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パリ生活ゴ(14) ガマン(gamins=子供)観察

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 14. ガマン(gamins=子供)観察  

<シーン 14 >
子供を観察すれば、各家庭環境が見えてくる。

息子が通う幼稚園の朝。
8時20分の開門前にいつも到着しているニコラ。付き添うパパは真面目そう。
一方、8時40分の閉門ギリギリに駆け込むアフマッド。付き添うパパは時折無精ひげ。セクシーというよりは、だらしない。

4時半のお出迎えタイム。
校内でリーダープライス(安いスーパー)のクッキーを食べ歩くサラ。ママが学校を出る前にあげてしまうのだ。
一方、いつも学校を出てからきちんと座って手作りオヤツを食べているアンリ。ママはいつもアイロンがびしっとかかったシミ1つ無い白いシャツを着ている。

公園の砂場で。
他の子の砂の城をこわしまくるケビン。
立ち向かう正義ダビッド。
泣き寝入りのポール。
ケビンママはアグレッシブ気味で、ダビッドママはクール、ポールママは影が薄い。

砂場で、わが息子がテオと言い争っていた。息子の口からよどみなく溢れ出てくる『叱りとばしボキャブラリー』に感心。
「めっちゃすごいやん、どこで覚えたん?」と私。息子は怪訝な顔で 一言、「おかんがいつも言うてるやん」。

<使えるパリ生活ゴ 14 >
A : Arrête un peu, ①calme-toi. T'es ②chiant.
 ちょっとやめろよ。うっとうしい。

B : ③Tais-toi.
うるさい。

A : C'est moi qui décide ici.
ここではオレが決めるんだ。

B : Ça va pas la tête ? C'est ma chambre et ④mes jouets à moi. Enlève tes ⑤ pattes de là.
頭がおかしいのかよ。オレの部屋とオモチャなんだぜ。そこから手をどけろよ。

A : Comment tu parles !
なんて言い方だよ。

〜解説 14 〜
① calme-toiは落ち着け、静かに!
興奮してはしゃぎまくる子供によく使う。
<類義語> Ne t'énerve pas (いら立つな=落ち着け)Ne t'excite pas(興奮す るな=落ち着け)緊急事態発生時にはpas de panique(パニックに陥るな=落ち着け)と共によく使われる。
<関連語> Du calmeは静かに。

② chiantは形容詞でわずらわしい【ennuyeux】。
<同義語> emmerdant, embêtant
<関連語> faire chier~で、~を困らせる【embêter~, ennuyer~】。例)Il m'a fait chier(アイツにひどい目にあったよ)

③ tais-toiは黙れ(<代名動詞se taire)。
子供を一喝する時に使う。
<同義語> Ta gueule(うるせえ)は大人同士が相当喧嘩腰になっている時に使う。gueuleは元来、獣・魚の口の意だが、人の口や顔に使うとぞんざい、失礼な表現になる。

④ mes jouets à moiはボクのオモチャの意だが、mes(ボクの)+à moi (ボクの)と所有を表す語を重複した強調表現。
子供が使うことが多く、大人が使うと子供っぽい感じがする。

⑤ pattesは元来、動物の脚の意だが、人の足 【jambe, pied】に使うとぞんざい、失礼な表現になる。
上記③のgueuleの用法を参照。

❤️では scène 15 でお会いしましょ❤️


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