ルリドラゴン 六話感想

 ルリドラゴン6話です。今回も面白かったです。

 ルリドラは不思議な作品で、6話になっても未だにこの漫画が一体どういうものなのかはっきりしていません。3話でドラゴンハーフのルリをクラスメイトは暖かく迎え入れ、神代もルリに対してとても親切にしてくれていたことからこの漫画は「優しい世界」で、ルリドラゴンは「ファンタジーな日常」の看板通りゆるふわ日常系漫画なのかなと思っていたのですが、5話、6話を読んでいるとどうも違うようです。

 5話ではルリのことを「怖い」という子が出てきて6話ではさらに露骨にルリに怯える同級生も出てきます。ルリドラ世界はきらら日常系のように無条件で優しくされる世界ではなさそうです。となると7話以降この漫画がどの方向に向かうのか全く想像がつかないんですよね。現状、この漫画は繊細な描写が魅力となっているので、少しバランスが崩れると一気に台無しになってしまう可能性もあります。毎週ジャンプが発売されるたびに「もし今週が面白くない展開だったらどうしよう」とガクガクしています。6話まではその心配は杞憂に終わっているのですが7話がどうなるか今から不安でいっぱいです。眞藤先生の才覚を信じるのみです。

 さて本編の話ですが、6話はユカの保護者&正妻ムーブに目がいきますね。1ページ目から最後まで常にルリのことを慮っているんですよ、この子。冒頭でルリの頭痛について心配して、学校につくと周りから「ドラゴン」と言われるルリに「(ドラゴンって呼ばれて気にしてない?)大丈夫?」と気遣いしています。ルリが男子に安易に肌を触らせているとこれを心配して叱りますし、ルリが昼食がおにぎり一つだと言うと小食すぎるとこれも心配しています。完全にお母さんです。前田さんがルリを怖がっている時、ルリが特に動揺してない様子を見てユカはホッとしています。小さいコマですがほっこりしますね。更に深読みすると、1ページ目でユカが車道側を歩いているのも病み上がりのルリを守るための保護者ムーブに見えてきます。神代がルリのことを「人間じゃない生物」と何気に酷いことをいっている時もすかさず「半分人間だけどね」とフォローしています。

 ユカはどうも遅くとも中学時代からの友達のようですね。「ルリは人に好かれるからいっぱい人と関わった方がいいんだよ」なんて友達っていうよりやっぱりお母さんのセリフです。もしかしたら4話でスタバについて行かなかったのは委員会があっただけでなく、ルリに交友関係を広げてもらいたかったからってのもあるかもしれません。ユカがついていくとルリはユカとばかり話してしまうでしょうしね。ところで気になったんですけど「なんか髪がすごい」のユカの目が充血してるのは何か意味があるんでしょうかね。下のコマでは元に戻ってるので特に意図はないのかもしれません。あとユカちゃん、神代がいるのにルリにフルーツを餌付けしています。割と異様だと思うんですが神代もスルーです。最近の女子高生はあーんしあうのが普通なんでしょうか。

 下駄箱のシーンではルリに対して「え、可愛くね?」と囁かれています。これで作中でもルリは可愛いということが確定しました。ツノフェチの神代の贔屓目ではなかったということです。そしてルリも「お前らいじりすぎ」と言い返します。自分は「お前」と呼ばれるのがいやなのに他人には「お前」と言っちゃうところが可愛いと思います。教室に入ってからの「ツノ触る?」と言われた時の吉岡が、下心より先にビビりがきてしまうのは十五歳男子らしい反応だと思います。女子の体を触るのは思春期の男子にとってなかなか怖いと思います。この辺リアルですね。1話の頃からツノというより刀と言われていたルリのツノですが、やはり鋭く冷たいようです。ラストページで放電を始めるルリ、瞳が今までの爬虫類のそれでなく輝き。いわゆる椎茸になっています。能力に応じて瞳が変化しているのか、ドラゴンに近づくほどに瞳がドラゴンに近づいているのかはまだ不明です。

 今回のヒキでルリは身体から放電し始めてしまいます。炎は制御できても今度は雷。この電気がどれだけのものかは分からないですが、ルリ本人が制御できない能力を発現するたびに前田さんのようにルリに怯える生徒も出てくるでしょう。中にはルリを忌避するだけでなくルリに攻撃的な態度をとったり、そこまでいかなくとも陰口をいう生徒も出てきてもおかしくない。このままいくとルリ曇らせ展開になってしまうんですが、どうでしょう。果たしてルリの日々は守られるのか否か、次回が楽しみです。ルリの穏やかな日常が続きますように。

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