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大雨の夜に見たYouTube「チャーハン林」

2年前の今日は…と思い出のように書き出せるなら、それは何ごともないという証明になっていただろう。

まさか、2年前の豪雨の時と同じ日付に大雨が降るとは。今年の7月6日。あの時の恐怖がよみがえる。がその時ほどではないと判断する自分がいる。

言えばきりがないので、今回は体育館で過ごした一晩について述べてみる。一言で言うと、体育館にはなるべく行きたくない。大雨で、傘を差してもずぶ濡れになって、川のようになった道を歩いたあの日。あの日ビショビショになった靴とズボンを2年後の同じ日にも履いているとは。オシャレに疎いにも程がある。

体育館では、トイレはあまり使いたくなかった。ケータイの充電はすぐになくなる。コンセント、コンセント、どこ…。見える範囲では、一ヶ所、2つしかなかった。2つしかないコンセントを両方使い、ガキたちがゲーム機をつなぎ遊んでいた。自分も身勝手だが、ガキたちとそれを育てている親に嫌気がさす。

(そんな私も、周りに誇れることはない、毒親だ。お恥ずかしい)

他にも、大事なペットというのはわかるが、鳥カゴやワンちゃんなども来ていた。

一晩のうちに、だいたいの人は帰って行った。居心地の悪い場所であった。

この地域の中で危険度が高い所に住む我々は、帰るに帰れなかった。体育館の床は、硬い。痛い。とても眠れたものではない。

食べ物は十分配られたから、喧嘩にはならない。緊張で、多くは入らない。

娘が小学校時代に、年間通して防災について学ばせてもらった。大変勉強になった。段ボールのパーテーションや、災害時に外で作る料理、怪我の手当ての仕方など。

残念ながら、2年前の実際の避難所にはそこまでのものはなかった。

そんな体育館での苦い経験から、今回は垂直避難の道を選択した。2年の間に、垂直避難という認識も定着した?前からかな。2年前は、目の前の道路が、目の前からなくなった。道路がなくなると車が動かせないから、車は移動させた。

今回、大雨の中、下流のあふれそうな川を見ながら、前回の恐怖を思い出しながら、運転して帰った。(今回は下流の方が厳しそうに見えた)駐車先から少し歩いて家に帰るだけでかなり濡れた。水に濡れると、人間って、思ったより体力を奪われるような気がする。

雨に濡れ、気疲れした身体で家に帰った。思った以上に体力を奪われていたようだ。

そんな時に、ここ数ヶ月ハマっているかまいたちのYouTubeで紹介されていた、ギャロップ林さんのYouTubeチャンネル「チャーハン林」を試しに家族で見てみた。かまいたちのイケメン濱家さんが出演した回もある。

「お先、禿げさしてもぅてます」の挨拶で始まる動画だ。そんなに自分を落とさなくても…優しい人に見える。

何とも言えない魅力あるチャンネルである。

お笑い芸人が出演しているが、あんまりテンションが高くない。まったり、ゆったりした時間が流れて行く。

そして、チャーハン調理中の映像を、ほとんどコメントなしで、それだけ流してくれる。その間は黙っていてくれる。芸人さんなのに。

カン、カン、カーン…と中華の鉄鍋とお玉がぶつかって鳴る音。

ジューッと米や野菜や卵が炒まる音。

中華鍋を前後(左右)に揺らし、彩りきれいな具材が鍋の上空で踊る。

料理人の手つきはまさに職人技。

炒めて、お皿に盛るまでの魔法みたいな時間である。

視覚、聴覚から心地よい感覚が得られて、一気に心は緩んだ。緊張から解きほぐされて、外からはまだ大雨の音が聞こえているが、それを上回り、心は緩みっぱなし。何と、見ていた者全員が寝落ちした!

22:00前から寝たのはいつ以来だろうか。

これは、今時々耳にするASMR(医学的根拠はないとは思われるが)のような不思議な作用があるのではないかと思った次第である。

チャーハンチャンネルも、自粛モードでお店に出向くことや取り分けが難しく、企画に苦労しているようだ。興味のある方は、自粛前の動画をチェックして見てほしい。

と同時に、まだまだ大雨には気をつけよう。


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