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2030年代にガソリン車の新車販売ゼロのミスリード感

今朝から主要メディアが、一斉に政府による2030年代半ばのガソリン車新車販売禁止の検討開始を報じています。

見出しだけを見ると「ガソリンエンジンを積んだ車」が全て新車販売禁止になるように思えますが、記事中にもハイブリッド車やプラグインハイブリッド車は販売が継続される旨が書かれています。

つまり「ガソリンエンジン"だけ"を積んだ車」の新車販売が禁止になるというのが正しいはずなのですが、この見出しを見て「ガソリンエンジンが全廃されてEVの導入が加速する画期的な政策が!?」と捉えてしまう方も多いのではと思います。

おそらく、この見出しを見て「ハイブリッド車は規制対象外だな」と判断できる人の方が少ないはずです。

記事の内容はおそらく政府関係者からのリークですが、この見出しになることまで意図したものなのかどうかは分かりません。ただ、各メディアには見る側が正しく受け取れるような表現をして欲しいと思います。

(以下、12月6日追記)

ガソリン車禁止後にハイブリッド車は生き残れるか?

この報道の続報が出てきており、自動車メーカーがハイブリッド車は除外するように働きかけていると言われています。

しかし、ハイブリッド車はプラグインハイブリッドを含めてガソリンエンジンが主たる動力になるわけですが、ガソリン車の新車販売が禁止されればガソリンスタンドの淘汰は今以上に進むことになります。

自動車販売台数の減少や設備の老朽化に加えて、燃費が良く給油回数が少なくてすむハイブリッド車の普及で、平成の30年間で国内のガソリンスタンドは半減しました。

自動車メーカーがハイブリッド車を残すようにどれだけ政府に働きかけたとしても、ガソリンスタンドというインフラを欠く状況で本当に販売を続けることが出来るのでしょうか。

今回の規制の動きに対して、本当に自動車メーカーがハイブリッド車は除外するように求めたのだとしたら、将来目指すべき社会像を全くイメージできていない想像力の貧弱さを感じてしまいます。政治的な働きかけは幹部が主導しているはずですから、そんな経営陣を抱えた国内メーカーの未来は暗澹たるものでしょう。

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