GreenRinne

小説よみの雑多な日々。 そんな日常から連想したりしなかったりの、みゃくらく探しの日々。

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最近の記事

~読~『終末のフール』伊坂幸太郎

2020年、春。 日本各地の小売店やネット通販サイトから、まずはマスクが消え、次にアルコール含有系除菌剤が消え、さらにはトイレットペーパー、キッチンペーパー、ティッシュペーパー…次々と紙モノが消えていくさまに驚き、流されるように「買い込んでおいた方がいいのかな…?」と少々の焦りを覚えてしまった。 すぐさま連想したのは、20数年前に出っくわした、オドロキの光景。 うずたかく積みあげられた、茶色いトイレットペーパーの、山。 当時、高校2年生。 祖母の家で暮らすことになり、物置

    • ~読~『小説 日本婦道記』

      祖父母の遺品整理の最後にのこったのは、二振りの日本刀。 博物館で展示されているような、黒々と光を放つ鞘や精緻に彫り込まれた鍔(つば)に目を惹かれるような逸品ではない。いたって簡素で地味・・・というかつまり、観賞用ではなく、実用向きに用いられた刀なのであろう。 じっさい、骨董品としての価値はほぼナシと判明しているわけだが、祖父が大切に床の間に飾っていたからには、わが一族にとってはそれなりの意味をもつものなのだろうと深慮してみる。 さて、これを機に処分するか、後世に引き継ぐか。

    ~読~『終末のフール』伊坂幸太郎