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不毛な論争〜きっかけは庭の花の投稿〜

Instagramでプロ野球選手の写真を投稿している人は、たいてい、転載禁止の意味も込めて、著作権のロゴを入れているようだ。

ロゴがないと、画像が勝手に保存され、その画像を利用して商品化されるなんていう悪質な場合もあるとどこかの記事に書いてあった気がする。

だが、まだ修行の身の私はあえてロゴを使っていない。盗用したくなるほどのいい写真を撮れたのか、とうれしい気持ちになりそうなのだ。

しかし…。先日、関係先の花をInstagramに投稿したら、ほぼ同時にタイムラインに「ははぁー。とてもよく似た花が世の中にあるものだな。」と一瞬止まるほどの投稿が出て来て驚いた。

で、よく見ると、関係先そのものだったというわけだ。は?知らない間に入って撮影した訳?この件に関しては、いい気はしない。

「それって、関係先じゃん…」とコメントにてジャブを打った。
「そうなんですか?」と明るい返信。その後、「嫌な思いをされているなら削除するので言ってくださいね!」

いや、「嫌な思いをしているから、ジャブを打っているんだろうが。こっちが嫌です、って言わなければ削除しないのかよ」と内心ブチギレ。そのまま知らんぷりしている。

でも、関係者当人が、冒頭のプロ野球選手の写真投稿に関する私の気持ちと似ているのか、「投稿されてもいいよ」と言っているから、振り上げた拳を下ろした。いや、コメントする前にまず当人に確認するべきだったな、と後から思う。

実際、他人の庭先の花を撮影、投稿すること自体は犯罪には当たらないようだ。しかし、私自身は可能なら許可を得るのがマナーのような気がする。私自身は知らない間に自分の花として他人に撮影、投稿されるのは嫌だ。私自身は公共の場所、関係先、そして他人の敷地内のものを撮影することはまずないが、メジロ撮影の時には所有者に一応許可を得た。

私の血気盛んな行動を見ていた夫が、不快に思ったのか、投稿者に対してではなく、私に対して論点ズレズレのジャブを打ってきた。SNSを全くしない夫は、民法や境界、土地所有権などの言葉を持ち出し、意味不明の論点から私を批判をしてきた。

幸い、娘が私の後押しをしてくれたので助かった。家の中で3対1の不毛な大論争が沸き起こり、殺伐とした重苦しい空気でいっぱいになった。それもこれも、元はと言えば、他人の庭の写真を投稿したあの人がいたからだ。

土地の所有権で言えば、うちに生えた雑草がはみ出て、お隣さんにご迷惑をかけているのでは、とちょうど気になっていた。草抜きは横着な私には大嫌いな作業だが、やり始めると黙々と無の世界に入り込めて夢中になる。

「ごめんなさいね、はみ出て。」と声をかけると、「いやいや、全然いいっすよ。うちもボーボーなんで。」そう言ってくれて傷ついた心が少し癒える。

最後の仕上げでボーボーになったミントとアイビー(元はフラワーアレンジメントに入っていた1本のアイビーと、外食のアイスに乗っかっていた1枚のミントの葉だった)の手入れをしていると、不意に○○さーん、と声をかけられた。優しい、優しいご近所さんだ。何のことはない、他愛のない世間話を、とても明るい笑顔でしてくれて、悶々とした心が一気にほぐれていった。私がそんな暗い気持ちとも知らず、ただただ話しかけてくれただけだろう。「(草を抜いて)きれいになるねー。お疲れさまー。」その明るく優しい話し方がどれだけ心に沁みただろう。


キリがないのでキリのいいところでキリあげた庭の手入れを終えて、シンプル、何もしない、サッポロ一番!味噌ラーメン」を作って食べた。ただのインスタントラーメンがこんなにおいしく感じられるとは思いもよらなかった。

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