見出し画像

薬価とエンシュア・H(薄い知識で感覚で述べる)

※全て個人の見解です。

売れば売るほど損をする、なんてこと、あるんですかね。

ご存知かと思いますが、薬の値段、「薬価」はメーカーが自由に決められるのではなく、国(厚生労働省)によって定められています。

この度、「エンシュア・リキッド コーヒー味」が販売中止になるそうです。他の2種類の味、バニラ味、ストロベリー味は今のところ販売継続とのこと。

https://dam.abbott.com/ja-jp/our-products/ani/20220215.pdf


コーヒー味の代替として、ハイカロリーの「エンシュア・H コーヒー味」が挙げられています。エンシュア・リキッドが1kcal/mL(1缶250kcal)に対し、エンシュア・Hが1.5kcal/mL(1缶375kcal)で、HはおそらくHighのHなんだと思います。1缶からより高いカロリーを摂取できるというわけです。

なぜ、コーヒー味が販売中止になるのか。おそらくコーヒー味が最も好まれている(売れている、処方されている)のだと思います。エンシュア・リキッドは1缶250mLで換算すると、147.5円、これに対しエンシュア・Hは235円。エンシュアを服用すると想定されている高齢者に好みのコーヒー味にしたとメーカーは言っています。

エンシュアは大層なスチール缶に入っておりまして、輸送コスト等がかかるとか。冒頭の少々乱暴な言い方、「売れば売るほど損をする」に近い状況なのだと推察します。一番売れ筋のコーヒー味を販売中止することでコスト問題を解消したいという思惑が見え隠れします。(私見)

これと同じような例として私が思うのが「カマグ問題」。いや、私しか言っていませんが。いろいろメーカーはありますが、一例として某社の酸化マグネシウムは、1g換算でいうと1.54円。元々、安い薬を問屋から買っても、安いだけ。薬の世界でこんなことを言ってはいけませんが、私の推察するところ、仕入れ値も売り値も低く、薬を提供する立場としても「売れば売るほど損をする」と言うか「売っても売っても得がない」状況に陥るのです。

新たに(と言っても随分前に)登場したのが「酸化マグネシウム83%」。原末だとザラザラして飲みにくいので、飲みやすいように製剤の工夫(添加物による賦形)をしたとの触れ込みです。こちら、83%1gで9.8円です。原末の6倍の値段がついています。83%?半端な…わかりにくい…この数字って何だ?と思ったら、5/6のことなんですね。5÷6=0.8333・・・・
5/6に薬効成分が入っているというわけです。ですから、今まで原末のマグネシウムを1g飲んでいる人がいたら、酸化マグネシウム83%で同じ量のマグネシウムを服用するためには、1×(6/5)=1.2g必要ということになります。この辺は数字遊びで、頭が混乱するところなので、気にしなくてもいいですが。こちらも、売っても得をしない状況を打破するために立てられた対策に思えてきます。(私見)

さて、話は大きく逸れました。この度、エンシュア・Hの各味を試飲する機会がありました。みんなで紙コップに少しずつ取って味比べ。抹茶、ストロベリー、メロン、黒糖、バニラ、バナナ味をそれぞれ飲ませてもらいました。着色されてなくて香料のみで味付けしてあるので、イメージが湧きにくいです。冷やすと味の印象がガラッと変わるのも不思議な体験でした。そして、人によって好みがそれぞれだなぁ、と実感しました。他の人がおいしいと言っている味が、自分にはそうでもなかったり、その逆もあったり。全体的には抹茶味が人気でしたが、抹茶好きの私は、そうでもありませんでした。常温だと「たくさんは飲めないな」と思ったバニラ味を冷やしたらソフトクリームのような味でおいしいと感じました。これも他の人にとってはそうでもないという結果でした。たくさん味の種類があれば好みに合わせて選べる長所がありますが、どこの施設も無限に採用、購入できるわけではないので、頭の悩ませどころかも知れません。

試飲するために、少量ずつですが、短時間にたくさん飲んだため、その後胃がもたれて大変でした。消化器に負担をかけないよう、個人に合った速度で服用すべきです。経口摂取困難な高齢者の栄養補給が想定されていますが、飲むのも一苦労です。いい経験になりました。

写真はいつかどこかのお店のデザート。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?