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-小説- うたたねのこぼれ種【10.金柑】(最終話)

 
「うたたね」のカウンター席に並んで座る亮と若葉へ、シンはコーヒーを差し出した。心まで温まる香りも一緒に運ばれてきた。
「あーおいしい。しあわせ」
コーヒーの湯気の間から、若葉の声がこぼれる。シンは若葉に微笑みを返して、少し間を置いて言った。
「ちょっと、二人に話があるんだけど」

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