初恋
初恋は甘くて苦い
少女漫画のような恋
もうそんな年ではなくなり初恋は単なる物語の一つになってしまった。
当時、初恋が終わるとき、
私はこの人が他の誰かと結婚するとき祝福できるだろうかと思った。
良い女なら祝福するだろう。私はどうだろうか。泣くのか、泣きついてやめてくれとすがるのか、心から喜べるのか、口だけでも「おめでとう」と言えるのか…。
結果、
私はどれにも当てはまらなかった。
彼から嬉しそうに照れくさそうに結婚の報告をされたとき私は【無】になった。時が止まるのだ。何味のお酒を飲んでいるのかわからなくなった。
過去に戻って彼との日々をシミュレーションしてみる。何度試しても私たちは今の状態になる。当時の"好き"という気持ちもない。
でもなんでだろう。ぽっかりと何かが空いたようなこれは。高校を卒業したときのような、制服を二度と着ることができないと思い知ったときのような。
私は「おめでとう」とも言えず、心から相手の結婚を喜べる良い女にはなれなかった。逆にお嫁さんのことを聞いて私に何が足りなかったのだろうと考えてみたり。
家に帰る途中、コンビニでお酒をいつもの倍買って、
いつもより早いペースで夜空を眺めながら
1人飲んで、吐いて、寝て、起きて、私の日常に戻る。
恋って難しい
女って難しい
人間って難しい
人生って難しい
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