いろ日記 23【8/1-8/6】 -日記小説-

ある人の ある８月の日記です。

●８月１日　「 花火色 」

今日から８月。
にぎやかでたのしい毎日。
ずっと一人静かに暮らしてきたけど、このにぎやかさを心地よく感じています。
私がそんな風に思うなんておもしろいです。

●８月２日　「 白いもよう 」

今日はハンカチお渡しの日。
坂野さんにもらったハンカチのアイロンもお願いしました。
桃色の生地に白い刺繍で描かれたもよう。草木のようにも見えるし、珊瑚のようにも見えます。とてもきれいなハンカチです。

●８月３日　「 コーヒー色の水たまり 」

南さんに呼ばれて行くと、オフィスの方がコーヒーをひっくり返してしまったそうで、カーペットに大きなシミができていました。その部屋に来客の予定があるそうで、急いで作業しました。すぐに呼んでもらったので、きれいに落ちてよかったです。
お礼を言ってもらったり、南さんにほめられたり、坂野さんが夜メールくれたり、照れくさいけどうれしかったです。「よくそんな這いつくばってできるよね。私にはムリ。尊敬するわー。」なんて声も聞こえないくらい集中してて、見られているのに気づかなかったな。
私にもできることがあるんだな。

●８月４日　「 すずやか色 」

ハンカチ受け取りの日。
「新しいハンカチ、やっぱりこういう色も似あいますね。」って言ってくれました。
坂野さんも、私のあげた新しいハンカチを今日使ってくれててうれしい。すずやかな色がとてもよく似合っていました。

●８月５日　「 半月色 」

夕方の空に半分の月。少しすずしい気持ちになります。
月のまわりに、雲が網目みたいなおもしろいもようを作っていました。

このノートももうすぐなくなります。次をどうしようかなと考えています。

●８月６日　「 レモンイエロー 」

あついなーと思いながら、買い物に出ました。
かき氷の旗がひらひら目に入って、食べたくなりました。迷わずレモンのかき氷をお願いしました。急いで食べてもどんどん溶けてしまうので慌てました。
つめたくておいしかったです。