建設機械発達の概要(ショベル系掘削機その2)


2.1.2m3級の製作

 昭和26~27年頃までは0.4~0.6m3級パワーショベルの普及期であったが、当時の国内需要だけでは限度が見えていたので1.2m3級の研究が各社で行われた。DE型機関の完成と共に35K(神鋼)が26年6月製作せられ、少し遅れて昭和28年8月にはU12型が完成。電源開発工事の主力機械として輸入大型ショベルと共に使用せられた。電源開発が開始された昭和27年頃、独デマーグ社B315(1.5m3)・B323(2.3m3)等が輸入された。アメリカ製とは異なり独自の設計であったが、結果的には余り芳しからぬものであった。

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(↑)神鋼35K型ショベル

 次いで佐久間ダムや糠平、田子倉等にビサイラス 51B (2yd3)・54B(2.5yd3) マリオン 93M(2.5yd3)・111M(4yd3) が 輸入され良好な稼働を示した(建設の機械化第70号 参照)。 1.2m3級は国産としては 35K、 U12 が主力で、 ディーゼル (DE 塔載)と電気式が各地のダムで使用された。昭和30年2月には石川島コーリング社の 605 型 (1.2m3)が作られた。 技術的な発展としては昭和31年9月 U12 にトルコン付ショベルがある。また U06 における研究の結果U12においては流体接手付が標準となっている。

3.0.3m3 級ショベル

 電源開発用大型ショベルの完成した後、中小建設業者向けとして 0.3 m3 の製作が開始された。まだ機械化の及んでいない中小規模の現場を対象として、 昭和30年4月には U03が少しおくれて油谷の16 型が製作せられ、 大型トラックでも運搬可能(約 10 t)というのでショベルの普及に貢献した。

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(↑)日立U-03とU-23

4.その他の機種

1.2 m3以上のもの大規模ダムとかセメント会社などに使用されるものとして

昭和28年12月:51K 型(1.5 m3 神鋼)、
昭和29年10月:50K (2.0m3 神鋼)
昭和30年5月:U16(1.6 m3/U12の変形)
昭和31年4月:1005型(2-12yd3 石川島コーリング)
昭和32年5月:955A (2.0 m神鋼P&H)
昭和 33年7月:U23 (2.3 m3 日立)

 いずれも極く少数の生産に止り、 P&H社と提携後955Aの他は昭和33年8月に655B(1.2m3)、 昭和31年12月に255A (0.6m3) 等が作られている。

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(↑)石川島コーリング 1005型

5.アタッチメントの発達

 ショベル及びドラグラインは本体の製作開始と同時に使用された。ドラグショベルは河川工事における護岸の根掘り用として昭和26年に製作せられ効果を認められた。その後、昭和30年頃の建築ブームに際しては、建築基礎の根掘り用として非常に普及した。クラムシェルはあまり普及していない

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