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ダイヤル式電話のその前の時代の話(実体験)

小林明子の名曲「恋に落ちて」(1985年リリース)の歌詞に「ダイヤル回して手を止めた」の一節がある。

昭和45年生まれの私だが、住んでいたところがかなりの田舎だったせいで、ダイヤル式電話のその前に存在していたダイヤルのない電話の時代を実体験している。

筐体はいわゆる黒電話だが、表面にダイヤルがない。受話器を手に取ると交換手(たぶん当時は地元の郵便局)につながり、相手の電話番号を口頭で伝えると相手宅を呼び出す手順だ。

当時、自分の家の電話番号を言い、交換手に「それお宅ですよ」と言わせてガチャンと切るといういたずらは周囲の誰もが一度はやっている(いまさら申し訳ない)。

この電話がダイヤル式に切り替わる工事が行われたのは確か小学3年生頃(1978年頃)だったと思う。

全校児童が講堂に集められ、そこに電電公社(現NTT)の職員がダイヤル式電話の使い方の説明をした。

全員にプレゼントされたアクリル製の下敷きには、ダイヤル式電話のかけ方の絵入りマニュアルが書かれていた。

帰宅すると自宅の電話がダイヤル式のそれに交換されていて、ダイヤルが戻るときの「ジーコ、ジーコ」という音や、相手を呼び出すときにかすかに鳴るベルの「チリンチリン」という音が面白かった。

しかし、自分の電話番号をかけても「ツーツー」というだけで、もうあのいたずらが出来ないのかと少し残念な気持ちにはなったが。

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