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もっとファンタジーを! 第五章「Make a aberration to you」

俺が連れてきたせいで大輝と静心が能力に目覚めた。
 大輝は自身の運動能力とかを強化できる光の装甲を左右の手首から先と両足に展開でき、さらにその上に頭上でフードを被るような動作をすることによって光のフード、そして全身の残りの部分にも装甲が現れる無敵モードみたいなこれまたヒーローみたいな能力を手に入れていた。
 静心は魔力にやられた体が不安定で医者とウェンティからのギフトのおかげでやっと起きている状態。そのうえで、体が眠るというか気絶すると光の分身体が幽体離脱的に出現するといった能力だ。そして、この分身体は自由に動け、浮かぶこともできる上に形状も自由に変えられるようだった。
 なんか二人とも凄い能力だなあ。
 二人もかなり満足しているので、まあ、よかったのかな?と半ば心の中で妥協して俺たちは一旦地球に帰還することに。
 地球に戻ると時刻はまだ夜7時とか。向こうでの出来事が濃すぎてもっと時間が経っていたかと思ったが、案外そうでもなかったようだ。
 俺たちは興奮冷めやらぬままに家に帰り、部屋に戻る。
 夕飯は近くのファミレスで食べることにして家族にそれを伝えてから家を出る。
 「それにしてもごめんな、俺が連れて行かなければこんなことになんなかったのに」
 「いやいや、大満足よ!マンガみてえじゃん!」そう言って大輝は右腕の装甲を出現させる。
 「うん、僕も何かしらでも能力を使えるとか夢みたいで嬉しいよ!」
 「でもお前らあれだぞ?あんま人前で使うなよ?」
 「もちろんです先輩!」
 「うん。わかってる」
 楽しそうだがやはりなにか不安が残る。
 俺たちはファミレスで会議を始めた。
 「第一回‼能力者会議ッ‼」
 「なんだよ、赤城もノリノリじゃん!」
 「いつもの感じに戻った。」 
 「こうでもしないとやってられないって!」
 「よっ!そのいき!」
 「いいねいいね」
 「とりあえずドリンクバー‼」
 俺たちは各々の料理とドリンクが揃ったところで話し合いを始める。
 議題はもちろん。
 「で、この能力の扱いどうするよ。あと隣の世界のこと。」
 「てか、そもそもなんで能力って言ってるんだ?魔法じゃなくて」
 「それ。」
 「いや、俺がいくらやっても隣の世界の魔法は習得できなくて俺固有のものだったからそっちの方がしっくりくるなって思って。」
 「なるほど。確かに俺たちもその可能性あるしな。」
 「医者の人は見たことない魔法って言ってたしね。」
 「多分、元々こんなことできない地球人だからこそ変な発言の仕方したんだろうね。」
 「でた、赤城の考察癖。それで隣の世界ってのはどうなのよ、ネーミング。」
 「安直。」
 「これは、向こうの人たちでの呼び方が存在しなかったからだよ。あの人たち宇宙についても知らないみたいなんだ。」
 「え、空飛べるのに?」
 「ね、結構高く飛んでたよ?」
 「いやでも流石に宇宙には行けないんじゃね?普通に死にそうだし。」
 「ま、そうか。」
 「納得。」
 「で、これらあれこれのことなんだけど、正直めちゃくちゃ学術的意義のある事象だと思うんよね。」
 「まあ、それは間違いない。」
 「根底から覆すね。」
 「でも、俺たちしかいけないし、能力持ってるとなるとさ、」
 「あ、政府の裏組織的なところから追われる?」
 「本当にあるの?そんなこと。」
 「いや、そこまでは考えてないけど、少なくとも協力必須で今の生活は送れなくなると思う。」
 「うーん。配慮してくれるんじゃね?」
 「それぐらしてもらわないと。」
 「まあ金貰えて裕福になるってのは間違いないけど、確実に自由な時間は減るだろうし、検査検査の毎日毎日になる予感しかしない。」
 「政府の裏組織!」
 「でた!」
 「しかも拒んで逃げたら追われるかも…?」
 「ほらやっぱりそうなるじゃん!」
 「ね!」
 「はあ、結局こうなるのかな?事例がないから何とも言えないよな…。」
 「まあ俺たちの秘密って良くね?」
 「それもそうだよね。てか、昔超能力持ってるとか言われて裸で検査された女の人居たよね?」
 「ああ、なんか聞いたことあるかも。水が生み出せる?みたいなやつ?」
 「なんだそれ!」
 「そう、それそれ。」
 「最後までタネを疑われ全裸で検査受けるのもなんか嫌だなあ。」
 「俺もだわー」
 「同じくー」
 「じゃあ、やっぱ俺たちで詰められるところまで調べるか!」
 「よっしゃ!」
 「そうだね。」
 結局俺たちはこのことは内密に、そして、人前で使わないことを誓い、予定の合う週末には隣の世界に行って色々検証することにした。
 こぐらいの日常の中の小さな非日常ぐらいが俺として一番楽しい。
 ちなみに「能力」や「隣の世界」というネーミングは良い代替案が出なかったためこのままになった。
 その日の夜、俺たちは改めて自分たちが特別な力を持ったこと、そしてそれを友達の間での秘密として共有していることへの嬉しさを語り合った。
 窓から見える星空の紺色に各々の水色のオーラ、そして赤、黄、青の三色が交わる。
 混ざり合い、複雑な色を織りなし、まるでオーロラの様な幻想的な色を繰り返す。
 少なくともこれからは普通ではない生活が始まる。
 楽しみでもあり、不安もある。
 ま、ウキウキが勝ってるけれど。
 そんな感情の中、眠りについた。

 朝起きてみんなで俺の家の朝食を食べる。
 そして、何食わぬ顔、普通に解散。とりあえずみんな色々あって疲れたので次の話し合いは学校か来週の土日にということになった。

 しかし、事件は起きた。
 午後はなにして過ごそうかなんて悠長なことを考えていると、俺の部屋に静心の分身が現れた。
 「うお、びっくりした。どうした?」
 「問題が発生した。」
 「どうした?」
 「体に戻れなくなっちゃった。おそらく魔力切れ。」
 「え、マジか。じゃあすぐに隣の世界行かないと!」
 「いや、問題はもう一つあって、」
 「おう。」
 「この分身が抜けた状態が家族に見つかっちゃった。」
 「え!?マジ?」
 「うん。今向こうは植物状態みたいな感じだから、救急車で運ばれて行っちゃった。」
 「おいおい、まじか。」
 「どうしよう。」
 「てか、なんでここまでこれんの?」
 「なんか、体が完全に不能になって制約が解除された感じ?みたい。」
 「なるほど。とりあえず会議だな。」
 「うん。」
 大輝に連絡し、俺の部屋に二人と分身一体が集まった。
 すると、大輝からも告白が。
 なんと、静心の全身が動かないように、大輝は左目の視力を失ってしまったようだ。見た目にはなにもないのだが、見えないそうなのだ。二人に後遺症的なのがでてしまった。
 とりあえずこれらの症状は俺たちにはどうしようもない。隣の世界で診てもらうしかない。しかし、静心の体は病院だし、おそらく異常はないのに植物状態なので入院は免れないだろう。

 結局どうすることも出来ずにこの日はお開き。またじっくりと考えることになった。

 次の日に再び集まった。
 静心はやはり病院で精密検査を受けており、静心の家族は深い悲しみに落ちているようだ。なので、一度静心がこの分身体で説明しようかと言ったが、色々ややこしくなりそうなのでとりあえずはやめておくことに。万が一のことが起きそうであったら打ち明けるのも一つの方法として可決。大輝の左目に関しては生活に支障はないと言いつつも、きっと不都合な点が出てくるはずなので今晩隣の世界に行って診てもらうことになった。

 その日の夜、俺と大輝は例の河川敷へ集まった。静心は分身体だけを隣の世界に移動させるとどうなるのか正直怖かったので一旦留守番となった。
ちなみに静心の分身体は形も自由なので、空間に霧散させることもできる。この状態なら 「なんかちょっとここら辺明るい・・・?」程度なので認知されないだろう。
そんな静心に見守られる中、俺と大輝は隣の世界へ移動する。
 こちらは日付が変わったばかり。向こうはちょうど昼なので、ウェンティも時間があるはずだ。
 俺は足に集中して能力を使用。
 回転する感覚。もう慣れっこだ。
 グワン!
 隣の世界に行くと、予想通りで昼だった。俺はすぐに近くにいた人に事情を説明し、ウェンティとアクアラング医師を呼んでもらった。
 以前と同じように救護室に案内され、分析が始まる。
 アクアラング医師は水系の魔法が得意らしく、それも駆使して検査を行う。どういう魔法かわからないが、アクアラング医師の眼の部分に光る水?のメガネが出現。それで大輝をじっくりと見ている。
 少ししてそれが消え、
 「うん、やっぱりこの世界の魔力が悪さしているね。」
 「それで、俺の左目は戻るのか?」
 「うん。眼球の中に魔力が溜まってる感じだから、魔力コントロールがちゃんとできるようになれば多分治ると思うよ。あと君、凄い魔力だね、そっちの世界で言う生命力?これは鍛えたら色々出来ると思うよ。」
 「おお!やったぜ!感謝するぜ!」
 そして俺たちは静心についても話した。
 この世界に病院は無く、医者が赴く方式らしいので病院と言うものに驚いていたが、やはりとりあえずここに連れてこないことにはどうすることもできないという。作戦を練らなければならない。
 とりあえず一先ず大輝が魔力をコントロールして左目を治し、そのうえで他の魔法も使えるのか検証することにした。
 ウェンティが指導官になってくれると名乗り出た。多分、楽しんでるだけだと思うが。
 俺たちは近くの広場に移動した。
 大輝が魔力コントロールを教わるついでに俺も教えてもらう。
 RPGの「訓練パート」みたいでテンションが上がる。

 ウェンティは俺たちに俺が前に教わったようにこの世界で教わる魔法の基礎から教えてくれた。
 「お腹から出すイメージよ!」みたいなことでかなり基本的なことから教えてくれたのがわかるのだが、俺と大輝はすぐに疲れてしまった。
それもそのはずで、今この世界の時刻は昼の2時ぐらいだが、俺たちは昼の時間を経てここへきているのでいわば時差ボケのような状態なのだ。本来なら寝ている時間だ。この前の俺は多分興奮によるアドレナリンとかで乗り切っていたのだろう。
しかし今は魔法の基礎練習。繰り返しの基礎動作に俺たちの脳みそは飽きが来ていた。
 なので、休憩を申し出る。
 ウェンティはすぐに俺たちの状況を理解して許可をくれた。
 せっかくなので疑問を聞いてみることに。
 「なあ、ウェンティ、やっぱり俺たちの体じゃ他の魔法は使えないんじゃないかね?」
 「うーん。流石にこの世界の生物意外に魔法を教えることがないからなー。この前も話したけど、体を構成している根幹が違うから厳しいかもしれないよね…。」
 「根幹っていうのはウェンティで言う魔力だよね?」
 「そうね、私たちは生まれる時にこの星から力を分け与えてもらってるからね。」
 「そういうことだと俺たちの世界にそれに該当するものは無い気がするな…。なあ、大輝はどう思う?」
 「んあ?あんまちゃんと聞いてなかったわ。でも、さっきアクアラング医師から言われた生命力がそれに当てはまるんだろ?俺運動得意で静心は苦手だろ?」
 「確かにそれは一理あるけど、星から恩恵を受けるっていうのが違うよなー。」
 「アカギたちはどうやって生まれてくるの?」
 「ん?ああ、この前話した生殖行動だよ。同じって言ってたでしょ?」
 「は?おい赤城お前何話してんだよ?羨ましいかよ。」
 「ちげえよバカが。これは意義のある学術的な話だ」
 「えーと、よくわかんないけど私たちのと同じなんだよね?それの魔力抜き?」
 「う、うん…。そうだと思うよ…。」
 「赤城、顔赤いぞ?」
 「てめえが余計なこと言うから…。」
 そんなこんなで練習が再開されたが、すぐに俺たちは眠気に襲われてそれどころではなくなり、今日はお開きとなった。
 結局俺たちには別の魔法を使うことはかなわう、魔力のコントロールも難しそうだった。
 だが、最後にウェンティが「それなら今の魔法の精度を上げたり強化するのはどう?やってうことは似てるし。」という発言で次からは能力強化という視点で鍛錬を積むことになった。
 そして俺たちは地球へ帰還。
 もう夜中ということもあって俺たちは自分の能力を使って家に帰る。
 「じゃあ、また明日。」
 そういうと大輝は両足に光の装甲を出現させ、強化した蹴りで民家の屋根から屋根へ飛んで行った。
 俺はそれを見送ってから視界の中をワープする能力で家に速攻で帰った。
 静心は分身体の状態でもスマホを使えるようでやり取りは出来るみたいだ。しかし、本体が植物状態の時にやり取りをしていた証拠を残すのはマズいと考えて止めておいている。
そして、万が一の時のことも考えて大輝ともこれらのやり取りはしないことに決めている。
なので、すぐに報告は出来ない。だから俺たちは学校の人気のない別棟で昼休みに落ち合うことにしている。
 明日の昼休みに静心に今日のことを伝え、静心の体を隣の世界に移動させる作戦を練る。

 次の日の昼休み。
 俺と大輝のクラスに入江がやって来た。
 「やっほー、ご飯食べよー」
 正直完全に入江のことを忘れていた。だが、変に疑われるのも良くないのでなんとか大輝と協力する。
 「お、誰かと思えば彼女だ。」
 「よ、朱里!食べよ食べよー」
 「でた、赤城の彼女呼び。昔は朱里ちゃんって呼んでたのになー。」
 「時代だね時代。」
 「ああ、時代だな。」
 「なにそれ(笑)」
 「彼女との付き合いも思えば小学からだもんな…。うんうん。」
 「誤解しかない言い方だがそんな長いのかお前ら」
 「そうだね、赤城とは小中高同じだよねー」
 「歴史は長い(顎サスサス)」
 「そういえば、赤城昼休みに職員室行かないとなんじゃねっけ?」
 「え?呼び出し?」
 「あ、ああそういえば!ちょっと行ってくるわー」
 思わぬナイスパスで俺は離席。そのまま静心が居るはずの人気のない別棟へ。
 人気のない別棟四階。俺たちが普段使っている南側の棟の反対にある北棟と呼ばれるこの場所。昼間だがあまり日が入らない廊下が独特の雰囲気を醸し出す。普段はほとんど使われないので俺が歩くたびに埃が少し舞っている。
 ここの雰囲気も俺たちが普段授業や日常を過ごしている校舎とは異なる異質な雰囲気が合って結構好きかもしれない。
 廊下を歩いていくと一番奥に屋上へ続く階段があり、そこが待ち合わせ場所だ。
 俺が着くや否や空間から声がする。
 「あ、赤城、おはよー」
 「お、静心、なんかまだ変な感じというか、ビビるな。」
 「ごめんごめん、で、なんか進展あった?」
 「とりあえずやっぱりお前の体を向こうの世界に持って行かないといけないみたいだわ。」
 「やっぱりそうか…。僕の体は今日検査やってるよ。」 
 「だよねー。なんとか連れ出さないと。」
 「何かできることないかな?」
 「一応、魔力のコントロールが出来れば治るかもしれないって言われたからちょっと時間あるときになんか、こう、鍛錬的なこと出来ないかな?」
 「うーん。ピンとこないけどやってみるよ。」
 あまり別棟にいるのも誰かに見られると面倒なので静心とはこれくらいで解散する。

 こんな感じで今日の出来事は終わった。
 大輝は左目が不調で部活が思うようにいかずにボヤいていた。早くなんとかしないと。

 それからしばらくの間、俺と大輝は隣の世界にたまに行ってはウェンティに色々と教えてもらい、なんとか魔力コントロールを身に付けようとし、静心も地球でなんとか出来ないかと頑張った。三人が集まれば静心の体をどうするか話し合ったりした。

 そんなある日の隣の世界にて。
 大輝は自身の強化能力であるフードを被った状態の持続時間を延ばす練習をしていた。やることはひたすらに能力を使いまくること、そして、その状態で動きまくること、というもの。なんとも安直だが多分こういうモノには効果的なのだろうし、運動大好きな大輝はきつくてもノリノリで鍛錬を積んでいた。
 その結果、大輝の元々の運動能力もあってかかなり自由自在に三次元的に動き回れるようになっていた。
 俺は俺の方で他の魔法が使えないかとか、ワープの移動距離とかいろいろなことを試していた。
 すると、遠くの方から大輝が呼ぶ。
 「おーい!赤城!やったぞ‼」
 そう言いながらこっちへ来た。
 「どうした大輝!なんかわかったか?」
 「そんな感じ!レベルアップしたわ‼」
 「レベルアップ?そんなんわかんの?」
 「そうじゃなくて!新しいスキルが身に着いたみたいだ‼」
そこへウェンティもやってくる。
 「どうかした??」
 「お、ウェンティ!なんか大輝が新しい能力に目覚めたみたいでさ!」
 「凄いじゃん!じゃあもしかしてコントロール成功??」
 「あ、どうだろ」
 そういうと大輝は右目を手で多い、左目だけで俺たちの方を見る。
 「見える‼見えるぞ‼」
 「おお!やったじゃん!」
 「やったねタイキ!」
 「おうよ、よかったぜ…。これで静心も元に戻れるかもしれねえ!」
 大輝の新しい能力はより漫画っぽくなった。それは「強化状態で攻撃を行った場所に三度だけ遠隔から攻撃できる」というものであった。
 さらに、あとから気づいたみたいだが、この強化状態の時は左目の中に溜まっていた魔力も強化され、魔力の流れ?みたいなのが見えるようになっている。
 いや、主人公かよ。強すぎんだろ、能力。
 俺は相変わらずワープするだけだ。
 ともかく、大輝の左目が見えるようになったことで静心の助かる可能性が上がった気がする。
とても大きいことだ。
 すぐに次の日の昼休みに学校北棟四階のあの場所にて静心に伝えた。
 あとは体を持ちだす方法だけだ!

 しかし、その前に事件が起きてしまった。

 俺と大輝は制服姿で週末に電車で少し行ったところの都会に買いものをしに行っていた。
 なんで制服かって?楽だからさ!
 目当てはもちろん、ブルー・ノートのグッズ。
 この街にはアニメや漫画のグッズをメインで扱う店がある。なので、そこへ行っていたのだ。俺たちは戦利品を両手に抱え、家に帰るために駅へ向かっていた。
 その時。
 ドオオーーーン‼
 突如としてなにかが爆発したような、でも違うような鈍い音がした。
 その直後鳴り響く数々の悲鳴。
 周りの人が空を見上げているので俺たちも咄嗟に上を見る。
 すると、俺たちの真横に立っていた高層ビルの上階の方が途中で真っ二つに切れて落ちてきていた‼
 やばい!と思い咄嗟に能力を使おうとする。
 俺の能力を使えば隣の世界に避難できる。
 しかし、俺と少なくとも大輝は助かるが、周りの人たちは逃げられなければ確実に死ぬ。
 咄嗟に俺は願う。
 「俺から半径30m位の空間をまとめて移動させろ!!!」
 これまで俺も能力の鍛錬を積んだ。それくらいで来てくれなければ困る!!!
 俺は願いながら右足をあげ、いつも以上に力強く地面を踏みつける。
 倒壊したビルはもうそこまで迫っていた。
 グワン!!!

 俺は間一髪のところで隣の世界に移動できた。

ぐんぐんどんどん成長していつか誰かに届く小説を書きたいです・・・! そのために頑張ります!