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『君たちはどう生きるか』※自分振り返り用

アオサギはheron。
英題は The Boy and the Heron。
へぇ。

↓1.ストーリーを振り返る(途中まで)↓

太平洋戦争の最中。

少年・眞人の母のいる病院から火の手が上がる。

燃え盛る炎を自宅から目にした眞人は、寝巻きのままで家から飛び出そうとするが、思い直して着替えてから駆けていく。

火の粉が舞う街を駆け抜ける眞人の叫びも虚しく、母は亡くなってしまう。

その後、父と2人で母の実家のある地に移る。
新しく母になるのは、その妹・夏子。

夏子は、新しい命の存在を出会ってすぐに眞人に伝える。眞人はあくまで礼儀正しく振舞い続ける。

眞人は、着いた家の上に立つ、アオサギをみとめる。アオサギは、眞人を誘うようにその前に現れ続ける。

お前の母は生きていると囁くアオサギは、眞人を大叔父様が建てた塔に誘い込もうとする。

父の運転する車で新しい学校に行った眞人は、帰り道に子どもたちと喧嘩する。

喧嘩の後、眞人は自らを石で殴る。
血が、どくどくと流れ出す。

父は、眞人を傷つけた犯人に仇を討つと言い、学校にも寄付をして眞人を何としても守ろうと、宣言する。だが、眞人はその傷のわけを話すことはできない。

夢の中か、眞人は木刀を持ってアオサギに対峙しに行くが、そのまま塔へ連れ去られそうになるのを、夏子の射った矢によって救われる。

やがて夏子はつわりがひどくなり、寝込むようになる。眞人の顔を見たいと言うが、眞人はなかなか足を向けない。

ようやく眞人が見舞いに行くと、夏子はまるで自分がその傷をつけたかのように悲しい顔で、眞人の傷に触れる。

数日後、眞人はアオサギを射る弓矢を作っていた。その時、窓の外に塔へ続く茂みの中に消えていく夏子の後ろ姿を見るが、気に留めなかった。

弓矢を作る最中、机の上に積まれた本を勢い余って落として拾う時、そこに、母が眞人へ送ったと思われる本、『君たちはどう生きるか』を見つける。

しばらくの間、本を読み耽った眞人の目からは、涙が流れ出る。
外では、姿を消した夏子を探す家人の声がする。 

眞人は、夏子を探しに出る。

眞人は夏子が消えていった茂みから、塔へ続く道を見つける。家人の1人のきりこも、引き留めようとしながら着いて行く。

夏子を探して塔に入った2人に、アオサギが挑発するようにつきまとう。

アオサギは眞人の前に、横たわる母の幻影をつくりだすが、眞人が触れた瞬間にその幻影はどろっと溶け出してしまう。

母を穢したと怒った眞人は、アオサギの落とした羽で作った弓矢を射るが、その弓矢は、自らの意志を持っているかのようにアオサギを追い回し、その嘴を貫く。

アオサギは鳥の姿が崩れ、中から鼻の大きな中年男が顔だけを出したような風貌に変化する。

眞人がとどめをさそうとするのを必死で止めるアオサギは、夏子を探すならと、下の世界に連れて行く。きりこも、共に下に落ちて行く。


船の墓場のような静かな海に着く。

眞人は、「死の島」のような糸杉の聳え立つ島の前にいる。群がるペリカンに押し出されるように、石の神殿の前に来てしまう眞人を、沖合から気づいた人がいた。
その人は、火の棒でペリカンたちを追い払って救い出す。

呪の海に暮らす人、それはきりこであった。

きりこと海で魚を捕まえ、持ち帰る眞人。
周りから黒い、薄い影のような人々が集まってくる。加えて、白いふわふわした物体が湧いて出てくる。それは、わらわらだった。

呪の海で、殺生をできるのはきりこだけ。
黒い、薄い影の人々は、きりこが獲ってきた魚をもらう。わらわらもまた、それをもらう。

夜、眞人は、わらわらが夜空に向かって飛んでいくのを見る。それは、上の世界に新たな命として生まれるための飛翔だという。

だが、ペリカンの群れが上昇するわらわらを襲う。次々にわらわらを食べてしまうペリカンを、自らより打ち上げるように花火を放つ人が、追い払う。わらわらにも飛び火するのを眞人が止めようとするが、きりこは「ひみさまが救ってくださった」と感謝する。

真夜中、物音に気付き1人外に出た眞人に、傷ついて動けずにいたペリカンは語り出す。
この世界に連れてこられたペリカンたちは、わらわらを食うしか生きる手段のない運命であることを。

気づくとアオサギがいた。
眞人とアオサギはお互いにいがみ合いながらも、夏子を探し続けることを選ぶ。

大叔父様が連れてきて繁殖したインコがのさばる館にたどり着く。
眞人は、アオサギのおとり作戦も虚しくインコに食されそうになるところを、ひみさまと呼ばれる、眞人の母であり夏子の姉である少女に救われる。

眞人はひみさまの暮らす家でパンを食べる。
それはやはり母の味であった。

夏子のもとに向かう途中、ひみさまは現実世界への戻り方を伝える。番号のついた扉が続く廊下。
ある扉を開けると、その先には塔の前で消えた眞人たちを探す父の姿があった。

ひみさまに連れられ、眞人は夏子のもとにたどり着く。石の力が強いと思われる、その部屋に1人入って行く眞人。白い人形のような紙に装飾された輪の下に眠る夏子を眞人は起こすが、夏子はそこに眞人がいることを拒絶するように、立ち去るよう強く言う。
だが、眞人は「夏子母さん」と呼び、夏子に現実世界に帰ろうと必死で訴える。
白い紙たちが勢いよく眞人に吹き付け、2人を引き離そうとする。ひみさまが炎を放ち追い払おうとするが、ひみさまもまたその場に倒れ込んでしまう。

そして、インコたちが倒れた2人を見つける・・・。


ああ、だんだん書くのが疲れてきた、、のでやめたがが、ここまで振り返ることができれば、色々と思い出せるだろう。

↓2.所感↓

石との約束で、美しく、調和の取れた世界を眞人に引き継ごうとする大叔父。

だが、あくまで悪意と苦痛に満ちた世界で生き続けることを眞人は選んだ。


眞人の右こめかみについた傷、それは眞人の悪意のシンボルだった。


母が死んだことも

父が母の妹と一緒になり弟ができることも

夏子が母となることも

東京から越してきて周囲の子どもとは異なることも

眞人は本当は受け入れてはいなかった。

その真っ当な絶望に向き合えずに思わずつけたその傷は、わざとつけたにしては深く、痛々しいものだった。

私にはわかる気がした。

心の痛みや苦しみが手に取れないとき、わかりやすい痛みや苦しみに代えたいと思う衝動が。

そしてその衝動には、自分に目を向けない、向き合おうとしない大人たちや周囲への悪意が少なからず含まれていたのかもしれない。


その傷に向き合うことは、複雑で、真っ直ぐに生きられなかった自分と向き合うことで、とても辛いものだ。

ただ、そうした悪意と苦痛に満ちた、身を刺す実感しかない世界で生きるからこそ、人は人と分かりあう希望もあるのかもしれない。

美しい調和の世界に立ち去るより、それは尊く、重たい道だろうと、私は信じている。

帰路、『君たちはどう生きるか』の小説を購入した。

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