建設機械発達の概要(ダンプトラックその2)

2.大型ダンプトラックの発達

 昭和27年頃より電源開発において大型ダンプトラックが重用せられ、佐久間ではアメリカのユークリッド15t車が輸入された。また須田貝ダムはマック15t車が輸入された。これらの輸入車は良好な稼動を示し、ダムの本体編削工事は勿論のこと、従来の機関車または索道に代って骨材運搬に使用される様になった。(昭和25年頃の建設省五十里ダムでも払下げュークリッド15tを骨材採集に利用したが、骨材プラントへは索道によった)
 昭和29年には小松HD150(15t車)、日野ZG12型(12t)が発表されている(建設の機械化58号参照)。これらの車は4×2で、フレーム、ミッション、パワーライン等が特に頑強に作られており、積荷時の衝撃も考慮してベッセルは二重底で堅木をサンドウッチしてある。また普通車には見られないパワーステヤリング、遊量歯車式減速装置などを備えていた。これ等の機種は、その後の各ダムに用いられている。部分的には改良を要する面もあるが、大体において落着いている。 また12t、15tの出現とは同時期に防衛庁向車輛から出発したふそうW26(6×6、15t)ダンプトラックがあるが、前記2種の4×2方式に比して悪路の走行には格段にすぐれていたが、構造複雑で用途が向かないかしてダム現場からは姿を消した。6×6車は矢張り軟弱地盤においてその特性を見出すべきであると思われる。今後の道路工事にはもう少し小型の6×6車か4×4車が重用されるであろう。

クリップボード一時ファイル01

(↑)日野ZG12型ダンプトラック

クリップボード一時ファイル02

(↑)小松HD150型ダンプトラック

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