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Gregtech6 原子炉取扱説明書 和訳

本記事は自分用も兼ねて、公式で発表されている原子炉の取り扱い説明書を単に和訳したものになります。翻訳ミスの他、筆者がまだ原子炉建設に取り掛かれていないことによる解釈ミスが数多存在すると思います。そのため、ミスが存在することも容赦して頂きたいとともに、ご指摘して頂ければと思います。

1 原子炉概要

Gregtech6 には 、1つのロッドを刺せるものと、4つ(2×2)のロッドを刺せるものの2種類のReactor Block (以下 原子炉ブロックと呼ぶ) が存在する。原子炉は最終的に、原子炉ブロックを最低1つ含んだマルチブロック構造となる。
※1×1 サイズ原子炉ブロックは少なくとも Ver.6.15.00ではレシピが存在しない。

原子炉ブロックは、原子炉の運転に必要なCoolant (以下 冷却材)を貯めるタンクを内蔵している。原子炉が稼働すると、冷却材は熱せられてHeatant (以下 熱流体)となる。熱流体は、一定量は原子炉ブロックの2番目の内蔵タンクに貯められる (2×2の原子炉ブロックで 64,000 mB分)。
冷却材は原子炉ブロックのどの面からも搬入することが出来る。そして冷却材容量が内部ストレージの半分(=32,000 mB)を超えると、自動で原子炉ブロックの青い面から冷却材が搬出される。この搬出面はモンキーレンチで変更できる。対して、熱流体を放出する赤い面はレンチで設定できる。

2×2 原子炉ブロック。右の赤い面が熱流体搬出面、左側の青い面が冷却材搬出面

原子炉ブロックにロッドを設置するためにはPincersが必要である。また、これを用いれば設置したロッドを取り除くこともできる。
原子炉ブロックに差し込まれたロッドは、ロッド同士で相互作用しながらNeutron (以下 中性子)を放出する。基本的に、中性子は 1 HU/neutron の割合で冷却材を熱流体に変換する。同時に、生成した中性子の数に応じて原子炉ブロック周辺は汚染される。従って、Radiation Hazard Suitsを着用することを推奨する。
なお、中性子の数はGeiger Counter(ガイガーカウンター)によって測定することができる。これには手持ち式と、原子炉ブロックに取り付けるタイプの2種類が存在する。原子炉ブロックに取り付けるタイプの場合、レッドストーン信号を発信させることもできる。

冷却材がない状態で原子炉を運転した場合、或いは、原子炉ブロック内の熱流体タンクが満タンの状態で運転を続けた場合、原子炉は崩壊する。幸い、中性子の生成、すなわち熱の生成は、原子炉を停止することで直ちに終了する。
原子炉はソフトハンマーで叩くことで運転を停止/開始できる。また、レッドストーンマシンスイッチを張り付けることで、レッドストーンを用いての運転状況管理も可能になる。2×2の原子炉ブロックならば、セレクターカバーを用いて各ロッドを個別に制御することも可能である。

原子炉ブロックの上面と下面からロッドの自動搬入出が可能である。しかし、これが行えるのは原子炉が完全に停止しているときだけであるから、完全自動化を果たすには相当量のレッドストーンとExtender Blockを要するだろう。

2. The Control Rods (制御棒)

Control Rod (以下 制御棒)自身は中性子を放出しないが、原子炉をコントロールや燃料効率の向上に役立つ。制御棒には以下の3種類が存在する。

・Absorber Rod
中性子がここに来た場合、2 HU/neutron と普段の倍の熱を放出する。これにより、各燃料棒に設定された最大値に達した場合でも原子炉の効率を上げることが出来る。

・Reflector Rod
Reflector Rodは、ここにきた中性子をそのまま放出したロッドに戻す働きを持つ。この放出した中性子を燃料棒に戻す作用によって、燃料棒の中性子出力を向上できる。

・Moderator Rod
Moderator Rodは、ここに来た中性子に、隣接する稼働中の燃料棒の数だけ乗じた分、中性子を反射する性質を持つ。つまり、このロッドが3つの稼働中の燃料棒と接しているならば、中性子は受け取った数の3倍反射することとなる。
このロッドの重要な点として、中性子の反応乗数(=稼働中の燃料棒と何本接しているかのカウント)の換算には一秒のタイムラグが存在することが挙げられる。これは、レッドストーン動作によって1つの燃料棒だけを停止させた場合であっても、Moderator Rodは一度、停止した燃料棒も動作中とみなして反応乗数をカウントすることを意味する。

3. The Fuel Rods(燃料棒)

Fuel Rods(燃料棒)は中性子を放出するロッドであり、原子炉を運用する上で最も重要なロッドとなる。なお、中性子の放出量は毎秒計算され、その度に放出数は0に戻る。
燃料棒毎に中性子放出数などは設定されていて、それらはマイクラ内のツールチップで確認できる。以下に、そこで表示される要素について説明する

  1. Self Stat は、一秒おきに燃料棒自身が受け取る中性子の数を表す。

  2. Emission Stat は、自身から4方に隣接する燃料棒/制御棒に対して、一秒おきに放出する中性子の数を表す。ただしこの値は、燃料棒中のSelf Stat以外の中性子要素は参照しない、燃料棒に固有な値となる。

  3. Factor Stat は、隣接するRodから中性子を受け取る場合、Emission Statに加えてどれだけ追加で中性子を放出するかを決める値である。

  4. Maximum Stat は、燃料棒の耐久損失ペナルティを受けることなく、燃料棒が1秒間に放出できる最大の中性子数を表す。

なお、これらの値は同じ燃料棒であっても冷却材の種類によって変動する。燃料棒の中性子出力 (=冷却材を加熱する能力) は、Self Stat (以下 Self) + 4×En (real neutron emission, 実中性子放出量)となる。以下に実中性子放出量の計算式を記す。

燃料棒が放出する中性子数の計算式

要するに、燃料棒の中性子数が多い程、そして Factor (以下 ファクター)が大きい程、たくさん中性子が得られるということである。この式より、中性子を反射させたり、燃料棒同士を隣接して設置させた方が効率が上がるとわかる。
ただし、これは実中性子放出量にファクターを乗じたものが1以上でない限り、無限には続かない。逆に言えば、1/4以下のファクターである燃料棒を4つのReflector Rodで囲んだ場合、次の式のように無限に中性子が増加することを意味する。

超臨界状態に達する燃料棒における中性子の計算式

これが原子炉で生じた場合、原子炉は超臨界と呼ばれる状態になる。このとき炉からは多くの電力を得られるが、放置すればいずれ原子炉のメルトダウンに繋がる。従って、レッドストーンによる制御などが必須となる

手前2つの原子炉が稼働している状態
手前の一番左だけが稼働している状態。
上の画像より一番左の炉の中性子が減っていることがわかる。
これより、中性子は隣の原子炉ブロック内のRodにも影響を与えることが読み取れる。

4. 効率

燃料棒は永遠に同じものを使えるわけではなく、いずれ燃料が無くなった燃料棒となる。燃料がどれほど残っているかは、ツールチップにて分単位で表示される。ほとんどの燃料棒は実時間で数日稼働させ続けられるが、以下のような要因により寿命が低下する。

  1. 燃料棒の中性子出力 (=Self + 4×En )が燃料棒の Maximum Statを超えると、燃料棒は出力に比例して4倍速く耐久が減る

  2. 燃料棒がモデレートされている場合 (6.モデレートを参照)、4倍の速さで耐久が減少する

これより、燃料棒の効率を表す耐久当たりの中性子放出量は、最大(Maximum Stat)に等しい中性子出力で最大となり、最大を超えると1/4になる。つまり、可能な限り最大を超えることなく、最大に等しい中性子出力を維持することが望ましい。ただし、安定性が高い場合、平均出力(=効率)を上がるだけでなく、Absorber Rodによって効率的に中性子をHUに変えることもできる(5. 安定性 参照)。

5. 安定性

ここでの安定性とは、平均中性子出力と超臨界原子炉における燃料棒のMaximum Stat との差を表す。

制御されていない超臨界炉は、中性子出力はいずれMaximum Statを超える。ただし、ここでの制御は炉を停止することではなく、一部のRod (主にReflector Rod)を停止することを意味する。
制御を施すことによって、Reflector Rodは中性子を反射しなくなり、燃料棒中の中性子数が激減する。これによって原子炉は超臨界状態から脱することになる。その後Reflector Rodを稼働することで、燃料棒は再びMaximum Statに向けて中性子数を伸ばしてゆく。この時、平均中性子出力は、制御された原子炉における最大中性子数と最小中性子数のほぼ中央の値をとる。

以上のこと考えると、4つのReflector Rodに囲まれたファクター1/4の燃料棒の安定性、つまり超臨界状態になり得る燃料棒の効率は、Maximum Statの約1/8になる。これは、1つのReflector Rod を無効にすると、おおよそ中性子出力の1/4が失われることを意味する。

Reflector Rodの代わりにModerater Rodを用いることで、より安定して効率的な原子炉を作れるだろう。ファクター1/16の燃料棒が、すべての側面が燃料棒に隣接したModerater Rodに囲まれると、中性子を16回反射するが、これらの燃料棒のうちの1つを無効にするだけで、超臨界状態から脱することが出来る。つまり、中性子出力の約1/16を失うだけで、燃料棒の最大値の約1/32の効率が得られる。

6. 減速剤の効果(Moderation)

水系の冷却材(蒸留水、半重水、重水、トリチウム水)で燃料棒を冷却する場合、或いは、燃料棒がModerater Rodか、それによってモデレートされた燃料棒に隣接した場合、燃料棒はモデレートされる
モデレートされた燃料棒は、そうでないものに比べて4倍速く耐久を消費し、かつ増殖 (7. Breeder Rods参照)に用いられなくなる

7. The Breeder Rods (増殖炉)

Breeder Rod (以下 ブリーダーロッド)は、1 tickごとに放出される中性子を吸収して、徐々に別の材料(多くの場合より優れた燃料棒)へと変化する。
なお、ブリーダーロッドにて燃料の変換を行っている場合、ブリーダーロッド中の中性子は普段の半分のHUしか生じない。

ブリーダーロッドを以て燃料棒にする場合、中性子数は多ければ多いほどよい。実際、中性子数の数に対して指数関数的に大きな進捗が得られる。

ブリーダーロッドでの中性子数の増殖式

このロッドが燃料棒に変わると、当然ここからも中性子が放出される。これを以て増殖終了を検知することもできる。

8. 冷却材

GT6には多くの冷却材があり、それぞれに短所・長所が存在する。以下に各冷却材の特徴を記す。

a. Industrial Coolant

他の冷却材と異なり、完全に架空の冷却材となる。熱容量は中程度。
この冷却材は、水ベースの冷却材に比べて、燃料棒のファクターを半分に抑えつつ、Self と Emission Statの値を4倍にする特徴がある。これにより、Moderater Rod 無しでは超臨界状態は実現できなくなるが、安定で操作しやすい、亜臨界状態の原子炉の実現が可能となる

b. Distilled Water(沸騰水型炉)

何より大きな特徴は、熱交換機で処理することなく、直接原子炉から蒸気を得られることである。しかしながら、蒸気の熱容量は良いものとは言えず、更に生成した上記の一部はタービンで完全に消費するため、冷却材の循環による永久稼働ができない。

これを冷却材に用いた場合の Self stat等の燃料棒特性はかなり良好な値となる。しかし、何よりの欠点として、すべての燃料棒がモデレートされる(=寿命が1/4になる)ことがある。だが、裏を返せばModerater Rodの欠点を気にすることなく同ロッドを用いることができる、ともいえる。

c. Presurrized Water(加圧水型炉)

半重水、重水、トリチウム水はこれに部類される。蒸留水と異なり、中性子によって熱せられても蒸気にならず、熱い半重水、熱い重水、熱いトリチウム水となる。これ以外の点では蒸留水と同じ特徴を持つ。

これは、他の冷却材に比べて熱容量が大きいという特徴がある。熱容量は、流体が重い程より大きなものとなる。

d. Liquid Metal Coolant 

液体ナトリウム及び液体スズがこれに属する。熱容量に優れ、各Stat 値も水ベースの冷却材と変わらない。そして、燃料棒をモデレートすることもない。しかしながら、中性子あたりの発熱量 (HU)数が少なく、発電用の冷却材には向かない (HU出力はスズなら1/3に、ナトリウムなら1/6になる)。

この特徴は、ブリーダーロッドを用いた増殖炉の構築の際、非常に優れたものとなる。これは、管理可能な熱量の生成を維持しつつ、多くの中性子を放出でき、増殖炉の効率を向上させられる。

e. Gas Coolant

二酸化炭素、ヘリウムが該当する。これらは平均的か、それより少し優れた熱容量をもつ熱流体になる。これらは燃料棒をモデレートしないため、非常に効率的な、高いファクターを持つ超臨界発電用原子炉の設計に向いている。

二酸化炭素は燃料棒のファクターを上げ、ヘリウムはファクターを下げる働きを持つ。このため、二酸化炭素は、増殖炉に使用する場合や、超臨界状態の原子炉でAbsorber Rodを用いる場合、効率がより上昇する。
ヘリウムはファクターの大きな燃料棒を用いる際、そのファクターやStatを下げて、安定的に原子炉を運用することに役立つ (5.安定性 参照)。

f. Molten Salt

溶融塩化リチウムがこれに該当する。最も熱容量が小さく、かつ燃料棒のStat値を半分に低下させる特徴を持つ。しかし、Maximum Stat を25%上昇させる特徴も有するため、原子炉の最大効率を上げることもできるだろう。

g. Molten Thorium Salt

溶融トリウム塩は冷却材の中でも特殊なものであり、これは中性子によって熱せられてもほぼ熱流体にならない。加熱によってトリウムは消費され、溶融トリウム塩10,000 HUあたり1 mB/Lの溶融塩化リチウムが帰ってくる。

大きな特徴として、燃料棒のMaximum Statを4倍にする点が挙げられる。ただし、この冷却材を用いた原子炉から電力を得るには、隣接する原子炉から別の冷却材を得る必要がある。つまりこの原子炉は、異なる冷却材を用いた複数の原子炉ブロックからなる大型の原子炉となる。

以上です。原子炉の運転を実施できるようになり、様々な様式の原子炉を運転し始め次第、個人的な冷却材の良し悪しを書いた感想ブログも書こうと思います。
皆様の査読、ご意見等、お待ちしております。ただし、筆者が執筆時点(2022/05/04)ではまだGT6式原子炉に明るくないため、ご質問には答えられないかもしれません。

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