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部下の結婚式で主賓挨拶をした時の体験談 〜スピーチ全文編〜

今回は、私の主賓挨拶の前に政界の大幹部のメッセージがあるという衝撃の前回の続きです。その時のスピーチ原稿全文も掲載します。

私がマイクの前に立つと、新郎新婦とご親族一同はスタンドアップ、会場の来賓300人にホテルスタッフも全員が私に注目し第一声を待っています。

ただ今ご紹介を頂きましたSC工業の秋山と申します。どうぞよろしくお願いします。本日はHくん、Kさん、ご結婚本当におめでとうございます。御両家ご親族の皆様におかれましても、この度は誠におめでとうございます。 本日この御両家の特別なお席にご招待を頂き、心よりお礼申し上げます。 高い席から甚だ恐縮でございますが、幸せいっぱいのお二人にお祝いを申し上げたいと思いますので、少々お付き合い下さい。
どうぞ新郎を除き、新婦も、ご親族の皆様もご着席下さいませ。新郎は私のスピーチが終わるまでそこで立っているように・・冗談です(笑)。

・・何秒か遅れて ”会場爆笑"

では最初にほんの少しだけ、Hくんが勤めております、弊社についてご紹介をします。当社の携わる分野は建築土木インフラ事業と申しまして、都市の建築、土木、ライフライン関連などの事業が中心でございます。Hくんの仕事は、中部圏最大の都市愛知県の都市インフラ関連製品群の技術的な提案による開発営業です。技術的知識と企画力が要求される高度な業務ですが、彼は持ち前の責任感の強さで頑張ってくれていまして、非常に期待をしています。

”皆さん、微笑みを浮かべながらちゃんと聞いてくれています。自信を取り戻したらエンジンが掛かってきましたよ。”

実は私はつい先月の10月に東京から着任したばかりでして、まだ彼とは出会って間もない間柄なのですが(笑)、もうエピソードができてます。はじめて彼にあったときは彼のその端正でスッキリした顔立ちが、支店の周りのジャガイモやゴボウ、パイナップルみたいな連中から浮き出てまして、ほんとうに男前だなぁというのが第一印象でした。

”ニヤニヤしていた部下たちは注目を浴びて下を向いてしまいました(笑)”

大人しそうだなぁとおもってましたが、ある日、私の机の前にスッと立って、もー、そのくっきりした大きな眼でじっと見つめるんですね。 
それで突然、「支店長!ぼく結婚します。ぜひ結婚式でスピーチをお願いします」と話しかけてくれたのが初めての会話です。あまりのひたむきさに圧倒されて、苦手なスピーチもこうして受けてしまったわけですね(笑)。

”会場は興味深そうに話の続きを待っています。もう調子に乗ってきました”

つい先日に予算会議をしたんですが、Hくんの報告の後、何か相談事とか要望はないかと聞きましたら、しばらく考えてから「結婚式のご出席をよろしくお願いします」といったから、会議室全員椅子から転げ落ちました。
粘り強い優秀営業マンですよ。
で、知っておきたいから新婦のKさんとの出会いを教えてほしいといったら後日に丁寧なメールをくれるんですね。律儀な男前やなぁと思い読みますと読んでるわたしが恥ずかしくなるようなノロケ大全集でした。でも、本当にKさんのことが大好きなんやなぁと想いが伝わってよかったよ。ごちそうさまでした。

”エピソードでは会場から都度爆笑が起こっていました。掴みで笑えるきっかけがあればもう後は何を言っても笑って頂ける、正のスパイラルにハマりました。さてそろそろ決めに贈ることばに移ります。”

さて、Hくんが、中部支店いちの男前というのはさておき、今日はそんな幸せ一杯なお二人に私の好きな取って置きな言葉をご用意して参りましたので、お祝いとしてご披露したいと思います

啐啄同時(そったくどうじ)」という言葉ですが、ご存知の方がいらっしゃるかもしれません。もともとは禅の教えから来たそうですが、これは孵ろうとしている雛鳥が卵を内側からつつくときに外側から親鳥が絶妙なタイミングと強さでつついてひなが孵るのを手伝うことを言います。つまりは、お互いを常に思い遣りパートナーが必要と感じた時にあなたはそっと助けてあげる。相手が喜ぶ姿を見て、自分も嬉しくなり報われた気持ちになれること、そういった関係がこの良縁をさらに幸福なものにしてくれると思うわけです。

この啐啄同時という言葉をお二人に捧げますので、日々実践して奥さまの尻にひかれて、笑顔の絶えない家庭を築いてほしいと思います。ぜひ、日本一の幸せな家庭を築いてください。
新郎新婦、本日は本当におめでとうございます。心よりお祝い申し上げて、結びと致します。どうも、ありがとうございました。

割れんばかりの拍手と笑顔に包まれながらマイクコードに足を引っ掛けないよう注意して私は席に戻ったのでした。人生においてトップクラスの「ドヤ顔」をしていたと思います。その後は皆さんにお酒を注がれて酔っぱらってしまいよく覚えていませんが、Hくん、Kさん、本当に良い結婚式でした。


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