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パリ生活ゴ (31) ヒル作戦

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 31.  ヒル作戦   

<シーン 31 >
3カ月前に日本に帰国した友人の話。
フランスに残した銀行口座の種類を変更し、東京にカードを送ってもらうことにしたが(当然)届かない。メ-ルで催促してみたものの、らちがあかない。こりゃアカン、と在日フランス人の友人ロランに問い合わせをしてもらったらしい。

ロランが銀行に電話をかけた。その日は不在の留守電。
翌日、留守電が変わっている = 出社している(はず)。
それから『ヒル』と化したロランは10分毎に電話しまくり、メッセ-ジを残し続けた。そして10回目、観念したのか、担当者が電話口に。

担当者:「実は、カードを東京に送ったんだけど郵便番号が間違っていて返送されてきたんだ」。
ロラン:「そうだろうと思ってたんだ。悪いけどまた送ってくれる?日本のサ-ビスが信用出来ないからね。万一のために、DHLの受付番号もくれる?」

ロランいわく、「送ったって言ってるけど、面倒だったからどうせ送ってもいないでしょ。電話はいつも留守電。面倒な相手の電話は取らないんでしょ。口約束なんて意味ナシ。DHL番号をもらって確証を取る。そのココロは、あなたの言うことは信用してますよ(ホントはしてないケド)。でもね、日本の郵便事情が信用できない(いやいや、信用してるケド)。だから、番号ちょうだい、と言ったらいいんだよ」。
そんなロラン、実は某フランス系銀行マンである。

<使えるパリ生活ゴ 31 >
A : On l’a déjà envoyé mais bizarrement il a été renvoyé.
もうお送りしたのですが、妙なことに返送されてきたんです。

En fait, ① je voulais vous contacter pour vérifier l’adresse.
実は住所を確認するため連絡差し上げたかったんですよ。

B : ② Ça arrive. Voila à nouveau mon adresse...③ Pourriez-vous le renvoyer et me communiquer le numéro de DHL ④ au cas où parce que je ⑤ me méfie de la poste japonaise.
そういうことありますよ。じゃあ改めて住所を……もう一度送って、万一の為にDHLの番号教えていただけます?日本の郵便は信用ならないんで。

A : Entendu. Nous allons l’envoyer ⑥ dans la courant de cette semaine.
分かりました。今週中にお送りしますよ。

B : Je vous remercie.
感謝します。

〜解説 31 〜
① je voulais~で「~がしたかった(が、実際はしていない)」。
やらなかったことの言い訳に良く使われる。

② Ça arriveで「それは起こる」→「そういうことあるよな」と同調的に使われることが多い。

③ Pourriez-vous~? は「~していただけますか?」で、Pouvez-vous~?よりずっと丁寧。

④ au cas oúで「万一の場合」。
発音は「オカウ」、リエゾンをすると「オカズ」となる。

⑤ se méfier de~で「~を信用しない」、「疑う」。
<関連語>méfiantは「疑い深い」。méfianceは、「不信」。
<反対語>faire confiance à ~で「~を信用する」。

⑥ dans la courant de~で「~の期間中に」。
aujourd’huiやdemainと具体的に言うのを避け、本文のように「今週中に」とわざと曖昧にしたい場合に便利な言葉。

❤️では scène 32 でお会いしましょ❤️


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