#010 地産地消!『国産小麦』で美味しいパンを作りたい! 第9話
■第9話 農地探し! その④利用権設定の話
こんにちは、GreenLushです。
国産小麦の自給率向上と普及を目指して『自分自身で作る!』
という目標を掲げ日々奮闘しています。
農地探しに関する連続コラムですが、前回は農地探しのポイントについてお話しましたが、今回は利用権設定のお話をしたいと思います。
利用権設定とは実際に農地を貸し借りする際に締結する書類、またはその為の制度を言います。
細かい流れや具体的な記載内容、必要書類などは各自治体で異なると思います。ですので、参考程度に留めてくださると幸いです。
前回第8話からの続きですが、まずは希望の農地を探すことから始めるとお話しした通りです。
その後、希望の農地が見つかったらお住まいの農業委員会に電話し、農地の住所を伝えます。すると農業委員会から農地の所有者に取り次いでくれます。
ただし、この時注意したいのが、『連絡不通』のパターンがあるのです。
つまり、農業委員会から連絡しても所有者と連絡が取れないパターンです。
わざわざ農業委員会の台帳に貸し出し(売却)希望の意思を示しているのに何で?って思いますよね?想像ですが、だいぶ前から貸したい(売りたい)という希望を伝えてはいたが、病気なのか、介護なのか、いずれかの理由で自宅から不在になってしまったパターンが考えられます。
そういった場合、多くはご家族が取り次いでくだされば良いのですが、単身世帯の場合ですとそうもいきません。農地の登記事項証明から所有者の住所、氏名は簡単に調べる事ができますが、所有者の住所が特定できても自宅に誰もいないパターンもあり得ます。
そうなってしまったらお手上げです。勝手に使ってしまう訳にはいきませんので。
今後、近い将来、同じようなケースが発生することは容易に想像できます。
なぜなら離農者の増加に合わせて高齢化社会です。農地をそのままに、入院、あるいは介護施設等への入居によってご本人に連絡が付きにくくなる事は増えると思います。そのような社会になることを事前に防ぐ仕組み作りが必要であると感じました。
所有者に連絡
話を戻すと、大体の場合は農業委員会の方から所有者の連絡先を教えてくれます。
ここからは所有者(貸し人)と自分(借り人)との直接交渉になります。
まずは電話して”農地を借りたい”と意思を伝えます。
その後、目的や作付け品目や期間、賃料等の話をする事になりますが、人によって内容はマチマチです。
所有者の立場からした場合、いざ貸したいとは思うものの、貸す相手がどんな人物か?目的は何か?ぐらいは気になるはずです。ですので、そのあたりは誠意をもってお話されると良いでしょう。また、なるべく早い段階で具体的な締結内容を話した方が、話が進んだ後にもめたり、モヤモヤしなくて済むと思います。
賃料はどうする?
ここで一番悩むのが賃料だと思います。
賃料の交渉も基本的には、貸し人、借り人間で合意形成する必要があります。
基準として考える標準賃料が自治体レベルでオープンになっているケースがありますが、かなり幅のある金額の場合があります。大体、貸したい人はかなり格安でいいと、口では言ってくれますが、本音レベルではそりゃ自分の希望があるはずです。
このあたりの探り合いをする必要があるので、少し気を使ってしまいます。※お互い本音レベルで交渉する為のマッチングみたいに仕組みが欲しい・・・!
利用権設定用紙へ記入
さて、大まかな合意形成が出来たら実際に『利用権設定用紙』の記入を行います。
利用権設定の記載事項は各自治体で異なると思いますが、概ね下記の通りではないでしょうか。※詳細はお住まいの農業委員会に確認してみてください。
①貸し人の住所、氏名
②借り人の住所、氏名
③利用権を設定する土地の住所、地目、面積
④利用権の種類
⑤作付け予定品目
⑥利用権設定期間
⑦賃料、支払い方法
その他下記の書類の準備が必要です。
・実印
・印鑑証明書(自分、相手各1枚)
・自宅と農地の位置関係がわかる自作の地図が必要
一通り書類がそろった段階で農業委員会に提出します。
すると月次の農業委員総会で書類の審査を行い、問題なければ晴れて承認となります。
基本、用紙の記入事項に間違いがなく、必要書類が準備できていれば、受領はしてくれます。
あとは、総会後に控えが届くのを待つのみです。
いかがでしょうか?
これまで非農家が農地を借りるまでの話を続けてきましたが、手続き的には結構簡単に借りられると思いませんか?この農地利用促進法によって多くの農地が利用され、多くの方が農業の分野でチャレンジすることを期待しています。
また今後は農地の整備の様子も順次公開していきたと思います。
今日はここまでです。
最後までお読み下さりありがとうございました。
続く・・・
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