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音楽日記|はっぴいえんど『HAPPY END』(1973)

ふと、はっぴいえんどが不意に聴きたくなって、とても久しぶりに本作を聴いてみた。
新鮮かつ豊穣な響きと歓びをもって、私の耳を、感覚を満たしてくれた。
やはり、現代においてもはっぴいえんどは偉大だった。
通算3枚目のオリジナルアルバムにして、最後のスタジオアルバム。
私はこのアルバムが好きだ。
1作品目の『はっぴいえんど』(通称「ゆでめん」)は、「日本のロックを確立させるのだ」という音楽的野心が溢れる斬新なアルバムだった。
最高傑作と名高い、2作品目の『風街ろまん』は、その志向性が結実し、ぴんと張り詰めた緊張感を感じる、日本のポップミュージック史において、革新的な影響を及ぼすこととなる、コンセプトアルバムだった。
本作は解散が決まっている中での、アメリカで録音された作品(アメリカの名だたるミュージシャンが参加している楽曲も複数ある)であり、個々のソロ色が色濃い楽曲群となっている。
そのためか。前2作と比べて、本作はバラエティに富んでおり、どこか解放感を感じる作品となっているように思う。
そこが私がこのアルバムを好きな理由である。
とにかく聴いていて、心地よいのだ。ゆったりとした気持ちで、音楽に身を委ねさせてくれる。音の粒が立っていて、緩やかなグルーヴを醸し出している。
この作品がどのような評価を得てきたのかは、私は不勉強ながらあまり知らない。(怒られそうだ。。)
ただ前2作と趣の異なった本作は、音楽を聴く歓びを感じる、まぎれもない、はっぴいえんどの傑作であり、改めて私の愛聴盤としていきたいと思う。

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