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パリ生活ゴ(17) フランス女子も義母は苦手

「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。
(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)

が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。

また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。

scène 17.  フランス女子も義母は苦手  

<シーン 17 >
関西のオバハンである私よりおしゃべりなフランス女子を黙らすには、belle-mère(義母)の話を出すことだ。瞬時に彼女達は言葉を失い、顔が引きつり、視線は上向き斜め45度のはるか彼方へ。

グアドル-プの血が入っているコリズは、アーモンド形のエキゾチックな瞳が印象的。「義母が、誰かれかまわず『この子の日焼けはスゴイでしょっ!』て言うの。これは地肌!」怒りで瞳がウルんでいる。

ブルターニュ出身のロランス。「思いっきりパリジェンヌなのよ!」解読すると、義母はセレブ好き、孫の顔は見たいが面倒はお断り。義母としてでなく、常にひとりの女としてロランスとセクシー度を競い合おうとするということらしい。

パリジェンヌでひとりっ子のシルヴイの義母は寡婦である。「毎週末の電話攻撃。息子の気を引きたいからいっつも『ここも、あそこも痛い』じゃあ病院行けっちゅうねん!」

写真を撮るたび義母に「さあ、目を開けて」と 言われる私は(もちろん、私は細い目をしっかり開けているのだが)ずっとクサッていたが、やられているのはアジア女の私だけではないと知り、気が楽になるってのも情けない話か。

<使えるパリ生活ゴ 17 >
A : Qu'est ce que tu vas faire ce soir?
今晩の予定は?

B : Un grand ménage ! Ma belle mère va ①débarquer demain.
大掃除! 明日、義母が押しかけて来るの。

Tu sais, elle est ②accro à la propreté. Tout doit être ③nickel. Si non, elle va me ④harceler tout de suite. 
彼女掃除魔でさ。どこもかしこもピカピカ でなきゃ、スグにお小言よ。

A : Relax. ⑤Ça ira. Heureusement j'ai déjà fait mon obligation familiale la semaine dernière. En tout cas, ⑥bon courage.
まあまあ。大丈夫よ。こっちは先週お勤めを済ましたところ。とにかく頑張ってね。

〜解説 17 〜
① débarquerは不意に来る【arriver à l'improviste 】。

② accroはaccrochéの省略。accro à~で~魔 【passionné par~】。
<関連語1> fana(fanatique の略)。fana de cinémaで、熱烈な映画ファン。
<関連語2> fou。fou de jazzで、ジャズに夢中。
<関連語3> malade。malade du jeuで、賭博狂。

③ nickelはピカピカ、完璧な【propre, impéccable】。
灰白色の金属元素、ニッケル。見かけは銀に似ており、その輝きと光沢から上記の意味が派生。

④ harcelerは悩ませる【tourmenter】。
<関連語> agacerはイライラさせる。brimerはいじめる、いやがらせをする。

⑤ Ça iraで、どうにかなる。
iraはaller (ここでは、物事がうまく運ぶの意)の未来形。Ça ira mieux で、(状況が)良くなる。

⑥ bon courageは、頑張って。

❤️では scène 18でお会いしましょ❤️


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