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二見くんの日々 6 カマキリ


母はあまり虫というものが得意ではないのだけれど、
カマキリは好きだという。
かわいいらしい。わかる。

でも僕は、
子供のころ祖父母の所に遊びに行ったとき
近くの山中の神社へ向かう坂道で見た
あの死んで、中から黒く細長い生物がスルスル這い出してきている真っ最中のカマキリが頭の神経を毎回うっすらと刺激していくから
あの夏休みの1日に知った生命の秘密を思い出すから

カマキリを見るとちょっとだけ悲しくて、ぞわっとなる。ほんとうにちょっとだけ。

やっぱりカマキリは足も顔もなんだか愉快でかわいいからね。



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