音を作り、愚直に技術とパフォーマンスを磨くしかない私たちの姿は
まさにブルースに唄われる馬鹿な男といったところでしょうか。

さて、前置きが長くなりました。
今回は私なりの音作りに関する考え方を述べたいと思います。
音作りのやり方、ツマミの意味などは他の方が散々解説してくださっているので、
それとは違うアプローチに関する話を出来たらと思います。

①自分のギターの特徴を知ろう

まず何よりも、あなたが持つギターはどんな音が得意なのでしょうか?
クリーンで出した時、ハイ、ミドル、ロー、どの音が強い?
歪みの乗りは良い方?悪い方?
そのギターを使っているアーティストはいる?
その人のセッティングは?

ギターと1口に言っても、木材により、メーカーにより、種類により、個体により、乾燥により
音は違ってくるものです。
あなたが愛するギターのことを、もっとよく知ること。
まずはそこからではないでしょうか。

私はGRETSCHのナッシュビルを愛用していますが、このギターはセミアコなだけあり、ローが強く出ます。
そのため、ライブハウスなどでローがよく回る場所だと、アンプの「BASS」を全切りすることもしばしばあります。
まあ、これはバンドサウンドとの兼ね合いもあるのですが、割愛。

「僕のギターはローがよく出る」
これだけの情報でも、役立つ場面は必ずあります。
あなたのギターも、得意なところ、苦手なところを探して、活かしてあげて欲しいと思います。


②アンプに関する考え方

自分のギターに合ったアンプを鳴らした時の興奮は、それはもうたまらないものがあります。
更に言えば、マイアンプを持つことはギタリストとしての憧れですよね。
音作りの観点からしても、いつも同じセッティングでライブに挑める体制を作ることは大切でしょう。

そんな私は、

ライブハウス備え付けのマーシャルを使ってます。

これには2つの理由があります。
一つは、どんなアンプでも「自分の音」に調整して出すことができるよう修行している、というもの。
もう一つはお金がないの。

前者の考え方は、とても大事だと思っています。
当然ですが、ギターを弾く環境は一定ではありません。
ライブハウスの規模やお客さんの入り、野外であれば温度と湿度も関わってきます。
大きいライブハウスであればスピーカーを通すことになるので、PAさんとの連携も必要になってきます。
マイアンプで「いつもの設定」にしたとて、いつもの音になるとは限らないのです。

で、あるならば
どんなアンプでも、細かい調整は必要になるということですよね。
それはつまり、備え付けのアンプで思い描く音に近づけていく作業とさほど違いはないのでは?

じゃあマイアンプいらなくない?

と、いうのは僕の個人的な意見ですので
あまり真に受けず、己のアンプ道を貫いて行ってください…

ちなみに、僕はライブハウスに高確率で置いてあるマーシャルが大好きなので
今のスタイルの方が都合がいい、というのもあります。
逆にJCはめちゃくちゃ苦手です。
なんで皆あのアンプを使いたがるんだ。


③いかに自分の好みを殺せるか

あまり楽しくなさそうな話題ですが、これがタイトルの「葛藤」に絡む項目となります。

私たちギタリストが追い求める、最高にご機嫌な音というのは
個人差はありますが、概ね「バンドサウンドには合わない音」です。

バンドサウンドにおける音作りの考え方として、
「ボーカルの声が基準になる」というのが恐らくポピュラーな考え方じゃないかなと思います。
ある程度出す帯域が決まっているドラム、ベースと比べて
トーンやフレーズで帯域や表情を大きく変えられるギターの役割は

ボーカルと被っていない帯域をカバーする

に尽きると思います。

これが往々にして、私たちが出したい音とは違うのです。
弾きたいフレーズと違うのです。
しかし、それを耐えて弾く必要があるのです。
だって私/あなたはバンドの一員なのだから。
真摯にバンドと向き合っていれば、自然と出すべき音、弾くべきフレーズは分かってきます。

バンドの演奏が褒められることは、自分の選択が正しいことを意味します。
もし自分だけが褒められたとしたら、それは独りよがりな演奏をしていたと同義だと私は思います。

それでも「目立ちたい!褒められたい!」と思うギターヒーローなあなた。

その欲求は正しい。

なので、


いいギターソロをひたむきに作りましょうね。


以上、また今度!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?