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「公理」まで突き詰めて考えること

私自身は昔から意識していることでしたが、先日から妻との会話で話題に出す頻度が増えたので、自分の中での整理としてアウトプットします。若干乱文になるかもしれませんが、何かの参考までに読んでいただければと思います。

公理について

皆さんは、「公理」という言葉をご存知でしょうか。
公理とは、数学における用語で「その理論の出発点として、論証ぬきで真だと仮定し、他の命題の前提とする根本命題」のことです。要するに「こんなん証明するまでもなく当たり前だろ!」レベルの条件のことで、数学(ユークリッド幾何学=一般的に高校で習うような数学)では「互いに重なり合うものは、互いに等しい」「全体は、部分より大きい」など、そりゃそうだろと言いたくなるような5つの公理が提示されています。
ここまでは数学における文脈ですが、一般的にも「公理」=「言うまでもなく明らかなこと」として使われることがあります。私は個人的に「公理以外のことは説明抜きで理解してもらうのは難しい」と思っており、コーヒーに限らず他人に何かを説明する際は、自分の発言が理解されやすいかどうか注意しています。

コーヒーにおける公理

相変わらず前置きが長いですね(笑)

さて、私もいろんな方の話を聞く機会があるのですが、少なくともコーヒーに関しては、公理まで突き詰めて説明している方が少ない印象があります。
例えば、「スペシャルティコーヒーだから美味しい」「ハンドドリップよりエスプレッソの方が難しい」「一杯400円のコーヒーが普通」といった発言は、どれも公理=言うまでもなく明らかなことではありません。スペシャルティコーヒーを使用していても焙煎や抽出が未熟ではコモディティ(一般流通レベル)に劣る香味なこともあります。エスプレッソはボタン一つで抽出できる機械もあり、どの視点から難しいのかがわからないことには判断しかねます。コンビニコーヒーが主流の地域では、1杯100円が普通かもしれません。

いずれにしても、「なぜそう言える?」というスキがある発言は、到底公理とはいえず、他人の理解を得るのは難しいです。もちろん、「なぜ?」と聞かれた際に公理レベルまで突き詰めて説明できるならばいいと思いますが、実際には「なぜってスペシャルティコーヒーは美味しいんだよ!だから美味しいんだよ!」という方が多いのが現実です。

もちろん、実際にはコーヒーの世界で、数学レベルでの公理というのはなかなか無いのですが、「言うまでもなく明らかなこと」にどれほど近いかは、発言の前に一考したほうがいいかもしれません。

一流の人ほど公理に近い発言をする

これは私がいろんな方の話やプレゼンを聞く中で感じたことですが、一流の人ほど公理=言うまでもなく明らかなことに近い発言をするように思います。逆にいえば三流の人ほどすぐに理解するのが難しい発言をする(むしろそういった発言を選ぶ傾向がある)気がします。
皆さんも、決めつけの話ばかりする人ってみたことあるのではないでしょうか。強い論調で、納得しにくいことを押し付けるように説明する人って、世の中には大勢います。また、そういう人に限って専門用語を多用したがります。まるでそれが自分を守る鎧になると思っているかのように(ネット界隈では、そういう人のことを「マウントを取りたがる」と表現されています。言い得て妙ですね)。
しかし、これがAppleのティム・クックCEOやSoftbankの孫社長では、より公理に近い発言をされています。そして、公理から遠い発言をする場合は、TPOをかなりわきまえていらっしゃいます。だからこそ、人の理解を得ることができ、自社の魅力を的確に伝えられるのでしょう。

説明は聞き手に伝わらなければ無人島で独り言を話しているのと変わらない

公理レベルで話し手が理解していることを、これまた公理に近いレベルで聞き手に伝えることで、本質が伝わる可能性はかなり高まります。反対に、聞き手に伝わらなければ、どんなに一生懸命伝えても意味がありません。むしろ、公理からかけ離れた説明をされた聞き手が、婉曲した理解を持ってしまうことは、なんとしても避けなければなりません。

何らかの形で「他人に説明する」という活動をするならば、それがどのように伝わるのかをしっかりと考え、可能な限り公理レベルで理解してから説明するべきだと私は考えます。

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