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馴染みのある味を美味しいと思ってしまう現象

私は滋賀県の出身で、実家からはいつもお米を送ってもらっています。おかげで、スーパーなどで売られているお米の相場を知らずに育ちました(本当にありがたい話です(笑))。
私の地元には「近江米」という銘柄米がありまして、幼い頃からずっと食べているのもこの「近江米」です。

さて、私が今住んでいるのは北海道の十勝帯広ですが、北海道も、ここ数年でとてもお米が美味しくなったと言われています。その進歩は著しく、美味しいお米の代名詞ともいえる「魚沼産コシヒカリ」さえ上回るとも言われています。私も機会あって、北海道深川産米を食べたことがありますが、確かに美味しいです。

しかし。とても美味しいとは思いつつ、どこか体に馴染まないような、違和感を覚えました。普段食べているお米の味を思い出してみると、深川産米は何かが足りないと感じたのです。

私もコーヒーのプロとして、五感を普段から大事にしているのもあり、手前味噌な話ですが、食の味には敏感な方だと思います。加えて、客観的な評価ができる自信もあります。現に、深川米と近江米で比べると、明らかに深川米の方が甘みもあって美味しかったと感じました。

ですが、深川米の方が美味しいと分かりながらも、私の体といいますか、本能の部分では、近江米を欲する欲求が沸々と湧いているのを感じました。先ほども申した通り、深川米では何かが足りないのです。
美味しさ、甘さ、香り、粘り、満足感…
そのどれでもない何かが、足りないのです。

これは、DNAに刻まれた宿命といいますか、普段食べなれているからこその充足感なのだと思います。そしてここにもヒントがあり、慣れ親しんだ味でなければ、なかなかリピートしてもらえません
コーヒーでいえば、日本人に親しみのある香味は、苦味、深み、甘味です。そのため、酸味、軽やか、といったキーワードでは、なかなか普段遣いのコーヒーに採用してもらえないのが現実です。

コーヒーに限らず、突飛なポートフォリオだけでビジネス展開するのは難しい、というのは覚えておいて損はないかもしれません。

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