建設機械発達の概要(ダンプトラックその1)

1.普通シャン型ダンプトラック

 ダンプトラックの採用は戦後である。軍用としては戦時中にカム押上式のものが作られていたが、米軍払下車のダイヤモンド4t、GMC2.5t、シボレー等はいずれも油圧シリンダとリンクの併用式の立派なものであった。
 昭和24年に河川工事、道路工事などのため国産ダンプトラックの製作が始められた。当時ディーゼル車としてはいすゞ4t車の他に日野・三菱・民生の6t車があった。当時は普及を目的としていすゞ4tを規格型として犬塚・東邦・金剛などにGMC型のダンプボディを作らせた。当時の記録によるとギヤポンプ、油圧シリンダ、バルブ機構等に不充分な点が多く、これらの解決には数年を要した。建設工事用としては軍用時代からの経歴に物をいわせて最も丈夫であるとされたいすゞ車でさえ、ミッション・バックギヤ軸の焼付きとかデフ・クラウンギヤの破損、フレームにクラックの発生などシャシに就いての問題点も多かった。
 昭和26年には道路舗装工事の再開と共にふそう車にサイドダンプ架装をしたものが現れた。戦後のディーゼル車の発達は目ざましかったが、昭和29年頃までのシャシはパワーラインに弱点が多く、特に建設工事用の不整地走行に際してはデフギャ・ジャックシャフト等に欠陥が多かった。またフレームに発生するクラッチの問題もなかなか解決できなかった。

クリップボード一時ファイル01

(↑)いすゞ4tダンプトラック 昭和23年

クリップボード一時ファイル02

(↑)いすゞ4tダンプトラック 昭和24年

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