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太陽光発電の廃棄費用強制積立金は、国債での運用などが可能になる模様

新型コロナウイルス感染症の問題が社会全体に広がり、政治もこの問題一色に染まっていく中で、政策研究者の視点から特に気をつけるべきは水面下で妙な制度・法案が成立していくことです。

再生可能エネルギー業界に身を置く立場としては、2月25日に閣議決定されて国会に送られたものの一向に審議に入らない「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」に注目しています。

この法律案では、発送電分離が進む中で送配電事業者に対する役割の整理や配電事業の創設、FIT法の改正(FIPの導入)、何故かJOGMEC法の改正案まで含まれています。

法案全体は別途洗っているのですが、国会でしっかりと議論すべき項目の1つとして「太陽光発電所の解体費用の強制積立金制度」の創設があります。

これは、FIT制度の成功により大量導入が進む太陽光発電が、将来的に適切な解体・廃棄が行われるように、今からその費用を強制的に積み立てさせようという仕組みです。もちろん、積み立て先は政府が指定する外郭団体(電力広域的運営推進機関)です。

ここに、最盛期には概算で1兆円以上が解体費用として積み立てられる推計になるため、新たな利権の誕生と業界では懸念され数多の反対意見も出されてきましたが、批判もどこ吹く風と今回の法案にこの制度も盛り込まれてきました。

さて、これだけ集めた積立金をどのように運用するのか?と、法案を逐条で読んでいくと以下のような一文が見つかりました。

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積立金の運用方法として最初に書かれていたのが、「国債その他経済産業大臣の指定する有価証券の保有」です。

政府の考えることですから「安全資産である国債で運用を」という考えなのか、新たなお財布として目をつけられたのかは現状では分かりません。

なお、発電設備の調達価格ごとの廃棄費用総額は下記の通りとなっていますので、発電所オーナーの方はいくらぐらい強制積立金として徴収されることになるのか、是非計算してみてください。

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この積立金制度の問題点は、また別の機会にまとめていきたいと思います。

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